アプリ限定 2025/10/22(水) 12:00 0 5
23日から前橋競輪場で開催される「寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)」に、S班の新山響平と犬伏湧也、そして来期S班確定の寺崎浩平が出場する。特集前編では、3人それぞれのビッグレース戦績と対戦成績を検証した。後編では、二次予選以降の勝ち上がり戦のみを対象とし「番手選手とセットで狙いやすいのは誰なのか」を検証するとともに、その他のレースも含めた番手選手との2車複回収率も調査した。
▶︎寛仁親王牌特集
新山、犬伏、寺崎の3人のうち、「誰の番手が一番有利なのか」。二次予選、準決勝、決勝の3ラウンドで、3人がラインの先頭を走ったときの番手選手の着順を調べてみた。
寺崎の番手には脇本雄太や古性優作ら近畿の強烈な面々がいる。そういった地区ごとの勢力の違いは当然あるが、データからは興味深い点が見えてきた。
以下が、3人それぞれの番手選手の、直近1年間のビッグレース3連対率である。
※二次予選、準決勝、決勝のデータを抽出
まずは新山と番手選手の連係実績から見ていこう。全13走の車券的なデータは以下。
・「2人とも3着以内の両立車券」は0回(0%)
・「新山が3着以内で番手が着外」は6回(46.1%)
・「番手が3着以内で新山が着外」は1回(7.6%)
・「2人とも着外の共倒れ」は6回(46.1%)
■表①:新山と番手選手の成績
開催 | 2予 本人 | 2予 番手 | 準決 本人 | 準決 番手 | 決勝 本人 | 決勝 番手 |
---|---|---|---|---|---|---|
小倉GI (24/11) | - | - | 4HB | 5 | - | - |
豊橋GI (25/2) | 3 | 7 | 4 | 6 | - | - |
伊東GII (25/3) | - | - | 2HB | 4 | 3HB | 6 |
名古屋GI (25/5) | 1HB | 8 | 1B | 6 | 6HB | 9※ |
岸和田GI (25/6) | 4HB | 9 | - | - | - | - |
玉野GII (25/7) | 落棄 | 落棄 | - | - | - | - |
函館GI (25/8) | - | - | 7 | 3 | - | - |
福井GII (25/9) | 1HB | 4 | 7 | 9 | - | - |
※落車、再乗し9着
新山の番手選手の連対は、なんとゼロ(全13走中3着が1回のみ)。
新山が車券に絡み番手が大敗するケースと、2人とも共倒れのケースがほとんどである。
新山の番手に付く北日本勢に近畿ほど強力な選手がいないという点を割り引いても、車券的には驚くべき結果と言ってよいだろう。長距離先行の多い新山の番手は、有利なようで案外苦しい位置なのかもしれない。
続いて、犬伏と番手選手の連係実績。全13走の車券的なデータは以下。
・「2人とも3着以内の両立車券」は5回(38.4%)
・「犬伏が3着以内で番手が着外」は1回(7.6%)
・「番手が3着以内で犬伏が着外」は1回(7.6%)
・「2人とも着外の共倒れ」は6回(46.1%)
■表②:犬伏と番手選手の成績
開催 | 2予 本人 | 2予 番手 | 準決 本人 | 準決 番手 | 決勝 本人 | 決勝 番手 |
---|---|---|---|---|---|---|
小倉GI (24/11) | 1 | 2 | 2B | 1 | 2 | 3 |
豊橋GI (25/2) | 1 | 9 | 7 | 6 | - | - |
伊東GII (25/3) | 1HB | 3 | 7 | 8 | - | - |
名古屋GI (25/5) | 2HB | 1 | 4HB | 5 | - | - |
岸和田GI (25/6) | - | - | 9 | 7 | - | - |
玉野GII (25/7) | 8HB | 7 | - | - | - | - |
函館GI (25/8) | - | - | 7 | 3 | - | - |
福井GII (25/9) | 7 | 9 | - | - | - | - |
犬伏の番手選手は、全13走中、3着以内に入った回数は6回で、3連対率は46.1%と5割近い数字。
