準決勝11Rを豪快に捲った岩谷拓磨。ただ、藤井栄二に突っ張られ、中団を確保したと思ったら木村隆弘に奪われ、バックを踏んで6番手に戻った。順調に事が運べず、普通なら負けパターン。それでも最後は力でねじ伏せた。

「キツかったけど勝てて良かった。決勝は宮本隼輔さんにリベンジできたらいいですね。宮本さんや太田竜馬さんは体型や脚質が似ているので、目標みたいな存在なんです。宮本さんは開催が一緒の時はよく話しかけてくれるし、優しいんです」

　レース後、ダウンしながらそんな話をしていたら、次の準決勝で宮本がまさかの優出失敗。これには岩谷も「宮本さんと思い切り踏み合うつもりだったのに！」と残念がった。それでも、S級初優勝の大チャンスになった。

「獲れるなら狙っていきたい。でも自力をしっかりと出す、普段通りのレースをします。それで勝てたらいいですね」

　来月は宇都宮で開催される「ウィナーズカップ(GII)」でビッグレース初出場が決まっている。

「実はまだ500バンクを走ったことがないんです。次走の高知記念で初めて走ります。GII前に走れるのは良かった。ここでいい結果を残して、500バンクに向かいたい」

　得意の33バンクでS級初Vを飾って、高知記念、さらにはその先のビッグレースに気分良く向かってもらおう。(netkeirin特派員)