【開催直前展望】取手競輪G3「水戸黄門賞」は31日開幕!【ダービー王・吉田拓矢が地元記念連覇へ】

2025/05/29(木) 18:00

取手競輪場において開設75周年記念「水戸黄門賞」G3が5月31日(土)から6月3日(火)までの4日間シリーズで争われる。日本選手権を制した吉田拓矢、S班・眞杉匠を擁する関東勢が地元地区のG3で砦を守るのか。S班の郡司浩平ら各地区から強豪が参戦して、初日から目が離せないレースが展開されそうだ。また、最終日の第9レースにおいてレインボーカップチャレンジファイナルも同時開催。オール125期の同期対決となった特別昇班をかけた一発勝負にも注目だ。

◆初日の出走表(31日更新)はこちらでチェック

【取手競輪G3(初日)12R=初特選】
1/吉田拓矢(S1・茨城107期)
2/郡司浩平(SS・神奈川99期)
3/成田和也(S1・福島88期)
4/藤井侑吾(S1・愛知115期)
5/眞杉匠(SS・栃木113期)
6/佐々木悠葵(S1・群馬115期)
7/松井宏佑(S1・神奈川113期)
8/和田健太郎(S1・千葉87期)
9/岩津裕介(S1・岡山87期)

並び想定は
5眞杉-1吉田-6佐々木
7松井-2郡司-8和田
4藤井-9岩津
3成田
※5月30日追記。
※9選手のインタビューはこちら

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◆ダービー王・吉田拓矢が地元記念に登場!

吉田拓矢
眞杉匠

精神的主柱であった平原康多の現役引退が関東勢に及ぼす影響は小さくない。だからこそ、関東地区で開催される取手記念は、地区一丸となった底力を見せたいところだろう。
地元勢の中心を担うのは、吉田拓矢だ。日本選手権では眞杉匠マークからゴール前で差し切り、2回目のG1優勝を果たし、「腐らずにやってきて、やっと報われた感じはします」と喜びをかみしめていた。「ダービー王」の印籠を携えて迎える初の地元記念は、ディフェンディングチャンピオンとしても連覇が期待される。
その吉田が「良い関係性だと思う」と語るのが、S班の眞杉匠。今年はビッグレースで全て決勝に進出。優勝こそ無いもののウィナーズカップ、日本選手権で準優勝と上位争いが続いている。全プロ記念では練習不足とペダリング修正をコメントしていたが、どこまでリカバリーできているか。

吉田拓のほかにも、茨城からは武田豊樹、芦澤大輔、芦澤辰弘、杉森輝大、吉田有希ら、群馬から佐々木悠葵らが参戦して、関東勢の層が厚い。中でも武田は5月宇都宮記念の準決勝で7着敗退もシリーズを通して3勝と存在感を見せた。特に二次予選は眞杉の3番手から追い込んで1着を取っている。
地元からもうひとり注目したいのが木村皆斗だ。今期はA級陥落したが、2月佐世保で特別昇級すると、5月岸和田F1でS級は優勝、さらに5月武雄G3(ミッドナイト)では準決勝を逃げ切りG3初優出も果たしている。武雄では「もっと勝たないと(A級陥落して)失ったものは取り戻せない」と意気込みを見せており、初の地元記念でも快進撃となるか。

武田豊樹、木村皆斗

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◆S班・郡司浩平は松井宏佑と好タッグ

郡司浩平、松井宏佑

追加参戦となるが郡司浩平は、5月の平塚記念を深谷知広マークから捲りで押し切り、今年4回目のG3優勝を飾った。「恩返しできるような走りで引っ張っていきたい」と、南関東ラインへの思いはより強固なものになっている。もちろん番手戦だけでなく、自力戦でも一線級であることは自明の理。平塚記念は初日落車棄権で悔しい途中欠場となった松井宏佑も、ケガ自体は回復しており巻き返しが期待される。郡司を中心に、佐々木眞也らと南関東の結束力を今回も見せつけるか。

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◆佐藤慎太郎の復権は!?

佐藤慎太郎

北日本は佐藤慎太郎、成田和也、内藤宣彦に、山崎芳仁や渡邉一成らベテラン勢が主力級を形成する。特に佐藤は1月の負傷欠場から、4月の伊東温泉アドバンスで戦列に復帰。本調子に戻るまでは「時間がまだかかりそう」とのことだが、一歩ずつ復活ロードを歩んでいる。成田は4月熊本、5月川崎F1で優勝、日本選手権でもシリーズ3連対と堅調だ。川崎では山崎の息子の歩夢との連携も注目を集めていた。
直前の京王閣F1優勝している佐藤一伸、バック24本に達する徹底先行の櫻井祐太郎らも加われば、よりチャンスは増えていきそうだ。

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◆藤井侑吾の一撃に要注意

藤井侑吾

藤井侑吾はパワー駆けで上位陣打破に挑む。5月の日本選手権は一次予選で仕掛け切れず敗退も、2日目以降は持ち味の積極策で3連対を果たしている。爆発的な機動力から、ビッグ戦線で幾度も好走を見せており、今開催も動向から目が離せないひとりとなりそうだ。G3初優勝があっても、不思議ではない。

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◆最終日の第9Rはレインボーカップチャレンジファイナル!

