2025/10/08(水) 12:35 0 1
一走終えた吉田航が、穏やかな笑みを見せた。
「一走した感じ、状態は悪くなかった」。そう言って振り返る表情には、どこか手応えを感じたような余裕があった。
初登場の立川バンク。感触を尋ねると、少し考えてから言葉を続けた。
「バンクなのか身体なのか分からないけど、すごく軽く感じた」
いつも通り淡々と話すが、その一言には確かな感触がにじむ。脚の回転がスムーズに噛み合い、仕上がりの良さを自ら感じ取っているようだった。
レースでは序盤から冷静に前を取り、後ろを見ながら突っ張り先行。後ろが離れる展開となったが、吉田らしい落ち着いた走りが光る。
「決勝に勝ち上がれるように」
短い言葉の中に、静かな闘志を潜ませる。余計なことは語らない。だが、その目の奥には確かな目標がある。
軽やかな脚と冴えた勘。仕上がりの良さを味方に、吉田航が決勝の舞台を見据える。(アオケイ・石濱記者)