S級予選のラストカード、11Rに選ばれた山下の目標は山崎歩夢だ。父親はGI9勝を誇るあの山崎芳仁。前回は8月函館オールスター競輪で初のGI出場を果たした北日本の逸材だ。

「7月の富山GIIIのとき、翌日の番組が出る前に北の選手たちから『もしかしたら、歩夢の番手があるかもよ』って言われていたんです。ああ、楽しみだなと思っていたら実際はならなくて。今回、回ってきてビックリしましたが、うれしい」と、めぐり合わせを喜んだ。さらには「芳仁さんにもいい着を取らせてもらったことがあるんです。親子と連係できるなんてなんか不思議ですね」と笑った。

　今期はすでに8勝を挙げ、104点台をキープ。まだ早計だが、このまま状態を維持できればS級1班の点数も見えてくる。「ケガの影響が無くなったから今はいい感じ。去年なんてS級点すら取れないかもってぐらい弱っていましたから」と驚くほど快調だ。

　1班の点数だけではない。12月いっぱいまでが選考期間である来年3月の防府GIIウィナーズカップへの出場も現実的だ。ここは山崎の突進力に猛然と食い下がり、今期9勝目を目指す。(netkeirin特派員)