『PIST6(ピストシックス)』とは、新しいスポーツエンターテインメントとして誕生した自転車競技です。「スポーツの面白さ」や「エンタメの楽しさ」、そして「付加価値としてのベッティング」の3つの要素を組み合わせることで、従来の競輪にはない空間を提供しています。競輪とPIST6の違い、会場・ルール・装備・ベッティング・レースを比較説明します。
自転車レースのスピードとエンターテインメントをとことん追求したまったく新しい自転車トラックトーナメント「PIST6 Championship(ピストシックス チャンピオンシップ)」が2021年10月2日に誕生しました。
このPIST6(ピスト6)は、国際基準のルールに基づき行われる日本で初の自転車トラックトーナメント。これまでにない新しいスポーツエンターテイメントとして生まれた自転車競技で、国内外のトップクラスの自転車競技選手が「TIPSTARDOME CHIBA」(千葉競輪場跡地)に集結し、激闘を繰り広げます。「スポーツの面白さ」や「エンタメの楽しさ」、そして「付加価値としてのベッティング」の3つの要素を組み合わせることで、従来の競輪にはない空間を提供しています。
PIST6は、競輪の独特なラインという概念がなく、単車での競争となります。
競輪 | PIST6 | |
---|---|---|
車立 | 5〜9 | 6 |
走路 | 333~500m | 250m |
バンク素材 | アスファルトコンクリート | 木製板張り |
傾斜 | 25度~35度 | 45度 |
周回数 | 4〜6 | 6 |
競技性 | ライン戦 | 個人戦 |
ブロック | あり | なし |
競輪とPIST6の開催と会場の違いについて紹介します。
■開催について
競輪は3~5日間の開催を15節、PIST6は2日間の開催を50節行います。 競輪では同一選手の出走は1日1回だが、PIST6では1日2回ずつ走ります。S級・A級混合で走るため競輪では見られない選手同士の対戦にも注目です。
項目 | 競輪 | PIST6 |
---|---|---|
出走回数 | 1日1回 | 1日2回 |
1日のレース数 | 7~12レース | 12レース |
級班 | S・A級別 | S・A級混合 |
開催節数 | 15節 | 50節 |
開催日数 | 46日以上3~5日制 | 100日2日制 |
■会場について
競輪は全国の競輪場で開かれるが、PIST6が観られるのは千葉市・TIPSTAR DOME CHIBAだけです。入場料は2,000円~5,000円と競輪場より値が張りますが、柵のない座席からは世界レベルのスピードを間近で感じられ、最新の音響照明設備による華やかな演出が堪能できます。 昼開催がメインの競輪に対してPIST6は昼夜2部制で行われ、夜は21時まで観戦できるので予定に合わせて楽しむことができるのもポイントです。
項目 | 競輪 | PIST6 |
---|---|---|
開催場所 | 全国43ヶ所の競輪場 | TIPSTARDOME CHIBA |
開催時間 | 10時~16時半※モーニング、ナイター、ミッドナイトは別時間 | 11時~21時昼夜2部制 |
入場料 | 50~100円 | レギュラーシート:2,000円プレミアムシート:5,000円 |
入場制限 | 競輪場によって異なる | 約2,000席(昼夜完全入れ替え制) |
チケット購入方法 | 当日競輪場窓口 | 事前予約ポータルサイト |
競輪とPIST6のレースの流れの違いを紹介します。
■選手紹介
競輪とPIST6では選手紹介からフィニッシュまでのレースの流れが異なります。まず選手紹介についてですが、競輪の場合はレースに出場する選手がレース開始20、30分前までにバンクを周回し、どんな「ライン(チーム)」を形成するかをアピールします。この時どんなラインが組まれるかも車券購入の大きなヒントとなります。 一方、PIST6にはラインはなく完全な個人戦となり、出走直前に選手1人ずつが紹介された後、バンクを1周し発走位置につきます。
■スタート&発走機
競輪の場合、スタートは発走機に自転車の後輪が固定され、スターターの号砲に合わせて、全選手が一斉に行いますが、PIST6は審判係員によるホルダーでのスタートとなります。
車番(並び順)の決め方は競輪の場合、同地区の選手が隣り合あわせにならないよう専用の係員が配慮したり、レースによっては自動的に決まるものもあり、さまざまです
