2022/08/10(水) 17:00 0 3
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今回は函館ミリオンナイトカップGIII初制覇を飾った坂本貴史の好プレーです。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
7日に最終日を行った函館競輪「函館ミリオンナイトカップ(GIII)」の決勝12Rで、坂本貴史(33歳・青森=94期)がGIII初制覇を飾った。父は坂本勉(引退=57期)さんで、ロス五輪の銅メダリスト、GP、GI覇者の長男とあり、デビューから大きな期待を集めた。
順調に出世し、GⅠでも随所に活躍したが、あと一つ、の壁を破れない“今”があった。 GIII優勝は、ステップアップの大きな目安だが、どうにもつかめなかった。「もう一つ成長できていない」部分を払しょくしないといけなかった。
今回の好プレーは見えづらい。任せた嵯峨昇喜郎(23歳・青森=113期)が前受けから突っ張るところ。上昇してきた松川高大(33歳・熊本=94期)は坂本の外にへばりつく。坂本と松川は高校時代からのライバル。松川としてもやりづらかったろう。
戦前の坂本は「狙われる位置、守ることだけ」と口にしていた。そして節間、「相手が焦っているとか、が見えている。この感覚を研ぎ澄ましていきたい」と話していた。打鐘過ぎ、松川は外の並走のポイントをつかみづらそうにしている。
ややもすればとどめを刺しにぶち当たりたい…ものの、じっと我慢して降りてきたところをすり抜けるように番手の位置を確保した。★は3つ、興奮しながらも、最前の手段を選択し切ったプレーだった。
すごいで賞=★★★☆☆(星3つ)