2024/12/03 (火) 16:30 45
ガールズケイリン・児玉碧衣選手のコラム。11月は玉野を完全優勝後、今年最後のGI「女子王座戦」(競輪祭)に“手ごたえを感じながら”参戦。ところが結果はまさかの予選敗退ーー。原因はなんだったのか、そしていよいよ今月末に迫ったグランプリへの調整予定を語ってもらいます。
ーー黄檗山のペナルティの影響もあり近況は思うような走りができていなかったようですが、玉野(11月8〜10日)では有言実行の完全Vを決めていましたね。感触などはどうでしたか。
玉野もその前の豊橋も、1着を取れていてもしっくりこないというか、走っていて気持ち良くない違和感のようなものがずっとありました。ただ玉野の最終日くらいに「もうちょっとで感覚が戻りそう」という感じがしたんです。なので、普段なら1日か2日はレース後にオフを取るところを、玉野の翌日から練習を始めました。
ーーその成果はありましたか。
練習では自力で11秒5とか、めちゃくちゃ良いタイムが出たんです。体調もめちゃくちゃ良かったし脚の感じも戻っていました。
ーーでは、ある程度“戦えるかな”という手ごたえを感じながら競輪祭に向かえたのですね。
はい。ただ唯一「レースに対しての自信」というのがなくて。そこはレースを走ってみないとわからない部分でしたし、悪い方に出なければいいな、という思いはありました。初日に1着が取れれば、その部分も回復できると思ったのですが…。
ーーそして迎えた本番ですが、結果は7着で予選敗退となってしまいました。
そうですね…。「レースに対しての自信」というのが本当になかったです。
ーー調子が良いころの碧衣選手なら打鍾過ぎの3コーナー辺りで仕掛けていたのではないでしょうか。
そうかもしれません。自信のなさが出てしまっていたし、なんか“つながっていない”感じでした。いつもならもっとポン、ポン、ポンっていけるのに、それもなかった。周りがレベルアップしている中で、自分の弱さというものをすごく感じました。
ーー選抜戦回りとなった2日目も厳しい展開、結果となり、最終日は先行したものの3着でした。
初日も2日目も、先行する気持ちはすごくあったんです。でも積極性が持ち味の若い選手が、誘導退避後に結構踏み上げたので、難しい部分が正直ありました。誘導も早く感じたので切りにもいけんし、発走機の練習はしていないから初手で自分の欲しい位置を狙うこともできんし…。最終日に関しては緩んだタイミングがあったので前までいけてそのまま先行できたけど、最後は力が残っていなかった。みんないろいろ考えてレースをしている中、私は今まであまり(考えて)やってきていなかったので。脚力がともなっておらず弱かった今回は、こういう形になってしまったのかなって感じています。
ーー競輪祭の3日間を走り終えて、率直な思いを教えてください。
これがグランプリじゃなくて良かったな、とは思います。今まで練習の感じが良かったらレースでもちゃんと出せていたんですけど、競輪祭では初めて、調子がいいのに結果が出なかったので。うーん…、って感じですね。あとは、開催中にいろいろな人から『乗り方がいつもと違うんじゃない?』とか言われました。それで競輪祭が終わったあとの練習の時にみてみたら、確かにセッティングが出ていなかったんです。じゃあセッティングがちゃんと出ていたらいい結果を残せたのかって言われるとそれはわからないので、一概に“セッティングのせい”とは断言できないのですが、その影響も少なからずあったのかなとは思っています。
ーーグランプリ本番まで残り1か月を切っていますが、どのように準備していきますか。
脚力的にももっとレベルアップしないといけないですし、メンタルの部分でももっと強くならないと。気付いた部分、見つかった課題を修正できるように、しっかり久留米バンクで追い込んで練習しておきます。
ーーこのコラムを通して碧衣選手への応援や激励メッセージもたくさん届いています。
ありがとうございます。全て拝見させてもらっています。期待していただいた分を力に変えられるように練習を精いっぱい頑張りますので、引き続き応援をよろしくお願いいたします!
児玉碧衣
福岡県大野城市出身、108期生のガールズ選手。2015年に松戸競輪場でレースデビュー、初勝利。2018年8月にはガールズケイリンコレクションいわき平ステージ・ガールズドリームレースでビッグレースの初優勝を経験し、同年11月のガールズグランプリトライアルレースの優勝してグランプリの出場権を得た。初出場でガールズケイリングランプリ2018のタイトルを獲得すると、2019年、2020年も優勝し、グランプリ史上初の3連覇を達成。3年連続で賞金女王となった。好きなアーティストは倖田來未。