2024/12/16 (月) 12:00 15
12月29日、静岡競輪場で開催される『ガールズグランプリ2024』。2024年のGI女王3名と賞金上位4名が出場する、ガールズケイリンの頂点を決める戦いだ。1年間で最も競輪界が盛り上がる年末に、競輪初心者の方にも『ガールズグランプリ』を楽しんでもらいたい! というわけで今回は元競輪選手という噂のプロレスラー“シンゴ・相原”さんをお迎えし、ガールズケイリンの楽しみ方や“推し”の見つけ方をプロレスラーならではの視点で語っていただいた。
netkeirinの読者の皆さん、はじめまして!『相原プロレス』のシンゴ・相原です。僕は地元である町田・相模原をプロレスで盛り上げる活動と、京王閣でミッドナイト競輪の解説、世を忍ぶ仮の姿では中学校の数学教師をしている“三刀流プロレスラー”です。
さて、今回は競輪界が一番盛り上がる「KEIRINグランプリシリーズ」を前に、ガールズケイリンをよりたくさんの人に楽しんでもらえるよう魅力をお伝えしたいと思います!
ガールズケイリンの魅力といえば、華やかさと強靭さを兼ね備えた選手たちが繰り広げる迫力たっぷりのレース。男子には「ライン戦」という概念がありますが、女子は個人戦で、勝利するにはレース中の駆け引きも重要です。
選手のバックボーンはそれぞれで、学生時代から自転車競技に励んできたエリートももちろんいますが、バレーボールやサッカーなど他の競技からの転向や、美容師やアイドルから“転職”した異色の選手もいます。
さまざまな境遇の選手たちが同じ場所(バンク=競輪場)で戦うカッコよさがガールズケイリンの魅力です。女子プロレスも異なるバックボーンを持ったレスラーが同じリングで戦う魅力があります。
そしてリングやバンクの上では孤独ですが、彼女たちには“背負うもの”があります。女子プロレスでは所属ユニットや団体を背負って試合をすることが多く、ガールズケイリン選手は所属する都道府県を代表して戦っています。そのため、地元の選手を応援するというファンも多いんですよ。
“推し選手”を見つけるには、選手の素顔がわかるような映像をたくさん見てもらうといいと思います。YouTubeにたくさん動画が上がっていますので、気になった選手の名前を検索してみてください。選手がどんな人なのか、個性を観察してみると楽しいですよ。
それから実際に競輪場に行って、脚見せ(レース前の出場選手紹介としてバンクを1周する)から応援することをオススメします! 選手の名前が入った横断幕や、現地のファンが選手を応援している姿を見ると、きっと応援したくなってくるはずです!
実際に車券を買って応援してみるのもいいですね。レースが開催されている競輪場で車券を買うと、券面に選手の名前が入ります。当たれば払戻がありますし、外れてもいい思い出に。ちなみに選手は車券の売上(オッズ)を通じて「自分がどれだけ期待・応援されているか」を感じ取ることができます。
そして何より実際のレースを見てみること! リアルなスピード、強さ、迫力… すべて生観戦して初めてわかるものです。レース前の気迫と鍛え上げられた肉体は、一見の価値ありです。レースを追っているうちに「前回この選手はあの選手に負けているから、今回は絶対負けたくないはず」など、選手の感情をイメージすることもできるようになります。
さて、今回のガールズグランプリは『新旧世代闘争』のような側面がありそうです。ガールズケイリンが2012年に始まって以来、最初から引っ張ってきた選手と新進気鋭の若い選手が戦います。
今年“極悪女王”で大きな話題となった女子プロレス。いちプロレスラーとして、プロレスファンの皆さんにガールズケイリンに興味を持っていただけたら… と思い、今回敬意をこめて『ガールズグランプリ2024』に出場する7名の選手を、女子プロレスラーに当てはめて考えてみたいと思います! 新進気鋭の選手は今をときめく現役レスラー、ベテラン選手はレジェンドレスラーに例えてみました。
児玉碧衣(29歳・福岡=108期)
…ウナギ・サヤカ(フリー)
児玉選手は3年連続グランプリ制覇の実績を持つレジェンド選手なので迷いましたが… まだ20代ということで新世代側にしました。例えるならばウナギ選手。天性の華があり、その美貌と実力で業界を盛り上げに尽力している二人です。ウナギ選手の団体にとらわれない自由な感じも、飾らない人柄が魅力の児玉選手と重なります。いろんな意味で話題になりやすい二人ですが、それもカリスマ性があるからこそ。児玉選手が今回のグランプリも盛り上げてくれるでしょう!