中島淳、弓矢輪太郎、船山真生(※中島選手は欠場となりました)

1着から3着までがA級2班への特別昇班の権利を得られる一発勝負のレース。今回は昨年7月にデビューした125期9名の争いとなる。9名全員が定期昇級により7月からA級2班入りが決まっているが、一足早く昇格を決めるのは誰か。9車立てによる注目の同期対決となる。
中島淳は5月伊東温泉を捲りで制して今年5回目の優勝。4月函館では8連勝で特班にリーチをかけるも、決勝で市田龍生都に敗れただけに、今回は特班を掴めるか。岸和田の決勝では番手を貝原涼太が回っていたが、今回はどうなるかにも注目だ(6/2追記:中島選手は欠場となりました)。その中島に5月西武園決勝で先着しているのが弓矢輪太郎で、直前の四日市は地元優勝している。また弓矢と同県の梅澤忠秀も直前の立川で完全優勝しており、三重両者の勢いは見逃せない。
久田朔は3月前橋で8連勝までいくも特班にあと一歩届かず。病気欠場あけの松阪は逃げて準優勝しており、さらに調子を上げてこよう。
今年6回の優勝を誇る船山真生、5月奈良で完全優勝の森柾斗の決め脚も要注意。
また、山口からは野村賢、藤井優希の2名がエントリー。野村は1月取手を連勝で優出(5着)。直近の優勝は3月小倉だが、善戦が続いている。そして、「BIG MAN」のニックネームでも話題の藤井は「ド先行」を貫いて注目度も上昇中。ここでも存在感を見せつける走りに期待だろう。

(出場予定選手)
貝原涼太(栃木125期・27歳)
中島淳(埼玉125期・25歳)※欠場
梅澤忠秀(三重125期・23歳)
弓矢輪太郎(三重125期・21歳)
久田朔(大阪125期・21歳)
野村賢(山口125期・21歳)
藤井優希(山口125期・26歳)
森柾斗(徳島125期・25歳)
船山真生(愛媛125期・21歳)
岩元叶馬(富山125期・22歳)

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◆取手競輪レポート・プレイバック
昨年の記念開催は決勝で関東が小林泰正-坂井洋-吉田拓矢-吉澤純平-芦澤辰弘の5車連携。番手から捲りで抜け出した坂井を追走した吉田が追い込んで地元記念初優勝を果たした。

2024年6月取手記念G3
優勝:吉田拓矢
2022年6月取手記念G3
優勝:吉澤純平
2022年2月全日本選抜G1
優勝:古性優作
2020年6月取手記念G3
優勝:郡司浩平
2019年6月取手記念G3
優勝:松浦悠士
2018年11月取手記念G3
優勝:山崎賢人
2018年6月国際トラック競技支援競輪G3
優勝:マティエス・ブフリ
2017年6月取手記念G3
優勝:吉澤純平

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◆今開催の勝ち上がり

S級9車立て・12レース4日制

◆初日
【初特選=1個レース】
1位〜9位(全員)→二次予選

【一次予選=11個レース】
1位〜4位(44名)→二次予選
5位から得点上位10名→二次予選

◆2日目
【二次予選=7個レース】
1位〜3位(21名)→準決勝
4位から6名→準決勝
※初特選出場の着上位選手から優先。
次に一次予選の着上位選手。

◆3日目
【準決勝=3個レース】
1位〜3位(9名)→決勝

※勝ち上がり表PDFはこちら

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◆取手バンクの特性

バンクは周長400mで、みなし直線は54.8m。クセのない走りやすい400バンクとして知られる。2013年にホームとバックを入れ替えてリニューアルされた。連対時の決まり手は、1着(逃26%、捲27%、差47%)、2着(逃20%、捲13%、差26%、マ41%)。カントはややキツめではあるが、どんな戦法でも勝負できる。冬場はバック向かい風により重くなるが、今回の開催時期での影響は少なめか。最高上がりタイムは1998年6月20日に吉岡稔真が記録した10秒7。

出場予定メンバーはデータは5月29日現在のものです。
(P-Navi編集部)

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