2022/05/19(木) 14:00 0 1
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今回は瓜生崇智がGIII初優勝を遂げた五稜郭杯争奪戦からの好プレーです。 前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
函館競輪場で5月17日に開催された「開設73周年記念五稜郭杯争奪戦(GIII)」の最終日。
優勝は瓜生崇智(27歳・熊本=109期)で、心のこもった先行を見せた佐々木豪(26歳・愛媛=109期)、そして清水裕友(27歳・山口=105期)とのラインでの好プレーだった。こちらも取り上げたいレベルだが、その前にグッとくるものがあったので、選抜6Rの方を採用させてもらう。
安東宏高(40歳・大分=90期)が見せた、責任感の塊プレーだ。今後、彼のことは「Mr.Rseponsibility」と呼ぶことにしよう。元々、そういう責任感の強い、リーダーシップの取れるキャラなのだが、このレースは破格だった。
兼本将太(25歳・熊本=117期)ー山田英明(39歳・佐賀=89期)の3番手。別線には武田豊樹(48歳・茨城=88期)もいて、武田に任された吉田昌司(24歳・茨城=111期)が兼本を出させずに突っ張り上げる展開。いったん兼本と一緒に後退した山田と安東は連結が外れ、安東が前に入ってしまう…。
車券としては山田と武田が人気になっていて、また山田-安東という九州2段駆けの狙いも売れていた。安東としては「ヒデと決めないと」が頭にあった。「ファンが勝負している…」。必ず山田が自力に転じてくると考え、2角でグイッと振り向いた。「ヒデ、来るんだろ!」。その仕掛けを見てバックから、追いかけた。
あとは執念だけだろう。武田の上を乗り越えての2着は輝いていた。★は3つとさせてもらうが、掛け値なしの“ファンのために”のプレーは素晴らしかった。
すごいで賞=★★★☆☆(星3つ)