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【寛仁親王牌予想】先手ライン優勢の前橋バンクを制するのは!? 地区別展望・推奨選手4名をチェック!/競輪予想・ウマい車券

2025/10/23(木) 10:00 0 2

前橋競輪場で23日に初日を迎えた「寛仁親王牌(GI)」。埼玉のレジェンド場立ち予想家「木村安記」が今シリーズの展望と注目選手を紹介します。
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前橋競輪場(撮影:北山宏一)

■GP出場を懸けた激闘、ゴング!

 10月23日から26日までの4日間、前橋競輪場で「第34回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)」が開催されます!

 この開催はGIとして位置づけられていますが、出場選手の選出方法に特徴があります。5月に行われた全日本プロ選手権自転車競技大会(通称・全プロ)で優秀な成績を収めた選手が選抜されるため、108名の出場選手の中には競技色の強い選手が選ばれている傾向にあります。

 ただ、世界を股にかけて闘っている太田海也中野慎詞は出場すれば優勝候補になりますが、世界選手権との日程が重なり今回は大変残念ながら出場することができません。

■先手ライン断然優勢の高速バンク

 決戦の舞台となる前橋競輪場は、皆さまご存じの通りドーム型の競輪場。天候の影響を一切受けずに走ることができるバンクです。

 一周は335m。いわゆる33バンクとは少し異なり、直線は46.7mあります。400バンクでも前橋より短い佐世保(直線40.2m)などもあるため、前橋“直線の長い短走路”と言えるでしょう。

 コーナー前はまるで壁のようにそびえ立ち、最大傾斜は36度。高速バンクの名にふさわしく、一気にスピードに乗せることができます。そのため、別線の遅めのまくりは決まりにくく、ここで仕掛ければOKという明確なポイントもありません。結果として、先手ラインが断然優勢となる展開が多いバンクです。グレードレースともなれば、脚力のある選手はより万全の戦い方ができるため、安定感ある番手選手の動きにも注目です。

 さらに、地元の一流選手によると「王道の2周半先行ができる選手は絶対的に有利!伸びるコースは2コーナー、4コーナーのイエローラインの下りと、2センターに向かう内々コース」という興味深い話も伺いました。ぜひ、予想の参考にしてみてください!

■地区別の戦力展望

【北日本】先行不在、どこまでヤレるか?

北日本の新山響平(撮影:北山宏一)

 4年連続のKEIRINグランプリ出場に向けて獲得賞金ランキング9位でギリギリのボーダーラインに立つ新山響平は、前走の松阪GIIIを優勝して弾みはつきました。ただ同地区の自力型が手薄すぎるのは気になりますが、欠場期間でしっかり調整してきたはず佐藤慎太郎、安定感ある成田和也守澤太志の援護を受けての疾走に期待ですね。

 また、前走の京王閣GIIIでは優出を果たした菅田壱道も侮れません。自力の強さには定評があり、目標がなくてもまくり一発で勝機をつかむ力を秘めています。展開ひとつで上位進出も十分にありそうです。

【関東】役者は揃ってリニューアル

関東の森田優弥(左)と武藤龍生(撮影:北山宏一)

 眞杉匠吉田拓矢という2大シンボルに加え、昨年の寛仁親王牌ファイナリストで「地元GI制覇」を狙う佐々木悠葵、そして直前のFI宇都宮を優勝で締め、勢いに乗る小林泰正。地元勢22人にかかる期待は大きいですよね。

 また、大願成就へ着実に歩みを進める埼玉の若頭・森田優弥にも注目です。前走はFI戦ながら、小倉でまくり3連発の圧勝劇を披露。今回は“ヤレる!”という気配が漂います。

 さらに、選手仲間やファンから厚く支持され、「報われてほしい!」と願われる関東最強の黒子・武藤龍生。位置取り次第ではありますが、前が不発でも内から突入してのゴール前勝負には一考必要です。

【南関東】バランスは整って

南関東の郡司浩平(左)と新山響平(撮影:北山宏一)

