2022/02/19(土) 11:25 0 6
当欄でも“ヤマコウの息子”や“山口拳矢の兄”と何回か取り上げられている山口聖矢。今節は2着2本で3節ぶりの決勝進出を決めた。あらためて、競輪一家の一部分に迫った。
まずは意地悪な質問から。
ーー弟の拳矢選手が活躍する姿は?
「向こうが凄い結果を出して、こっちがダメだったりすると、1日くらいは落ち込むこともあります(笑)。でもすぐに正気に戻りますよ。悔しさももちろんあるけど、弟が頑張っているのは嬉しい。それに、こっちも頑張らなくちゃ! って、刺激になる。早く追いつきたいですね」
嫌な質問にも笑顔で丁寧に応えてくれた。出来たお兄ちゃんである。その後も弟、さらに父の幸二さんについての質問をぶつけてみた。
ーー競輪選手になるまでは?
「大学を卒業する頃に、弟と“このままサラリーマンでやっているかなぁ”って話をしていたんです。自分はボートレースの試験も2回受けたけど落ちちゃって…。それで自転車を始めました」
ーー幸二さんの反応はどうでしたか?
「(自転車を)やろうかなって伝えたら、『厳しいけどやってみたら』って。それまでは一度も勧められたことも反対されたこともなかった。父はもう引退していたので、叔父の富生さんに見てもらっていました。僕が始めてから、3ヶ月後くらいから拳矢も始めましたね」
ーー幸二さんのレースを観に行ったことは?
「平塚グランプリを優勝した時と、競輪祭の引退レースですね。それよりももっと昔もあったみたいですが、記憶にあるのは2つだけ。グランプリは優勝してビックリでしたね。当時は、“あぁ凄いなぁ”としか思わなかったけど、いざ自分も選手になってみると、“こんなに大変なことをしていたんだ”って感じましたね。自分はまだS級にすら上がれていませんからね」
ーー幸二さんはどんなお父さんですか?
「中学や高校の時は厳しい感じだったけど、自転車を始めてからは優しいです。アドバイスをくれたり、練習では車で誘導もしてくれたりもする。気を遣ってくれてるんだなぁって感じます(笑)」
ーー拳矢選手はどんな弟ですか?
「小さな頃から力がありましたね。僕よりもあった。馬鹿力っていうんですか。あとは自転車についても、すぐに追い抜かれた。113期を一緒に受けて、僕は落ちたけど拳矢は自転車を始めてから3ヶ月くらいで受かった」
ーー拳矢選手とは一緒に練習を?
「競輪場では一緒にやりますよ。拳矢は意外とマメ。競輪場に毎日いるんですよ。努力家ですね。練習もよく考えてやっている。パワー系の事は拳矢から教わったりしています」
ーー最後に現時点の目標を教えてください。
「とりあえずS級に行って、大きいレースの常連になりたいですね」
時間の都合であまり突っ込んだ話は出来なかったが、ボートレーサーになっていたかもしれない話や、拳矢の真面目な一面など、興味深い話を聞くことが出来た。
偉大な父、デビュー直後から驚異の活躍を見せてきた弟に負けじと、山口聖矢は山口聖矢のペースで進化を続ける。(netkeirin特派員)