2022/05/03(火) 23:00 0 9
「無事にゴールできてよかったー!」と安堵の表情を浮かべ、検車場に引き上げてきたのは保立沙織。
3月半ばの豊橋ミッドナイトで落車し、その後は44日間の欠場。保立にとっては今節が復帰戦で前検日には「とにかく無事に3走を走り切りたい」と切実な思いを口にしていた。
「前にいた選手の後輪と接触し、バランスを崩して落車(失格)。転び方が酷い転び方で、周囲からは凄く心配されましたね」。
「強く頭部を打ってしまったので、少しの間は入院して安静に。でも経過は良好でしたし、このとおりピンピン! もう大丈夫ですよ」と復調をアピール。
そんな保立は立川競輪場に特別な想いを抱く。
「選手登録地は川崎ですが、デビューして間もない頃から立川でも練習させてもらっている。だから、ここは準地元みたいなもの。やっぱり気合が入ります」。
立川といえば、先日、電撃引退を発表した『高木真備』が競輪に出会ったバンクでもある。(※高木は立川競輪場の愛好会に参加し、競輪選手養成所の試験に向けて指導を受けた)
「真備とは一緒に練習をさせてもらっていたし、顔を合わせるたびによく話をしましたね。引退は本当に寂しいかぎり…」と仲間の引退を惜しんだ。
「実は、このフレームは真備から買い取ったもの。私も真備もブリヂストンのフレームに乗っていて、ダッシュ力が弱い自分に『同じメーカーでも、このフレームは軽いから保立さんに合うと思う』と薦めてくれて。落車後、練習に復帰してから1か月くらい乗ったけど、確かに軽くて良い感じです。レースでは初めて使ったけど、このまま乗り続けていけば、もっと馴染んでくるはず」。
続けて「先日も復帰戦を目前に緊張していたら『どうこうしても仕方ないし、新しいことを試すくらいの気持ちで気負わずに頑張ってください』と真備が言ってくれて…」と高木に勇気づけられたことを明かしてくれた。
開催2日目となる4日はイベントのため、高木が来場予定。
初日の保立は復帰初戦とあって、慎重なレース運びだったが「少しでもいいところを見せられるように頑張りたい」と高木の前での好走を誓った。(アオケイ・八角記者)