2025/06/11(水) 17:00 0 6
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週はオールラウンダーではない新山響平が見せた巧みな走りをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
新山響平(31歳・青森=107期)が新しい新山になろうとしている。別府ナイターGIIIの最終日、6月8日決勝12Rの前受け突っ張り先行は精度を高めており、なんといっても4日間のシリーズでの戦いぶりが“新新山”だった。
もとから新しいわけだが、新山は“ニュー”新山になっている。前受け突っ張り先行を主武器歳、時折、レースの流れに対応して、という戦いを続けてきた。この別府では4日間を支配するような感じがあった。全体としての好プレーであり、細かくは決勝を好プレーとしたい。
決勝は番手の守澤太志(39歳・秋田=96期)が優勝したわけだが、新山とのワンツーはあまりにも完璧。北日本2人だったが、ずっと2人で前にいた。支配していた。
初日特選は初手から前受けではなく、中団を選択してのまくり勝負。菅田壱道(39歳・宮城=91期)には差されたが、単騎の山崎賢人(32歳・長崎=111期)の動きを誘発してという冷静な組み立てだった。来ていなければ、駆けるだけ。
2日目二次予選は前受けからまず一つのラインを突っ張り、ペースを上げた戦いに持ち込み、他のラインが出た後をまくり切った。3日目準決は中団から動いたラインを早めに叩き、巻き返してきた菊池岳仁(24歳・長野=117期)を自らけん制して逃げ態勢を譲らなかった。
オールラウンダーではない。先行の鬼が、引き出しを増やしている。最終日決勝は突っ張った後、打鐘からホームにかけて大胆に流した巧みな走りを好プレーとしたい。★は4つ。3日間の戦いぶりから、ここで流すことができ、誰かが来ても対応できるところを武器にしていた。
新山は新新山であり、進化する“進山”。競輪界という山の頂点を目指し、確実に進んでいる。
すごいで賞=★★★★☆(星4つ)