2025/06/05 (木) 08:00 2
沖縄が梅雨入りし、西から東へとジワジワと湿気が広がってきた。つまり今年も全国的に、例の「洗濯物の居場所がない季節」が到来したということだ。我が家も例外ではない。「洗濯物を外に干すかどうか?」でカミサンが一人ドラマを演じている。
ある日の晴れた空の下、二階のベランダで洗濯物を干していたカミサンが突然叫び声を上げた。まあ、こういうとき男は「何事か!?」と一応“慌てたフリ”をして現場に向かうわけだが、見てみれば、そこには瀕死の蜂が転がっている。「危ないから叩いたのよ!」と得意気に言うカミサン。なるほど、箒一本で武勇伝を語るタイプらしい。「おまえは佐々木小次郎か宮本武蔵か」とツッコミを入れたくなるのをこらえる。蜂の立場になってみりゃ、「なにもしとらんのに突然ぶん殴られた」って話でしかない。
そのくせ、「こわいからソレなんとかしてぇ〜」とブリッコ口調でこっちに処理を丸投げ。こっちは無言で対応。だが、ふと雨戸の下を見てみれば蜂の巣の2個セット。これはもう家庭内トラブルの領域を越えて、防災案件である。速攻で殺虫剤を撒き散らして駆除完了。さすがに巣まで作られると放っておけない。
ふと思い出したが「蜂が低い位置に巣を作る年は台風が多い」という迷信じみた言い伝え。信じるわけじゃないが、こういう年に限って当たったりするから厄介だ。梅雨入りのジメジメに、家庭内のザワつきと自然の警告がミックスされた今年の6月。さて、次に刺されるのは蜂か、オレか。
さて、オランダ王国友好杯は高松宮記念杯の前哨戦ってことになるね。梅雨空の下、各選手の仕上がり具合を見極めるには、ちょうどいいタイミングだね。S班からは新山響平、岩本俊介。加えて深谷知広、寺崎浩平、菅田壱道、山崎賢人が参戦。まあ、上位陣がズラリと揃ってきたわけで、これはなかなか激戦模様になりそうだ。
みんな手の内はお互いに“バレバレ”だから、駆け引きが面白くなってくるよ。特に新山響平だよね。彼の徹底先行スタイルに、誰がどこで仕掛けてくるのか。ここが見もの。もし新山がすんなり逃げちゃう展開なら、番手の菅田に大チャンスが回ってくるかもね。
でも、横の動きを加えてくる深谷が中団を取って、うまーく流れをつかむって展開もありそうだし、寺崎にとってはちょっと厄介かな。前がモタついたところを、深谷がかましてくる。そんな場面では、岩本の逆転劇の展開が浮かんでくるよ。とはいえ、レースは水モノ。いろいろ想像はできるけど、やっぱり調子が一番の判断材料。初日からしっかり目を凝らして、気配を探っていくしかないね。
さてさて、本題の“妄想タイム”に入ってみようか。この時期のバンクは軽めと読む。直線もちょっと長いから、スピードのある選手にとっては悪くない舞台だね。そんな条件を踏まえて、ちょっと気になる選手を拾ってみるよ。GIファイナリストにつき妄想枠からは外れるだろうが、まずは村田雅一。S級2班とはいえ、力は十分。一次予選も難なく通過してきそうだし、ライン次第では、思わぬ高配当を演出する可能性もある。
阿部拓真も村田に匹敵するね。展開がハマれば台頭する力は持ってるし、抑えておきたいところ。それからこのコラムで必ず登場する竹内智彦。位置取りの嗅覚が相変わらず鋭く、番手からしっかり絡んでくるケースも十分ある。
そして自力型の注目は中川聖大を挙げたい。最近の逃げはしっかりしているし、ラインに貢献できる走りが光っている。九州勢にとっては心強い存在になるだろうね。それに地元の甲斐俊祐も見逃せないよ。スプリンタータイプで、一発の魅力は十分。しかも、ラインの動きをちゃんと理解して動けるタイプ。地元のアドバンテージも加われば、ちょっと怖い存在になる。
さて、妄想は6Rをピックアップしとくかね。いつものように並びの整理から。⑦阿部拓真-①佐藤友和の東北コンビに⑧今岡徹二、九州コンビの④中川聖大-②大野悟郎に⑥吉本哲郎、③内山雅貴-⑨近藤保-⑤小島歩の南関ライン。
初手は内山がスタートを決め前受けから。枠で阿部がここを追走する(⇐③⑨⑤・⑦①⑧・④②⑥)。後方から中川が押さえに行き、そこを阿部が合わせ切る。逃げる中川の4番手を取れば阿部の射程圏だろ。内山が後方に置かれ、素早く巻き返し中川ともがき合いになればなおさら阿部のモノ。一気に仕掛けて佐藤との⑦=①が大本線で仕方ねえよ。少し押さえると中川に乗る大野への⑦-②、内山に乗る近藤⑦-⑨まで!
では妄想を。佐藤がスタートを決め、阿部の前受けから。枠なりで中川がここを追う(⇐⑦①⑧・④②⑥・③⑨⑤)。そうなると内山が切りに行く。阿部がすんなり引いてしまうと内山はスローペースに落とす。そこを中川が一気にスパートすれば、大きく口が開く。地元で気を吐く大野と中川の直線勝負②=④に吉本の流れ込み②-⑥に内山の仕掛けに乗る近藤の強襲②-⑨を妄想の〆にしとくべ。
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。