アプリ限定 2025/06/13(金) 12:00 0 12
25年に入り全日本選抜競輪(GI)、ウィナーズカップ(GII)共に近畿勢が優勝を飾り一強体制かと思われたが日本選手権競輪で今年のビッグレースで初めて他地区が優勝。来週から開幕するGI・高松宮記念杯競輪を迎えるにあたって今一度、現在の勢力図をチェックしていきたい。今回はKEIRIN.jpで発表されている上位50名の獲得賞金を地区別に集計し、各地区の賞金状況から勢力図を考察する。(※賞金は6月9日時点)
まずは日本選手権競輪前(4/23時点)はどのような賞金状況であったのかをおさらいしていこう。
地区 | 賞金額 | 割合 |
---|---|---|
北日本 | 6059万0574円 | 6.81% |
関東 | 1億4047万3422円 | 15.79% |
南関東 | 1億6071万7918円 | 18.07% |
中部 | 5905万8548円 | 6.64% |
近畿 | 2億4242万4774円 | 27.25% |
中国 | 8208万2874円 | 9.23% |
四国 | 5780万5500円 | 6.50% |
九州 | 8640万6174円 | 9.71% |
全日本選抜競輪(GI)、ウィナーズカップ(GII)を立て続けに制した近畿勢が独走状態へ突入、それをGIIIの優勝が多い南関東勢が追う形となった。
さて、ここからは今年の勢力図をグラフで見てみよう。日本選手権競輪前(4/23時点)からどのような変化が起こっているのだろうか。そして今後さらにどのような変化が起こりそうなのかを現状の戦力から考察する。
独走状態の近畿勢を関東勢が逆転。何といってもダービー決勝のワンツーが非常に大きい。これで吉田拓矢がグランプリ確定、眞杉匠も賞金的にはほぼ確定といえる位置に付けており、年末へ向けて強力な体制が整いつつある。
もし、さらにもう一人ここに加わることが出来ればグランプリ本番も圧倒的有利な立場で迎えられるだろう。森田優弥、佐々木悠葵あたりがその枠に入ってくるかどうか見ものだ。
絶対的王者の近畿勢がまさかの首位陥落。古性優作は引き続き好成績を残しているが脇本雄太、寺崎浩平がここにきてやや成績を落としているのが原因の一つだろう。
しかし次のGI・高松宮記念杯競輪はホーム戦で負けるわけにはいかない。地元・大阪の古性、南修二らを中心に盛り立てていきたい。
南関東勢は順位としてはワンランクダウンしているが割合はほぼステイの結果に。リーダー格である郡司浩平、岩本俊介、深谷知広が安定した成績を残しているのに加えて松井宏佑もダービーで優出を果たすなど、変わらずいい状態をキープしている。
さらなる上昇のためには、松井以外にもGIクラスで郡司らの前で頑張れる選手が出てくるかどうかがカギになりそうだ。
序盤は大苦戦の北日本勢がここにきてジャンプアップ。ダービーで新山響平、菅田壱道、阿部力也の3人が優出、一時は苦しんでいた守澤太志の別府記念優勝など明るい兆しが徐々に見えてきた。佐藤慎太郎、新田祐大が戻り盤石な体制が整えば上位3強を脅かす存在となるはずだ。
中部勢はダービー前から2ランクアップで割合も微増の結果に。内訳約4割を占める浅井康太の活躍は非常に大きい。地区全体で高齢化が進みつつあるが纐纈洸翔、村田祐樹、さらに新星として注目される栗山和樹らがGI戦線に絡んでくれば明るい未来は近い。
九州勢は約3%の大幅ダウン。山田兄弟が何とか頑張ってはいるが、本来ならGIでもっと活躍できるポテンシャルを持つ嘉永泰斗、伊藤颯馬、阿部将大が不調に陥っているのが低迷の原因の一つだろう。この3人の復活まで、山崎賢人らを中心に盛り上げていきたい。
中国勢も3%近いダウンという結果に。清水裕友、松浦悠士が前半戦で苦しんだため厳しい状況だが、清水はやや復調傾向にあり、松浦も7月からS班復帰とここから逆襲できる気配はある。
この2人が万全の状態に戻れば、太田海也、取鳥雄吾ら強力な援軍とともに上昇を狙っていけるだろう。
四国勢はややダウンとなった。犬伏湧也が孤軍奮闘という状況は変わらず厳しい戦いを強いられている。松本貴治はダービー連勝など上向きつつはあるが純然たる自力型ではないため、やはり犬伏に次いで先行で戦える選手の出現が必須だ。
近況ブレイクしつつある石原颯がさらにもうひとつ殻を破ることができれば、充分現状を打破できる可能性はある。
ここまで地区別の勢力について取り上げてきたが、現在成績が振るわない地区も高松宮記念杯競輪の結果次第で巻き返しは十分可能である。最後に17日より開催される高松宮記念杯競輪の各地区の出場者数、そして各地区の出場選手の中で今年賞金上位の選手をピックアップする。
地区 | 出場選手 | 代表選手(賞金順位) |
---|---|---|
北日本 | 17 | 新山響平(7位) |
関東 | 22 | 吉田拓矢(1位) |
南関東 | 15 | 郡司浩平(4位) |
中部 | 9 | 浅井康太(8位) |
近畿 | 15 | 古性優作(2位) |
中国 | 8 | 柏野智典(26位) |
四国 | 8 | 犬伏湧也(15位) |
九州 | 14 | 山田庸平(17位) |
出場数が最も多いのは関東勢。現在のリードをさらに広げるべく吉田拓矢、眞杉以外の選手の活躍に期待だ。
地元・近畿勢はそれほど人数自体は多くないが、少数精鋭の体制でホーム戦を制したいところ。
いよいよ前半戦も最後、大会終了後に勢力図がどのように変化するのか。ぜひそのあたりも注目して大会を楽しんでほしい。