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前田睦生の感情移入

【ウィナーズカップ】約10年前の深谷知広の歓喜…なんとか今回こそ…あの笑顔を

2025/03/19 (水) 12:00 17

2015年記念優勝時の深谷知広

深谷知広の勢い

 3月20〜23日の4日間、伊東温泉競輪の大阪・関西万博協賛「第9回ウィナーズカップ(GII)」が開催される。今年はまず2月の豊橋「全日本選競輪(GI)」での脇本雄太(35歳・福井=94期)のグランプリ優勝を含むグランドスラム、グランプリスラム達成の大トピックが生まれた。古性優作(34歳・大阪=100期)の凄さも相まって、近畿勢が猛烈だ。

 そんな中で、深谷知広(35歳・静岡=96期)が静岡、名古屋の2つの記念を勝ち、全日本選抜は優勝こそできなかったが3着と、奮闘中だ。愛知→静岡の所属だけに、静岡、豊橋、名古屋はもはやすべて地元。取手FIの優勝を挟んでになるが、伊東はもちろん地元戦だ。

 約10年前になる。2015年12月の伊東記念を深谷は走り、優勝した。12月の伊東記念は、時期的に、往々にしてグランプリに出場できなかった選手が走る舞台でもある(走る選手もいるが)。大活躍中だった深谷は、10年前にそこにいた。悔しい思いだった…。

4年連続で途絶えて

深谷は至高の存在

「やることはやっているのに、結果につながらなくて…」

 2011年から出場を続けていたグランプリに、2015年は出られなかった。2014年9月の落車のケガの影響が残り、デビューからの怪物ぶりは影を潜めてしまっていた。一度、壊れた体。深谷にもつらい経験がある。2017年にグランプリの舞台に帰ってきたが、そこから2023年までまた期間が空く。

 深谷の戦い、人生は、あの優しい笑顔ばかりではない。

 2015年12月大会当時は愛知籍だったので、相手には郡司浩平(34歳・神奈川=99期)と和田真久留(34歳・神奈川=99期)がいた。郡司が発進して、という流れ。そこにまだ大爆発前の脇本が襲い掛かる。凄いレースになればなるほど深谷は力を発揮する。その真骨頂のレースだった。今回、その姿を、今年はたくさん見られている笑顔を待ちたい。

シンジとカイヤも出場

ナショナル勢はモンスター、中央は窪木一茂

 アジア選手権(マレーシア)、ネーションズカップ(トルコ)の連戦からナショナルチーム組も出場する。中野慎詞(25歳・岩手=121期)と太田海也(25歳・岡山=121期)、そして中距離界のレジェンド・窪木一茂(35歳・福島=119期)はあまりにもタフ。

 この大会は9回目になるが、郡司が第1回を制し、次は武田豊樹(52歳・茨城=88期)、その後はワッキー、松浦悠士(34歳・広島=98期)、清水裕友(30歳・山口=105期)が2回ずつ優勝している。

 こんな面々の中に名前を並べるのは…。中野や太田が爆裂なスピードで制すシーンも見てみたい。それにしても、楽しみで仕方ないメンバーの共演なのだ。

第7回ガールズフレッシュクイーン

仲澤春香はどこまでも伸びる

 最終日(23日)の9Rでは「第7回ガールズフレッシュクイーン・リンカイカップ」が行われる。124、126期の若手たちの争いだが、言葉通り10年に一度の逸材がいる。仲澤春香(23歳・福井=126期)だ。ボート競技から転向し、ナショナルチームに選ばれ、その先が知れない。

 もちろん出場権を得ての戦いなので他の6人も将来有望な選手たち。その中にあって、仲澤がやはり、どれだけ突出するのか。

 何度か取材に伺ったが、明るくて、ポージングを頼むと一緒に考えてやってくれる性格だ。そして、ちょっとセンスが昭和…。そんなキャラなので、どんどん世界に出ていって、“俺たちのハルカ”“私たちの春香”だよ! とみんなで大きな声で応援していく時代が来ると、信じている。

右端、仲澤春香


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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