佐藤水菜(26歳・神奈川=114期)
…紫雷イオ(WWE/イヨ・スカイ)
昨年のガールズグランプリ優勝者であり、今年はパリ五輪に出場し、その後の世界選手権ケイリンで日本人女子選手初の金メダルを獲得した“世界のサトミナ”。世界で活躍する姿はWWEの紫雷イオ選手のようです。佐藤選手の豪快な捲りとイオ選手の空中殺法がかぶります。鍛え上げられた肉体から美技を繰り出す迫力、世界で通用する実力… 国内では間違いなく一枚上の存在。誰もが優勝候補の筆頭と考えているでしょう。
坂口楓華(27歳・愛知=112期)
…上谷沙弥(スターダム)
昨年、京都から愛知に移籍した坂口選手は、賞金トップでグランプリに出場します。環境を変えて飛躍した姿を、今年ヒールに転向して注目を集める上谷選手に重ねてみました。坂口選手はグランプリでは本命にはならないのかなと思いますが、上谷選手の必殺技『スター・クラッシャー』のようにスターに噛みつき優勝もあるんじゃないか!? と期待しています。穴党の方にはぜひ坂口選手をおすすめしたいですね。大舞台で「こんなに強いんだぞ」というところを見せてほしいです。
尾方真生(25歳・福岡=118期)
…橋本千紘(センダイガールズプロレスリング)
尾方選手といえば圧倒的なパワーから繰り出す大胆な先行が魅力の選手。橋本選手の必殺技『オブライト(ジャーマン・スープレックス)』のキレイさ、男子顔負けのものすごいパワーから繰り出されるのに豪快なだけでなく精巧な技は、まさに尾方選手の先行捲りと重なります。今年はガールズケイリンフェスティバルを逃げ切りで優勝し、彼女らしい戦法でビッグ初制覇を果たした尾方選手。グランプリでも豪快なレースを見せてほしいですね。
石井貴子(34歳・千葉=106期)
…井上貴子(全日本女子プロレス→LLPW-X)
ここからはレジェンド枠として、パールカップを優勝しグランプリに出場してくる石井貴子選手を井上貴子選手に例えてみました。その実力と漂う上品な雰囲気でファンからの人気が高い二人です。スター揃いの当時の女子プロレス界で埋もれず人気を保っていた井上選手。石井貴子選手は大ケガから復帰して、初のGIタイトルを掴んだ姿がファンの感動を呼びました。苦労を乗り越えて、活きのいい若手が出てくる中でも輝き続ける「応援したくなる選手」です。そう、二人は名前も一緒ですね。
尾崎睦(39歳・神奈川=108期)
…尾崎魔弓(ジャパン女子プロレス→OZアカデミー)
「また名前が一緒じゃないか!?」と言われそうですが(笑)。“尾崎”繋がりで、睦選手を魔弓選手に例えてみました。デビュー初期からヒールレスラーだった魔弓選手ですが、睦選手は怖い方ではありません(笑)。普段はとても優しいのにレースでは風格があり、一味違う存在感があるところが似ていると感じます。睦選手は6年ぶりのグランプリ。ガールズケイリンも選手数が増えてレベルが上がっているなか、しっかり賞金を積み重ね賞金2位での出場です。魔弓選手さながらの(!?)気迫の走りを見せてほしいです。
石井寛子(38歳・東京=104期)
…豊田真奈美(全日本女子プロレス)
ガールズケイリン2期生の石井寛子選手はまさにレジェンドですね。このなかでもっとも選手歴が長く、グランプリの出場回数も多いです。デビューから10年連続でグランプリに出場し、それが昨年途絶えてしまいましたが、賞金6位でグランプリに帰ってきました。豊田選手の美しいスープレックスと寛子選手の鮮やかな差し捲り放つ自在脚が重なって見えます。美貌と技の精巧さも二人の共通点ですね。“競輪IQ”が高くファン想いな寛子選手、グランプリもクレバーな走りに期待です!
