宇都宮シクロクロスDay2

2023/02/02(木) 17:09

宇都宮シクロクロスDay2

栃木県宇都宮市の「道の駅ろまんちっく村」を舞台に3年ぶりに開催された「カンセキpresents 2022宇都宮シクロクロス」は12月18日、2日目を迎えた。

※宇都宮シクロクロスDay1のレポートはこちら


あらゆる路面、要素を含むコースで2日目を迎えた

2日目は、キッズレースから始まり、マスターズカテゴリーを終え、午後からは、UCI(世界自転車競技連合)認定の国際レースとなるジュニア、女子・男子エリートのレースが開催される。新型コロナウイルスの感染が拡大する前は、海外から強豪選手も来日していたが、復活初年度となる今季、海外勢はオーストラリアからの選手団を迎えるのみとなった。
前夜に雨が降っており、その影響が注目されたが、この日は晴天に恵まれ、風も強く、路面はしっかり乾いたドライコンディションに。降雨が引き締めたため、砂区間やキャンバー (斜面)などは走りやすくなった感覚もあったようだ。このレースは、1月開催の全日本選手権前最後の主要レースとなる。前日の疲れもある選手たちだが、どのような走りを見せるのか。選手間にも緊張感が高まっていた。

ジュニアは、佐々木啄人(宮城県泉高等学校)とオーストラリアから参戦したノースリー・サムの戦いとなり、これを制した佐々木の優勝となった。


ジュニアで優勝した佐々木啄人(宮城県泉高等学校)

そして、女子エリート。男女のエリートは、UCIレースであると同時に、JCX戦の第7戦という位置づけにもなっている。
女子は3名のオーストラリア人選手を迎え、前日のday1で表彰台に乗った小川咲絵(AX cyclocross team)、MTBのアジア(U23)、日本チャンピオンの小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)、渡部春雅(明治大学)らが最前列に並び、スタートした。


晴天の下スタートした女子エリートレース


三段坂を駆け上がる女子選手

小林が順調なスタートを切り、渡部も快調な走りを見せた。渡部と小川が先行、ミスなしに走る小川は、ペースアップして独走態勢に。終盤も着実な走りでリズムよく各セクションをクリアすると、悠々とフィニッシュへと駆け込み、宇都宮シクロクロス連勝を達成した。


トップでフィニッシュした小川咲絵(AX cyclocross team)画像:UtsunomiyaCX2022

2位には渡部をかわした小林が、3位にはそのまま粘った渡部が入っている。


小川、小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)、渡部春雅(明治大学)が表彰台に並び、Day1と同じ顔ぶれに。画像:UtsunomiyaCX2022

大会を締めくくったのは、男子エリートだ。「全日本チャンピオンジャージ姿で、宇都宮で勝つ」という悲願を掲げた地元の小坂光(宇都宮ブリッツェン)に注目が集まった。今季無敗、9連勝中の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)、2023年から宇都宮ブリッツェンへの移籍が決まっており、長く所属したチームのジャージで走るラストレースとなる沢田時(TEAM BRIDGESTONE Cycling)らが最前列に並んだ。オーストラリアからは3名がエントリー。


スタートしていく男子エリート。画像:UtsunomiyaCX2022


観客の声援を受けながらファーストラップに入る。会場には、多くの観客が訪れた

スタートの号砲から、ホールショットを獲得したのは沢田だった。
しかし、スタート後まもなく、先頭争いの中でアクシデントが起きた。ピット前のストレートで、わずかに前を阻まれる形になり、他選手に接触した小坂がバランスを崩し、右側に大きく転倒、右肩を地面に叩きつけてしまったのだ。小坂はそのまま痛みで起き上がることができず、レースを去った。全日本選手権まであと3週間というタイミングでの最悪のトラブルに、宇都宮に重い空気がのしかかる。


沢田時(TEAM BRIDGESTONE Cycling)を先頭に砂区間に入る。画像:UtsunomiyaCX2022

織田もホイールとギアの間にチェーンが挟まるトラブルや、バイクチェンジがあり、遅れを取っていたが、落ち着いて追い上げ、一人ずつパスして、先頭を走っていた沢田に合流した。序盤にトラブルが続いたレースは、ようやく落ち着き、ここから再スタートするような展開に。


遅れを取っていた織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が沢田を捕らえた

織田と沢田が先頭を争い、その後には、副島達海(大阪産業大学)と鈴木来人が3位表彰台をかけて走る。


先頭を走る織田と沢田。路面の荒れたセクションは降車をセレクト

シケイン(障害物)もバイクを降りることなく、バニーホップで越え、この利をうまく生かした織田が、一気に加速し、沢田を引き離してこの日もまた独走態勢に持ち込んだ。コースの特性をつかんだ織田はハイスピードを保ち、まるで我が庭のように自由にコースを駆け抜け、後続を寄せ付けない。

織田はそのまま先頭でフィニッシュラインを越え、宇都宮シクロクロスの2日連勝を決めると同時に、今季の連勝記録を10に伸ばした。


独走で優勝を決めた織田


表彰台に並んだ織田、沢田、副島達海(大阪産業大学)

織田は1月の全日本選手権への意欲をにじませ、表彰台では「確実に優勝したい」と、優勝宣言も飛び出した。連勝を重ねる織田の実力も、自信も、疑うものは誰もおらず、間違いなく、織田が最有力の優勝候補となった。この日、転倒した小坂は、上腕部にヒビが入っていたとチームから発表があった。小坂本人は「全日本に向けて、焦ることなく、前向きに調整したい」と前向きなコメントを発表。速やかな回復を願うばかりだ。


共に2日間を連勝で終えた小川と織田。画像:UtsunomiyaCX2022

この開催の3週間後には全日本選手権が迫っていた。本命の選手が実力を発揮することもあれば、思いがけない番狂わせも起こるのが全日本選手権。今季はシーズン終盤の開催になった特別なレースに注目が集まっていった__。

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【JCXシリーズ第7戦】
【結果】カンセキpresents 2022宇都宮シクロクロスDay1
男子エリート

1位/織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)0:56:31
2位/沢田時(チームブリヂストンサイクリング)+0:38
3位/副島達海(大阪産業大学)+1:25
4位/鈴木来人 +1:25
5位/竹之内悠 +1:44

【女子エリート】
1位/小川咲絵(AX cyclocross team)0:48:38
2位/小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)+0:42
3位/渡部春雅(明治大学)+1:21
4位/石田唯(早稲田大学)+3:08
5位/大蔵こころ(早稲田大学)+3:56

画像:Satoshi ODA UtsunomiyaCX2022(宇都宮シクロクロス2022)

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【JCXシリーズ2022-2023・レポート】
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