今の弥彦競輪場の顔役は、誰が考えても諸橋愛。ただ、その前は藤原憲征の時代もあったし、数字以上に存在感もあった。
どちらかと言えば、顔は怖いが、逆に気持ちは優しすぎた。レースは荒い面もあったが、競輪選手としての“業”や“理不尽な要求”は一度も見せていない。逆に義理人情を重んじて、損な役回りが多かった気がする。それでも地元記念の優勝や、佐藤友和に乗っての小田原記念の優勝などもある。
「原田泰志には、末木浩二君の番手を回れと、本気で説得した。だけど、彼も気持ちが優しいし、辞退されてしまった。俺の気持ちが届かず伝わらなかったよ(苦笑)」。
二次予選は吉田拓矢、末木浩二の3番手。ラインが引き締まるし、きっちり3人で決まるだろう。(町田洋一)