今年はダンプ松本さんをモデルにした配信ドラマ『極悪女王』が大きな話題となりました。今回のグランプリ出場選手に“極悪軍団”はいませんでしたが、推薦するならば… 板根茜弥選手でしょうか。
僕が「HEAT-UP」というプロレス団体に所属していた時に、大会の宣伝をガールズ選手に協力してもらったことがありました。僕が高木真備さんや山原さくら選手に凶器攻撃(!)されるという茶番劇にみんな嫌々付き合ってくれて…(ゴメンナサイ)。
その件で板根選手は、素人とは思えない動きでパイプ椅子をぶん投げていました(笑)。動画を見た団体からは「すぐにスカウトしてくれ」と言われたほどです。サービス精神も旺盛で感情を表現するタイプなので、プロレスの才能は間違いなくあると思います!
▶【動画】板根茜弥選手“極悪”の片鱗!?※外部サイト(X)に遷移します
ここまで僕の独断で今年のグランプリレーサーを紹介させていただきました。個性豊かなトップ選手が出場するガールズグランプリ、楽しみになってきましたか?
グランプリは年に一度の“最上級タイトルマッチ”で、お祭り的な側面もあります。レース展開の予想ができなくても、気になる選手や車番で車券を買ってみると楽しいですよ!
ガールズケイリンはスタートから12年を迎えました。実はかつて「女子競輪」というものが存在しましたが、昭和24年からわずか15年で廃止となった過去があります。
一度歴史に幕を下ろしてから48年の時を経て、復活した女性選手の競輪が「ガールズケイリン」なのです。黎明期には「3年で終わる」などとも言われていましたが、選手たちの頑張りとファンの支えにより女性選手だけの大会やGI格付けの大会が行われるようになりました。
GIは2023年から新設され、選手数も増えてきてガールズケイリン界は構図が変わってきました。変化の時期を迎えているガールズケイリン。ぜひあなたもこれからガールズケイリンを応援して、“歴史の証人”になってください。
何が起こるかわからないハラハラドキドキの一発勝負『ガールズグランプリ』。新たな歴史が刻まれる瞬間をこの目に焼き付けましょう!
年末のグランプリが終わったら、年明けの1月3日に僕が主催する『相原プロレス』のVol.5となる大会を開催します!
『相原プロレス』では地域貢献を目的として、お客様からはお金をいただかず企業協賛と個人協賛で興行をおこなっています。もちろん遠方からのご来場も大歓迎。入場無料で2試合をお届けしますので、ご都合のつく方はぜひ会場にいらしてください!
『相原プロレス Vol.5』 ※雨天中止
日時:2025年1月3日(金) 13時開場、14時開始
会場:フォレストリング相原(町田市相原町1689-3 木のカフェ向かい駐車場)
詳細はシンゴ・相原 公式X※外部サイトに遷移します
netkeirin編集部
netkeirin henshubu
netkeirin編集部が競輪の新しい楽しみ方をご提案! 好きな選手を応援をしながら車券で遊ぶ「推し活」術をお届けします。気になる選手がいるけど車券は難しい… と思っている初心者の方にもわかりやすい内容で、競輪を始めるきっかけになれば嬉しいです。
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