 もうすでに12月30日、地元・平塚の大一番への出場が賞金的に濃厚となっており、今回は自身の勝利はもちろん追求しながら、ラインからグランプリに乗せるロングライドも辞さないのが郡司浩平です。近況のイク時はイクよ! のスタンスは見る側をスッキリさせるし、とにかく、今、競輪を体現していますよね。そんな郡司に誘ってもらえるならば、和田真久留小原太樹和田健太郎といった直線のキレが信条になるタテ型の選手には好機が到来します。

 そして、今のところ獲得賞金ランキング8位に位置する深谷知広はシッカリ賞金を上積みしたいし、前後はその時々で変化しますが、当然、郡司の番手をまわるようならグランプリ出場は確定必至になるし、不慣れな番手の闘いも多々ありますが、自力はもちろん捨ててはいない岩本俊介も場合によっては郡司、深谷の後ろが回ってくる可能性もあり軽視禁物です。

 ちょっと忘れ去られている、どうした松井宏佑あたりも、短走路前橋なら距離を踏んで勝ち上がれる脚はあるだけに、躊躇なく全開で闘えば勝利はあると思います。

【中部】人材、大不況…

中部の浅井康太(左)と山口拳矢(撮影:北山宏一)

 現在、獲得賞金ランキング9位の新山をおよそ700万円差で追う浅井康太にとっては、まさに一戦一戦が勝負駆け。とはいえ、若手の人材不足は深刻になり、自力でタイトルを奪うのは厳しい現実もあります。どれだけ番組(レース構成)に恵まれるか。その運もまた、大きなカギを握りそうです。

 まくり一辺倒では楽はできない山口拳矢前橋バンクであれば場合によっての長打は有効になるし、8月の西武園GIIIの初日特選で披露したインから攻め込む番手戦をウマく武器にしながら奮闘すれば勝機は見出せるはずです。

【近畿】自力、援軍、共に最強!

近畿の寺崎浩平(左)と脇本雄太(撮影:北山宏一)

 8月のGI・函館オールスターを制し、ついにタイトルホルダーの仲間入りを果たした寺崎浩平を筆頭に、前でも番手でも勝てる“輪界のラスボス”脇本雄太。その脇本が前走・京王閣GIIIで再び本来の凄みを取り戻したとなれば、他地区に与える脅威は計り知れません。

 7月の玉野GIIの落車の影響はまだあるが、近畿が揃っても勝負圏内の番手、3番手は回れる古性優作は自力勝負の場面でどこまで凌げるかどうかがカギとなるでしょう。

 さらに、12月30日の平塚グランプリ出場がぐっと近づいている南修二をはじめ、遅れてきた青春を謳歌中の村田雅一、「夢をもう一度」を合言葉に戦う三谷竜生、近畿のご意見番・三谷将太、そして最後の大仕事に向けて差し脚を磨く村上博幸、輪界一の暴れん坊・稲川翔といった面々も援軍として控えています。並び次第では、それぞれに十分チャンスが巡ってくるはずです。

【中四国】世代交代か、崖っぷちのゴールデンコンビ

中国の清水裕友松浦悠士(撮影:北山宏一)

7月の玉野GIIで落車し、どん底を味わった松浦悠士。そして、不調ではないものの大きく勝ちきれない清水裕友…この二人にとって、今回の前橋はまさに崖っぷちの戦いとなります。そんな中で、犬伏湧也が“救世主”となる形になるなら、やはり期待は先行勝負。松浦としては、まずは犬伏の後ろをしっかり追走できるかどうかがポイントになりますし、犬伏自身の勝ち筋は言うまでもなくまくりが軸になるでしょう。

 いつまで“機関車役”を演じ続けるのか、取鳥雄吾自分でヤルにしても番手でもそろそろ勝利至上主義を訴えてもOKだと思うところです。

 おそらく勝ち上がりの段階では先行主体になると思われますが、展開次第では引き出し役としても機能できる石原颯。中四国勢にとって、彼の存在は貴重な戦力です。さらに、穴で注目したいのが昨年の寛仁親王牌で決勝進出を果たし、“あわや”のシーンを演じた河端朋之。いつ何時でも一発の破壊力があるだけに、要警戒の一車です。

