2022/02/08(火) 15:00 0 2
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今回はバンクを知り尽くしたベテランならではの好プレー! 前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
小倉競輪のFIの初日特選12Rで地元の園田匠(40歳・福岡=87期)が味のある好プレーを見せた!
落ち着きある40歳の立ち回り。“オレの庭”と言わんばかりの小倉ならではの走りだった。前を任せた山田英明(38歳・佐賀=89期)は、赤板から宮本隼輔(27歳・山口=113期)の上昇に合わせて突っ張っていく。
先行態勢に持っていきペースをつかんだ山田もまた好プレーで、今年にかける意志が見えるものだった。再度巻き返してくる宮本を、園田は1角手前で大きく振って減速させる。伸び切れず失速する宮本の後は、単騎の吉田敏洋(42歳・愛知=85期)がまくりで迫ってくる。構成、流れを考えれば吉田の1着パターンだ。
3角、2センターで並んでくる吉田を園田はチラリと見るだけ。ブロックしたのは4角出口という珍しい場所だった。
これは小倉の3角がまくりのスピードが乗り切れない特性を知り尽くし、勢いを殺すには最後の一撃で、と園田の判断があってのもの。ペースを作った山田、自身の庭で穏やかにかつ意地で後続を制した園田、3番手で内を締め切った中本匠栄(34歳・熊本=97期)が静かに連動していた。
園田1着、山田2着、中本3着。園田はかつて“33歳ピーク説”を持論とし、言葉と越智に2015年に弥彦で寬仁親王牌を制した。あれから時は経つが、円熟味を増し、園田はまた新しい段階に進んできている。その力を与えているのは、昨年11月の競輪祭で大きな声援をかけてくれたファンの声。園田の質実剛健な走りに★3つと山田と中本の分を合わせて、★4つのレースだった。
すごいで賞=★★★★☆(星4つ)