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【別府競輪・ミッドナイト】浅井康太の金言を胸に積極策を貫く溝口葵

2022/02/10(木) 11:30 0 2

別府競輪のミッドナイト「Kドリームス杯(FII)」が9日、幕を開けた。1Rを逃げ切った溝口葵に話を聞いた。

北京五輪に出場した同期の原大智に刺激を受けているという溝口葵

 初日1R、前受けから突っ張り先行で押し切った溝口葵。これで落車の負傷明けから9節連続で初日2連対だ。

 三重県桑名市出身の溝口は、大阪でゴールドジムのトレーナーとして働いていた頃に師匠の伊藤信ら大阪支部の選手から競輪選手の道を勧められ、大阪支部の117期生としてデビュー。しかし「デビュー直後は成績がヤバくて、すぐクビになるんじゃないかと思っていました」。今では信じられないほどの話だが、地元から大阪へ練習に行く日々ではまとまった練習ができず、結果を出せずにいた。そこで大阪支部の先輩たちが立ち上がった。地元で落ち着いて練習に取り組めるように考案し、デビュー年の12月には三重支部に移籍することとなった。

「大阪支部長代行の陶器一馬さんが、同期で三重支部の太田雅之さんに話をしてくださって。それで三重に移籍して、四日市のグループにお邪魔させてもらうことになったんです」。

 四日市では太田や、グランプリ2Vの浅井康太や、坂口晃輔、柴崎兄弟らと一緒に練習することになり、成績がみるみる上昇。昨年6月の松阪でデビュー初Vを飾ると、翌月の富山でもV。最近は積極的にレースを動かす姿が印象的だ。

「浅井さんがよくアドバイスをくださるんです。以前、点数がなかった時は『自分のレースをすればいい』と言ってくださって、点数に余裕が出てきた去年の後半くらいからは『先行して、負けられるうちに負けとけ』って言ってもらった。今は脚を付けるためにも、負けを恐れずに先行主体に組み立てています。強い選手たちと一緒に練習できて、いい経験をさせてもらっています」。

 初日もきっちりと主導権を奪う走り。これで今年に入り、10走して最終BSを奪えなかったのは1走だけだ。身近にいるスーパースターの金言通り、将来を見据えて積極的な走りを心掛けている。そして、溝口に刺激を与えているのが同期のオリンピアンだ。平昌オリンピックで銅メダルを獲得し、現在行われている北京オリンピックでモーグルに出場した原大智である。

「僕を含めて117期は3人が適性で入所して。それと、特別枠で入った原君を含めた4人がひとくくりにされるような感じだったんです。ライバルじゃないですけど、勝手に切磋琢磨させてもらうような存在で、デビューしてからはずっと彼の成績を見ていました。もちろんオリンピックも見ましたよ。限られた練習量の中で、モーグルも競輪も両方で結果を残せるのは凄い。感動しましたね。僕ももっと頑張らないといけない。結果を出していろいろな人に恩返しをして、原君ともいつの日か、上の舞台で戦えたら」。

 お世話になった大阪支部の先輩や、浅井康太らには、結果を出すことが一番の恩返しになるだろう。そして同期のオリンピアンの存在。上で結果を出す"その日"を目指して、地道に積極策を貫く。(netkeirin特派員)

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