 そして、ポジション的にやや見えにくいものの、潜在能力の高さには定評がある松本貴治。自力でも戦える実力を持ち、松浦・清水と戦法が重なる部分もありますが、主張すべきところではしっかり主張し、勝ちをつかみに行きたい--そんなBIGドリームに懸ける走りに期待したいところです。

【九州】低迷期、突入か

九州の嘉永泰斗(左)と荒井崇博(撮影:北山宏一)

エースの座をつかんだ嘉永泰斗。しかし、この1年以上は好不調の波が続いており、勝負所での安定感が課題となっています。各ラインが二段駆けを仕掛ける中で、純然たる真っ向勝負のまくりだけでどこまで通用するのか--あるいは、何か秘策や裏ワザを持っているのか。その戦術面にも注目です。

 依然として一線級に名を連ねる荒井崇博。ラストチャンスとささやかれながらも、虎視眈々とGI初制覇を狙うその姿は健在です。ベテランらしい勝負勘と執念が光れば、まだまだ可能性は十分にあります。

 一方、伸び悩みが続く伊藤旭松本秀之介とは対照的に、見る者の心を震わせる“先行マシーン”後藤大輝が、いま九州勢に一筋の光をもたらしています。若さと勢いを武器に、波乱を呼ぶ存在となるかもしれません。

■推奨選手

渡部幸訓(福島・89期)

 2場所前のFI武雄の初日特選、いきなり単騎でまくり快勝を決めて、翌場所の「今開催は結果を出す」とコメント残した松阪GIIIでは2・1・3・2と有言実行、決勝まで勝ち進みました。

 完全に戻ったタテ脚に加えてもちろん、番手を回れば仕事はするし、前をまわる自力も安心して先行できるし、そうなれば展開も味方にできるし信頼できるところです。

村田祐樹(富山・121期)

 昨年9月、岐阜GIIIで決勝まで進み、そこで松浦悠士深谷知広といったSSクラスとそれなりの力勝負を繰り広げての3着は、さあ、大ブレイクの予感ですね! そんな予感はあったが、落車、ケガの影響もありなかなか上昇しない1年間に。が、しかし、ここ2場所、すべてのレースでFI戦ながらも全開に踏めていたし、先手必勝の前橋バンクで先行して番手が達者ならそこからの狙いにはなるが、ちょっと難しいかな? と思うようなメンツでカマシ、まくりなら穴で狙いたい一車です。

渡部幸訓(左)と村田祐樹(撮影:北山宏一)

松井宏佑(神奈川・113期)

 積極策を披露しないレースをこれだけ見せられると戦法不明を覚えてしまうが、まだ、そんな段階、年齢ではないし、持ち合わせるスピード、バリキを考えればもっとヤレるし、ヤッてよ!! の話になりますよね。

 脚質的にピッタリ合うはずな、高速バンクの前橋で躍動するもちろんカマシは有効だし、まくりは最終兵器としてとっておきのシーンでの一閃。南関はキレがある追い込み屋が出場選手に多いし逃げれば後ろが狙い目になり、郡司、深谷との連携で主導権なら別線をすべて沈没させるくらいのレースに期待したいところです。

後藤大輝(福岡・121期)

 ここ数年、若手は出てくるものの、オイ、全員、逃さねぇぞ! というスタンスの自力型が乏しい九州の未来にとってはバッチリ明るい存在。先日、青森記念の二次予選でまくり快勝したレースを他地区の南修二にたしなめられて、やはり先行一本しかない! と思い直すあたりもザ・競輪選手ですね。

 行くだけ行って後ろに貢献して終わりになる4日間もありえるが、番手から出れる選手が後ろなら狙い安いし、番手が大仕事なら残っちゃうのかよ!! なんていうゴール前には要警戒が必要になります。

松井宏佑(左)と後藤大輝(撮影:北山宏一)


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