ダッシュのよい犬伏は、後ろが離れやすいイメージがある。しかしデータを見ると、犬伏が車券に絡むときは番手選手もセットで車券に絡む確率が高く、犬伏が失敗したときは共倒れになることが多いという意外な結果となった。
最後に、寺崎と番手選手の連係実績。全19走の車券的なデータは以下。
・「2人とも3着以内の両立車券」は7回(36.8%)
・「寺崎が3着以内で番手が着外」は6回(31.5%)
・「番手が3着以内で寺崎が着外」は4回(21%)
・「2人とも着外の共倒れ」は2回(10.5%)
■表③:寺崎と番手選手の成績
開催 | 2予 本人 | 2予 番手 | 準決 本人 | 準決 番手 | 決勝 本人 | 決勝 番手 |
---|---|---|---|---|---|---|
小倉GI (24/11) | 2 | 4 | 1 | 失 | 9H | 1 |
豊橋GI (25/2) | 2 | 3 | ※ | ※ | 2 | 1 |
伊東GII (25/3) | - | - | 2 | 5 | 8 | 1 |
名古屋GI (25/5) | 3 | 4 | 7 | 3 | - | - |
岸和田GI (25/6) | 2HB | 1 | 2HB | 1 | 9HB | 1 |
玉野GII (25/7) | - | - | 8 | 4 | - | - |
函館GI (25/8) | 7 1 | 6 6 | 1 | 2 | ※ | ※ |
福井GII (25/9) | 3HB | 2 | 2HB | 1 | 2HB | 失 |
函館GI準々決勝の着順は二次予選の下段に表示
※は寺崎が番手回りのレースなので参考外とした
データを取った全19走のうち、番手・古性が7回、番手・脇本が4回ある。新山や犬伏と比べて番手の成績がよいのは当然ではあるのだが、それでも決勝6回の実績はバツグンである。番手優勝が4回、番手回りとなった自身の優勝が1回、そして直近の福井GIIは番手の古性が失格とはなったが、3番手の南が優勝している。
最強近畿勢の中での存在感が一気に増した1年と言ってよいのかもしれない。
最後に、一次予選や敗者戦も含め、3人がそれぞれの番手選手と連独占した回数を集計してみた。これも強い番手が付くことが多い寺崎が最も多いことは当然として、一方で、新山と犬伏の番手とのワンツー実績は意外に悪い。
番手選手の力や相手関係も含めて、番手選手との相性を的確に測るため、2車複の回収率も計算してみた。結果は、下記のように極端なものとなった(表④)。
■表④:新山、犬伏、寺崎と番手選手の2車複回収率
選手 | 出走数 | 連独占回数 | 回収率 |
---|---|---|---|
新山 | 26回 | 3回 | 20% |
犬伏 | 33回 | 4回 | 44.5% |
寺崎 | 32回 | 9回 | 194.6% |
上記のデータから、寺崎は車券的にも番手選手との相性がバツグンという結果になった。ただし、寺崎の番手が古性、脇本、南修二以外のケース11回に限って見ると、ワンツー実績はゼロ(1着3着、2着3着の両立車券は3回ある)で、2車複の回収率も0%。
つまり、新山、犬伏は車券的に見て番手選手との相性がよくないだけでなく、寺崎も古性、脇本、南以外の選手が番手となったときの相性は悪いという結果となった。
前後編通しての車券的な結論は、以下。この傾向が今回の「寛仁親王牌(GI)」でどこまで通用するのかは、読者各位のご判断にお任せしたい。
・新山響平は、
近況のビッグ成績はムラだが、新山が3着以内で番手選手が着外というのが狙い目か。
初日12R「日本競輪選手会理事長杯」
▶【出走表】新山響平が出走(初日は単騎戦)
▶【全選手コメント】
・犬伏湧也は、
番手選手との「両立」か「共倒れ」が基本。ただし、番手選手とのワンツーは車券的には回収率が低く判断微妙。
初日11R「特別選抜予選」
▶【出走表】犬伏湧也が出走
▶【全選手コメント】
・寺崎浩平は、
古性が番手のときは2車複がオススメ。脇本、南との車券的な相性も悪くないが、それ以外の選手とのワンツーはリスク大。
初日10R「特別選抜予選」
▶【出走表】寺崎浩平が出走(初日は番手戦)
▶【全選手コメント】
最後に、上記3人のうち2人以上が対決するレースは、基本誰か一人が車券に絡む可能性が高い。