2022/01/16(日) 08:00 0 16
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今回は競輪界の歴史が動いた胸が熱くなる好プレーをピックアップ! 前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
特選12Rの番組が前日に発表、そして並びが明らかになった時、大地が揺れた。“236”だな。
2番山口拳矢(25歳・岐阜=117期)の後ろに3番村上義弘(47歳・京都=73期)-6番松岡健介(43歳・兵庫=87期)の並びだ…。
「そうか…」
村上は他地区の選手には付けていない。近畿、を大事にするための決意だ。昔、付いたことはあるようだが、今は違う。そして、今、が動いた。
村上義弘「ケンヤ君へのおみやげは、小ギア13枚がええんちゃいます? 」
山口幸二「13枚はまだ子どもには小さすぎるやろ。15枚で、ええかな…」
こんな会話ではないと思うが、現役時代に深く結びついていた村上義弘と幸二さん(引退=62期)。その息子さんである拳矢に付く意味は、幸二さんへの思いでもあり、拳矢へのエールでもあったろう。
すでに、熱過ぎる。
前受けした拳矢は2周突っ張り先行。スイッチオンだ。村上は援護に回る。この番手での動きに村上のすごさがあった。 最終BSでちょっと車間を切り、一つけん制、そして二発目がすべて。「これ以上は、アカンよ」。まくっていた飯野祐太(37歳・福島=90期)は殺気を感じたことだろう 。★4つの好プレー。
3発目でとどめを刺して差し切った村上。拳矢とのワンツーは、ファンの胸に刺さり、幸二さんの心臓をえぐったことだろう。色々含めてプラス★1つ。松岡が3番手というのも数えていくと★の数が足りなくなるので、申し訳ありませんがここでは割愛させていただきます。
すごいで賞=★★★★★(星5つ)