「寛仁親王牌(ともひとしんのうはい)・世界選手権記念トーナメント(通称:親王牌)」は、ナショナルチームや日本代表として自転車競技で活躍するトップ選手が集う、G1レース。優勝者には12月30日開催の「競輪グランプリ2025」出場権が与えられ、例年波乱を呼ぶ一戦です。
本記事では、売上推移・高配当ランキング・S班成績などの客観データから、2025年・前橋競輪の見どころと買い材料をわかりやすく解説。注目選手の傾向や展開予想まで、予想の軸づくりに直結する情報を深掘りします。
昨年の「寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(G1)」は、古性優作が見事に連覇を果たしました。迎える2025年大会では、現SS班でG1制覇を果たしているのは脇本雄太ただ一人。さらに賞金ボーダー付近では、9位の新山響平、11位の犬伏湧也がグランプリ出場をかけて激しく競り合う展開が予想されます。
波乱必至のこのG1で、今年はどんなドラマが待っているのかーー。まずはS級S班の精鋭たちが寛仁親王牌で残してきた戦績と、その走りの傾向をデータで検証。過去の結果から、2025年大会の主役候補を徹底的に読み解いていきます。
優勝 | 2着 | 3着 | 着外 | |
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古性優作 | 2 | 0 | 0 | 2 |
郡司浩平 | 0 | 0 | 0 | 2 |
脇本雄太 | 2 | 0 | 0 | 5 |
眞杉匠 | 0 | 0 | 0 | 0 |
岩本俊介 | 0 | 0 | 0 | 0 |
新山響平 | 0 | 0 | 0 | 2 |
松浦悠士 | 0 | 0 | 1 | 1 |
犬伏湧也 | 0 | 0 | 0 | 1 |
清水裕友 | 0 | 0 | 1 | 1 |
S級S班の選手たちがこれまでの決勝で残してきた実績を見ると、その実力差や特徴が浮かび上がってきます。
まず注目は古性優作と脇本雄太の2人。ともに優勝2回を誇り、S班の中でも圧倒的な実績を残しています。古性は4回の決勝で2勝、着外2回と勝負どころでの集中力が光ります。一方の脇本は7回の決勝で2勝を挙げ、圧倒的なスピードを武器に数々のビッグタイトルを手にしてきました。
続く実績を残しているのが松浦悠士と清水裕友。どちらも3着1回・着外1回と、安定して上位に絡む実力を発揮しています。特に清水は決勝常連として存在感を示しており、もう一段上を狙える位置につけています。
一方で、郡司浩平、新山響平、犬伏湧也は決勝での結果が伴わず、いずれも着外が目立つ形となっています。ここから巻き返しを見せられるかが今後の注目ポイントです。
また、眞杉匠と岩本俊介はこれまで決勝での入着がなく、次の一戦で初の上位進出を狙います。
総じて見ると、古性・脇本の近畿勢が抜けた実績を誇る一方で、他のメンバーにも十分な潜在力があり、今後の勢力図がどう変化するか注目です。
1992年前橋で開催し、今年で34回目を迎える寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント。この33年間で車券売上はどのように推移してきたのか? そして、最も熱狂に包まれた年はいつだったのか? 過去のデータをひも解きながら、その軌跡を振り返ります!
回次 | 優勝者 | 売上 (円) |
---|---|---|
1 | 吉岡稔真 | 6,505,552,200 |
2 | 滝澤正光 | 24,933,124,000 |
3 | 吉岡稔真 | 28,760,568,900 |
4 | 小橋正義 | 27,987,858,400 |
5 | 神山雄一郎 | 30,488,070,700 |
6 | 神山雄一郎 | 28,622,471,400 |
7 | 小橋正義 | 28,335,353,600 |
8 | 児玉広志 | 32,051,870,500 |
9 | 神山雄一郎 | 26,583,411,000 |
10 | 小橋正義 | 22,420,974,900 |
11 | 松本整 | 20,014,216,300 |
12 | 太田真一 | 20,907,397,500 |
13 | 小橋正義 | 16,223,964,100 |
14 | 小嶋敬二 | 14,946,399,700 |
15 | 後閑信一 | 15,553,543,000 |
16 | 小嶋敬二 | 15,453,597,400 |
17 | 山崎芳仁 | 13,541,333,300 |
18 | 海老根恵太 | 12,087,728,300 |
19 | 市田佳寿浩 | 10,646,707,400 |
20 | 浅井康太 | 10,263,486,500 |
21 | 佐藤友和 | 10,330,720,700 |
22 | 金子貴志 | 10,016,647,100 |
23 | 深谷知広 | 9,281,052,000 |
24 | 園田匠 | 9,207,639,900 |
25 | 稲垣裕之 | 8,364,705,400 |
26 | 渡邉一成 | 8,053,048,300 |
27 | 脇本雄太 | 7,683,404,900 |
28 | 村上博幸 | 6,771,676,300 |
29 | 脇本雄太 | 8,540,774,100 |
30 | 平原康多 | 7,993,053,500 |
31 | 新田祐大 | 8,318,579,000 |
32 | 古性優作 | 8,201,857,400 |