一方、PIST6のスタートの並び順は、デイ(前半)/ナイト(後半)それぞれの出走表が確定したタイミング(デイ…前日タイムトライアル・初日ナイト終了後、ナイト…各日デイ終了後)で、あらかじめ抽選等により決定しています。
■ペーサー
風圧によって先頭の選手が不利にならないように、ペーサー(誘導員)が風除け役となって先導しますが、競輪の場合のペーサーは選手と同じ自転車を使用し、開催場の地元選手が勤めることが多いです。PIST6の場合のペーサーは審判係員が務め、電動アシスト自転車が使われます。
■途中の周回
レースによってペーサーが離脱する周回は異なりますが、競輪の場合もPIST6の場合も残り750mで離脱します。この時時速50km/h超までスピードは上がっていて、競輪とPIST6共にペーサー離脱までにペーサーを追い抜いたら失格となります。
■ジャン(ベル)
競輪の場合、ゴールまで残り1周半のバック・ストレッチ・ラインを先頭の選手が通過するとジャンが鳴り、PIST6の場合は先頭の選手が残り1周の4コーナー手前を通過したらベルが鳴ります。
■フィニッシュ
競輪の場合「ライン(チーム)」を組んで周回していますが、フィニッシュ時には全員TOPでゴールする事を目指して走行し、最後の直線は時速70km近い猛スピードとなります。PIST6の場合は最初から最後まで個人対個人の戦いとなり、ゴール時のスピードは現行の競輪より早いと言われています。
競輪とPIST6のレースの装備の違いを紹介します。
競輪の自転車は、クロモリ製のシンプルで無駄のないフレームが採用されています。一方、PIST6で使用される自転車は、クロモリより軽い素材であるカーボン製。空気抵抗を考えられたスタイリッシュな形状で、華やかに塗装されているのが特徴です。ツールドフランスやオリンピックのケイリンでも使用されています。
華やかなのは自転車だけではありません。競輪では、ユニフォームの色が車番で固定されているが、PIST6は選手個人のオリジナルユニフォームを着用します。 PIST6は、スポーツとしての面白さはもちろん、自転車やユニフォームなど視覚的にも楽しめるのが魅力です。
競輪とPIST6の競技規則を基に、違反行為を紹介します。
■違反行為と制裁
競輪、PIST6ではそれぞれのルールと判定基準に照らし合わせ、選手がレース中の妨害行為や安全を阻害する行為を行い、他の選手に重大な支障を生じさせた場合、違反行為と見なし制裁が行われます。
制裁には、違反行為の程度に応じ、「失格」「重大走行注意」「走行注意」の3つがあります。競輪もPIST6も違いはありません。
ただし、競輪は制裁に対して違反点が科せられ、罰金は徴収されませんが、PIST6では違反点は科せられないものの、罰金が徴収されます。なお、競輪では違反点が一定を超えると、あっせんをしない処置などのペナルティを受けることになります。
失格については着位が剥奪されるため、車券に大きな影響を与えます。失格につながる代表的な違反行為を説明します。
制裁項目 | 内容 |
---|---|
失格 | 落車・故障させた、自ら落車、重大な妨害を与えた、着無し/即帰郷 |
重大走行注意 | 著しい違反/次レース出走可 |
走行注意 | 軽微な違反 |
■違反行為
違反行為が認められると競輪、PIST6それぞれのルールに準拠する形で、「失格」となります。違反となる行為自体は競輪、PIST6はほとんど変わりません。
違反行為1.競輪、PIST6ともに「内側追抜き」は違反
競輪では外帯線の内側を前走する選手に対し、内側への差込み及び内側からの追抜きを行ってはなりません。PIST6でも同じように、スプリンターラインの内側を前走する選手に対し、内側への差込み及び内側からの追抜きを行ってはなりません。
違反行為2.「押圧等の禁止」も競輪、PIST6では違反行為
選手は、身体または自転車の全部若しくは一部を用いる方法によって、他の選手を押圧し、若しくは押し上げ、又は他の選手と押し合いを行ってはならないと、競輪、PIST6それぞれのルールで定められています。押圧とは内側に衝撃・圧迫などを加えること、押し上げは外側に衝撃・圧迫などを加えること、押し合いは2人以上の選手が相互に身体または自転車をもって、衝撃・圧迫などを加えることです。
また、競輪で違反となっている「斜行、蛇行」は、PIST6も同様に、選手は、斜行又は蛇行して、他の選手の競走を妨害し、又は自らの走行の安全に支障を及ぼしてはならないとされ、「中割り」についても、先行して並走する選手との間に走行の安全に必要な相当の間隔を保持できる場合でなければ、その間に差し込み、またはその間を通って追い抜いてはならない、とされています。
