取材をしていて、あまりにも落ち着いた受け答えに思わず感心してしまう選手がいる。新鋭・堀江省吾だ。記者たちの質問に言葉を選んで丁寧に説明してくれる。赤髪の見た目とのギャップも良い。(ちなみに赤色はラッキーだそう。)

　中学校時代は吹奏楽部、高校時代はバドミントン部。趣味のサイクリングが高じ、大学から自転車競技を始めたという。国立信州大学を卒業し、選んだ道は『競輪選手』。“自転車が好き”という気持ちが大きかったそう。2度の受験を経て、競輪選手となって一年。

「自分のなかでは一つ一つクリアしていければと考えていました。特別昇進は難しいと思っていたけれど、優勝も7回できたし思っていたよりはやれたかな、という感じですかね」とふり返る。

「師匠の柿澤(大貴)さんを始め、ナショナルチームを引退した菊池(岳仁)君も一緒に練習している。良い環境でやらせてもらっています」。

　長野には現在14名の選手が在籍し、そのうち来期S級の選手は5名。他県に比べて選手数は少ないながら、高いレベルの選手が集う。

「自分もそこに加われるように、上のクラスを目指して頑張っていきたい。以前、師匠にも『大学を卒業して良い就職先もあったはず。だからこそ、この世界を選んだからにはS級で活躍しないと』と言われた。まだまだ、これからですね。師匠との連係も実現させたい」。

　過去2度の優勝は完全優勝、抜群の実績を誇る堀江。

　二次予選を終えて「いつも通りに自分が一番得意な2周から全力で駆けた」と話したように勝ちパターンで快勝し、危なげなく勝ち上がった。準決勝はベテランレーサー・志智俊夫と対戦する。昨日、志智は年齢を感じさせないカマシ逃げを披露して戦歴上位の力を見せつけているだけに、新鋭・堀江との好勝負が期待される。(アオケイ・八角記者)

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