2025/09/24(水) 15:00 0 2
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週は根性の男が地元の縄文バンクで見せた好ブロックをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
青森競輪のみちのく記念競輪「開設75周年記念 善知鳥杯争奪戦(GIII)」の2日目、9月21日に地元の永澤剛(40歳・青森=91期)が渾身の好プレーを繰り出した。5月平塚記念の2日目に乗り上げて落車、右肩を中心に大きなケガを負った。
8月函館オールスターではまた右腕が上がらないまま復帰。“泣きの永澤”と呼ばれているが、本当に体の治りはまだまだだった。大ケガから4ヶ月で迎える地元記念には、もはや万全でなくとも気合で乗り切るしかない。
弱気なコメントと裏腹に、見せるプレーはハードそのものだ。それを、大事な二次予選で披露した。前を任せたのはこれからの北日本を引っ張っていく山崎歩夢(20歳・福島=125期)だ。若手を育てるのも後ろの役目。信頼関係を築くことが求められる。
★3つの走り。大きくは2度にわたるブロックで、勝ち上がりを山崎とともにを成立させたことが好プレーだった。先頭に立つ山崎は残り1周で河端朋之(40歳・岡山=95期)のカマシに遭う。根田空史(37歳・千葉=94期)を突っ張った後。やむを得ない。
河端ラインにのみ込まれそうなところ、後続の久米良(37歳・徳島=96期)をさばいて、1車で河端が出る形に持ち込んだ。マーク選手としては王道のプレー。そして、最終バック、もう一度根田が踏み込んでくる。それも、かなりいいスピードで。
3角から一撃で根田を押し上げ、山崎が粘り込める態勢を築いた気迫の好ブロックがあった。河端の1車はやむをえずとしても、後の車は通さない。「ダメなものはダメ」と断固として阻止した。痛む右肩は競輪選手の勲章。根性の男が地元の縄文バンクで見せた“競輪”だった。
すごいで賞=★★★☆☆(星3つ)