違反行為3.競輪の「外帯線内進入禁止」に近い違反行為が、PIST6の「スプリンターレーンへの進入禁止」
競輪では内圏線と外帯線の間を走行する選手と並走する場合は、外帯線の内側に入り、又は他の選手を外帯線の内側に入らせてはならないとされています。PIST6では選手は、スプリンターレーンを走行する選手と並走する場合は、スプリンターレーンに入ることが禁止されています。
競輪では退避路の1番内にある「内圏線の内側での走行」が禁止されているように、PIST6では安全地帯の1番内にある「ブルーバンド内での走行が禁止」されています。
■落車
レース中、落車した際は競輪が、落車しても原則として再乗義務があるのに対し、PIST6では最終周回パシュートライン(バックストレートセンター)到達前の落車は再乗不可と、違いがあります。
■競輪とPIST6の競技規則の比較
項目 | 競輪 | PIST6 |
---|---|---|
敢闘の義務 | 選手は、暴走、過度の牽制等をしてはならず、勝利を得る意志をもって全力を尽くして競走しなければならない。 | 選手は、暴走、過度の牽(けん)制等をしてはならず、勝利を得る意志をもって全力を尽くして競走しなければならない。 |
過失走行の禁止 | 選手は、暴走、過度の牽制等をしてはならず、勝利を得る意志をもって全力を尽くして競走しなければならない。 | 選手は、過失走行により走行の安全に支障を及ぼすことがないよう、細心の注意を払って競走しなければならない。 |
内側追抜き等の禁止 | 選手は、外帯線の内側を前走する選手に対し、内側への差込み及び内側からの追抜きを行ってはならない。 | 選手は、スプリンターラインの内側を前走する選手に対し、内側への差込み及び内側からの追抜きを行ってはならない。 |
外帯線内進入の禁止 | 選手は、内圏線と外帯線の間を走行する選手と並走する場合は、外帯線の内側に入り、又は他の選手を外帯線の内側に入らせてはならない。 | 選手は、スプリンターレーンを走行する選手と並走する場合は、スプリンターレーンに入ってはならない。スプリンターレーンを走行する選手は、スプリンターラインの外側を走行する選手と並走している場合は、スプリンターレーンの外側へ出てはならない |
押圧、押し上げ、押し合いの禁止 | 選手は、身体又は自転車の全部若しくは一部を用いる方法によって、他の選手を押圧し、若しくは押し上げ、又は他の選手と押し合いを行ってはならない。 | 選手は、身体又は自転車の全部若しくは一部を用いる方法によって、他の選手を押圧し、若しくは押し上げ、又は他の選手と押し合いを行ってはならない。 |
斜行、蛇行の禁止 | 選手は、斜行又は蛇行して、他の選手の競走を妨害し、又は自らの走行の安全に支障を及ぼしてはならない。 | 選手は、斜行又は蛇行して、他の選手の競走を妨害し、又は自らの走行の安全に支障を及ぼしてはならない。 |
中割りの禁止 | 選手は、先行して並走する選手との間に走行の安全に必要な相当の間隔を保持できる場合でなければ、その間に差し込み、又はその間を通って追い抜いてはならない。 | 選手は、先行して並走する選手との間に走行の安全に必要な相当の間隔を保持できる場合でなければ、その間に差し込み、又はその間を通って追い抜いてはならない。 |
内圏線踏切りの禁止/ブルーバンド進入の禁止 | 選手は、内圏線の内側に入って走行してはならない。 | 選手は、ブルーバンドに入って走行してはならない。 |
先頭員早期追抜きの禁止 | 競走選手は、先頭員が○○に到達するまでは、先頭員を追い抜いてはならない。※○○とは1周500m:最終周回前回のバック・ストレッチ・ライン1周400m:最終周回前回に入るホーム・ストレッチ・ライン1周333m、335m:最終周回前々回のバック・ストレッチ・ライン | 選手は、ペーサーが第21条に規定する位置に到達するまでは、ペーサーを追い抜いてはならない。 |
先頭員に対する妨害等の禁止 | 競走選手は、誘導中又は退避中の先頭員に対して、妨害行為又は危険性の高い行為を行ってはならない。 | 選手は、誘導中又は退避中のペーサーに対して、妨害行為又は危険性の高い行為を行ってはならない。 |
押圧、押し上げ、押し合いの禁止 | 選手は、身体又は自転車の全部若しくは一部を用いる方法によって、他の選手を押圧し、若しくは押し上げ、又は他の選手と押し合いを行ってはならない。 | 選手は、身体又は自転車の全部若しくは一部を用いる方法によって、他の選手を押圧し、若しくは押し上げ、又は他の選手と押し合いを行ってはならない。 |