33 | 古性優作 | 8,573,110,300 |
注目すべきは、第1回(1992年)から第8回(1999年)にかけて見られる、売上の急成長です。特に第5回(1996年・神山雄一郎 優勝)では304億8807万700円と、シリーズの中でも際立って高い数字を記録しました。この時期は競輪人気が最高潮に達しており、吉岡稔真・滝澤正光・神山雄一郎といったスター選手たちが次々と覇を競った“黄金期”といえるでしょう。
しかし2000年代に入ると流れが変わり、第10回(2001年)以降は徐々に売上が減少。20億円台から10億円台へと水準を下げ、第18回(2009年・海老根恵太 優勝)には120億円強と、ピーク時の半分以下に落ち込みました。この背景には、娯楽の多様化や景気の低迷、そして競馬・オートレースなど他競技との競争激化が影響していると考えられます。
さらに2010年代には、売上は1桁億円台へ突入。第24回(2015年・園田匠 優勝)では約9億円、第28回(2019年・村上博幸 優勝)では6億7716万円と、長期的な低迷期に入りました。それでもなお、トップ選手たちの存在はファンの心をつなぎとめ続け、第29回(2020年・脇本雄太 優勝)以降は8億円台まで回復。
そして近年、第32回(2023年・古性優作 優勝)・第33回(2024年・古性優作 優勝)と、2年連続で8億円台後半を維持。脇本雄太・平原康多・古性優作といった現代のスターが牽引することで、売上は底を打ち、再び上昇の兆しを見せています。
30年を超える歴史の中で、寛仁親王牌は何度も時代の波に揉まれてきました。それでもトップ選手の存在とストーリー性のあるレースが、ファンの心を動かし続けていることに変わりはありません。今後、再び“競輪の黄金期”を迎える日が来るのかーーその行方に注目したいところです。
寛仁親王牌では、毎年のようにドラマチックな決着が生まれています。堅実な決まり手で終わる年もあれば、思わぬ伏兵が飛び出して超高配当となるケースも。
例えば、3連単の配当がわずか2,500円にとどまった年もあれば、20万円を超える驚異の大波乱が起きた大会もありました。
果たしてどの開催場が最も「荒れるバンク」なのか? それとも「堅実なバンク」なのか?
過去2002〜2024年のデータをもとに、3連単配当金ランキングTOP20を振り返ります!
順位 | 年 | 3連単 配当金額 | 開催場 |
---|---|---|---|
20 | 2017 | 3,670 | 前橋 |
19 | 2016 | 3,960 | 前橋 |
18 | 2020 | 4,500 | 前橋 |
17 | 2008 | 5,550 | 前橋 |
16 | 2023 | 7,550 | 弥彦 |
15 | 2011 | 10,060 | 弥彦 |
14 | 2005 | 10,090 | 青森 |
13 | 2009 | 10,500 | 青森 |
12 | 2019 | 16,890 | 前橋 |
11 | 2006 | 20,360 | 前橋 |
10 | 2003 | 20,540 | 前橋 |
9 | 2004 | 21,690 | 前橋 |
8 | 2022 | 28,390 | 前橋 |
7 | 2012 | 33,730 | 弥彦 |
6 | 2013 | 35,830 | 弥彦 |
5 | 2007 | 53,550 | 前橋 |
4 | 2002 | 82,410 | 前橋 |
3 | 2024 | 121,980 | 弥彦 |
2 | 2021 | 194,360 | 弥彦 |
1 | 2015 | 212,050 | 弥彦 |
注目すべきは、弥彦開催平均配当金が他会場を大きく上回っている点です。平均で約7万7,000円と、前橋の約3.8倍に達しています。これは弥彦開催では荒れた展開や波乱の結果が比較的多く、人気薄の選手が上位に食い込むケースが目立つためと考えられます。
一方、前橋開催は安定志向のレースが多く、平均2万円前後と比較的落ち着いた水準を維持。トップ選手の実力が結果に反映されやすく、堅実な決着が多いことを示唆しています。青森開催は開催回数が少ないものの、平均1万円台と最も低く、展開が読みやすいレース傾向を持つと見られます。
総じて、寛仁親王牌の配当金動向からは「開催地ごとのレース傾向の違い」が明確に表れており、ファンにとっても戦略的な予想を立てる上で興味深いデータとなっています。
寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメントとは、自転車競技で活躍するトップアスリートが集う競輪のレースです。
世界の舞台で戦うナショナルチーム所属選手や五輪代表経験者など、まさに“日本の競輪界を代表する精鋭たち”が顔をそろえます。
優勝賞金は4,000万円で、男子の中では比較的控えめな額ですが、名誉と伝統を兼ね備えた大会としてファンから高い注目を集めています。
レースはトーナメント形式で行われ、初日から最終日まで勝ち上がり戦が続きます。スピード、戦術、そして勝負勘――すべてが試される過酷な舞台です。
自転車競技で培った力を競輪でどう発揮するのか。世界の舞台で培った走りが、競輪というフィールドでどう花開くのかに注目です。
「寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」2025年10月23日(木)~10月26日(日)前橋競輪の出走表、競輪予想、結果など最新情報を特集。
※競輪は適度に楽しみましょう