競走の完了 | 選手は、競技規則第18条の場合を除き、競走中いかなる事故があっても、他人の援助を受けることなく、落車した場合は直ちに乗車し、常に乗車したまま競走を継続しなければならない。ただし、決勝線に到達する前方30メートル以内において乗車して競走を継続することが不可能となり、又は不利となったときは、他人の援助を受けることなく、自転車を携え、えい行し、又は転がして競走を完了することができる。決勝線に到達する前方30メートル以内における落車により選手と自転車が離れて決勝線に到達した場合は、前項の規定にかかわらず、選手又は自転車のうちいずれか後着した方が決勝線に到達したときをもって競走の完了とする。 | 選手は、最終周回のホーム側パシュートライン到達後において、パンクその他自転車の重大な故障により乗車して競走を継続することが不可能となったとき、又は落車したときは、他人の援助を受けることなく、自転車を携え、えい行し、又は転がして競走を完了することができる。最終周回のホーム側パシュートライン到達後における落車により選手と自転車が離れてフィニッシュラインに到達した場合は、前項の規定にかかわらず、選手又は自転車のうちいずれか後着した方がフィニッシュラインに到達したときをもって競走の完了とする。 |
周回誤認 | 選手が次の各号のいずれかに該当したときは、その選手は失格とする。(4)競走において周回数を誤認して競走したとき。 | 競走において周回数を誤認して競走したとき。 |
イエロー・ライン踏切りの禁止 | 先頭走者は、△△から最終周回バック・ストレッチ・ラインの間において、イエロー・ラインの外側を走行してはならない。※△△とは周500m、400m:最終周回前々回のバック・ストレッチ・ライン1周333m、335m:最終周回前々回に入るホーム・ストレッチ・ライン | ―― |
薬物の使用禁止 | ―― | 選手は、競走能力を一時的に高める目的をもって薬物その他のものを使用してはならない。 |
助走から発走まで | ―― | 選手は、第1周回終了時において、スプリンターレーンを並び順のとおりに走行していなければならない。 |
競走の方向 | ―― | 競走の方向は、選手の左手が内側になるようにして行う。 |
競走中止の義務 | ―― | 選手は、競走中、パンクその他自転車の重大な故障により競走の継続が不可能となったとき、又は落車をしたときは、他の選手を妨害することなく、直ちにブルーバンドの内4側の所定の場所に退避し、競走を中止しなければならない。ただし、最終周回のホーム・ストレッチ側(以下「ホーム側」という。)パシュートライン到達後において、パンクその他自転車の重大な故障により乗車して競走を継続することが不可能となったとき、又は落車したときは、その限りでない。 |
ギャンブルをするためには、「勝者投票券」という勝者を予想して賭けるために買う券があります。競馬では「馬券」、ボートでは「舟券」と呼ばれ、競輪などの自転車競技は「車券(しゃけん)」と呼ばれています。
ここでは、競輪とPIST6のベッティング(賭け方)の違いについて紹介します。
■車券購入方法
PIST6はインターネット(TIPSTAR)のみで車券購入が可能です。従来の競輪のように窓口、場外での販売はありません。TIPSTARDOME CHIBA(会場)に行っても購入はインターネットのみとなっています。なお、場内はWi-Fiが完備されているのでネット環境は安心です。また同様に、払戻方法はインターネットでの登録銀行口座への振込みとなります。競輪にあるような払戻機、払戻窓口は用意されていません。
最後に独自機能だが、TIPSTARで大好評“のっかりベット”はPIST6でも適用されます。予想に迷ったり、困ったりしたときは、好調な人にのっかって、みんなでワイワイ楽しみましょう。
TISPTARアプリのインストールはこちらから行えます。
■車券の種類
大きな違いはPIST6には単勝があること。どの選手が勝つのかを当てるもっともシンプルな車券です。PIST6は6種類(3連単、3連複、2車単、2車複、ワイド、単勝)の車券で楽しめます。(※6車立てのため、競輪にある2枠単、2枠複は発売されません。)
※PIST6において「単勝」もしくは「ワイド」での投票は、1レースあたりの投票金額の上限が一時的に設定されます。
▼上限金額
単勝 :1レースあたり49,900円
ワイド:1レースあたり49,900円
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