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【高松宮記念杯競輪】残りのGP切符は実質4枚、激化する賞金争いから抜け出すのは誰だ!?/GI直前賞金状況

アプリ限定 2025/06/11(水) 19:00 0 19

最高峰の賞金額を誇るGI・日本選手権競輪を終えて団子状態だった賞金争いにも徐々に差が表れ始めた。前半戦最後のGI・高松宮記念杯競輪を控えたこのタイミングで、競輪界の中心的存在であるS班の活躍と次期S班の座を狙う有力選手について獲得賞金状況から考察した。(※賞金6月9日時点)

2025年ダービー王・吉田拓矢(撮影:北山宏一)

ダービーで勢力変動、首位は1億円突破

 GIの中でも賞金最高額を誇る日本選手権競輪吉田拓矢の優勝で幕を閉じた。これにより賞金ランキングの1位は早くも1億円を突破し、年末のKEIRINグランプリ出場権争いも本格的になってきた。

 平原康多の引退などもあり勢力図が変わりつつある競輪界、前半戦最後のGI・高松宮記念杯競輪を最大限楽しむためにもこのタイミングで賞金状況をチェックしていきたい。

徐々に本領発揮のS班たち

 さて、ここで競輪界の頂点に位置するS班の賞金状況を見てみよう。4月から繰り上がってS班となった犬伏湧也を含め、賞金ランキング50位以内に入っている11選手をグラフで紹介する。

 まずS班の中で現状グランプリ圏内に位置しているのは古性優作脇本雄太郡司浩平眞杉匠新山響平の5人だ。脇本は2月のGI「全日本選抜競輪」を制し、すでにグランプリ切符を手にしている。

 古性優作はダービー王・吉田拓矢に追い抜かれて首位陥落も抜群の安定感で賞金を積み増し続け堂々の2位に位置する。

 ウィナーズカップ、ダービー準Vの眞杉匠、25年すでにGIII5度優勝の郡司浩平もさすがの安定感で常に上位をキープしており、このペースで賞金を稼ぎ続けられればグランプリ出場はほぼ確実であると言えるだろう。

順調に賞金積み増す郡司浩平(左)と眞杉匠(撮影:北山宏一)

 またダービー前は圏外だった新山響平もここにきて7位まで浮上した。近年は毎年のように賞金ボーダー上でギリギリの戦いをしている新山だが、今年は何とか一つタイトルを獲り、落ち着いて年末を迎えたいところ。

圏外のS班3人も浮上のチャンス十分

 一方、現状グランプリ圏内から漏れているのは、犬伏湧也岩本俊介清水裕友松浦悠士の4人だ。

 犬伏、岩本の2人は漏れているとはいっても10位台で上位とは僅差であり、キッカケ一つですぐ上位に食い込んでくるだろう。

 清水は50位以下ではあるが宇都宮記念では準決勝、決勝と本来のファイトスタイルではない先行勝負でも戦えているあたりを見ると復活は近そうだ。太田海也取鳥雄吾らの頑張り次第ではタイトル獲得で一撃という可能性も大いにあるだろう。

逆境に立たされる清水裕友(左)と松浦悠士(撮影:北山宏一)

 7月からSSへ繰り上がる松浦悠士は42位。しかし上昇気流に乗りつつある清水とは対照的に苦しい場面を迎えている。

 1月の斡旋停止に始まり、2月に落車。4月に2場所連続優勝を果たしようやく上向いてきたかと思われた矢先、ダービー明けの宇都宮記念で再び落車してしまった。厳しい状況ではあるが何とかここからSSとして意地を見せてほしい。

復活に燃える男たち

 またS班陥落からの即復活を狙う選手たちも奮闘している。

 深谷知広は年始から好調をキープし、現在は6位の位置に。平塚記念の決勝では南関4車の先頭を務め郡司を優勝へ誘うなど、いまだ“平成の怪物”と称された若手時代のような走りで南関を牽引している。

SS返り咲きを狙う深谷知広(左)と山口拳矢(撮影:北山宏一)

 山口拳矢はGIII、FI戦ではコンスタントに活躍しているが、GIではいまひとつ実力を発揮できていない。中部のリーダー浅井康太が好調なだけに山口も続いていきたいところ。

“次期S班”有力候補は?

 最後に、S班以外の賞金上位選手を見ていきたい。

 寺崎浩平はダービー前4位から9位へ後退。例年夏場になると成績を落としているが、賞金でのグランプリ出場を狙うには通年での活躍が必須だ。夏前のGIで一発回答できればそれが理想だが、結果はどう転ぶか。

寺崎浩平はここから再度上昇できるかどうか(撮影:北山宏一)

 年始から好調の浅井康太は8位と健闘。先日の函館決勝では前の纐纈洸翔が不発でも自力に切り替えて嘉永泰斗森田優弥を捲り切ってしまうという本当に40代なのか疑わしいほど異次元のタテ脚を見せた。

 浅井の前で頑張れる中部の若手がどれだけ出てくるかが、7年ぶりグランプリ出場への大きなカギとなるだろう。

グランプリ出場のチャンス十分の浅井康太(左)と阿部力也(撮影:北山宏一)

 ダービー決勝4着で11位までジャンプアップした阿部力也にも注目だ。ダービーの活躍が偶然でないことをアピールするかのように、次走の防府では完全優勝を果たした。

 マーク屋なのでどうしても前の頑張りに左右されるところはあるが、ここ一番で新山響平中野慎詞の番手を回ることが出来ればチャンスだ。

12年ぶりのGP出場に期待がかかる成田和也(撮影:北山宏一)

 最後に取り上げるのは現在16位の成田和也だ。近年、北日本はGIでもトップクラスの自力選手が新山、中野、新田祐大しかおらず、反対にマーク屋は佐藤慎太郎守澤太志渡部幸訓阿部力也、自力もこなせるがGIでは番手寄りの菅田壱道と、少ない自力選手を巡ってマーク屋が渋滞している状況で成田は不遇な番組に入れられてしまうことも多い。

 しかし今年は前が不発でも熟練の技術でコースをこじ開け突っ込むシーンも多く見られ、グランプリ出場の可能性も十分にある位置に付けている。12年ぶりに“職人”成田が年末の大きな舞台に立つ姿を楽しみに待っているファンは多いはずだ。

高松宮記念杯競輪が行われる岸和田競輪場(撮影:北山宏一)

 上位5人がほぼ当確であると考えれば、KEIRINグランプリへの切符は実質あと4枚。今回の高松宮記念杯競輪で新たにグランプリ切符を手にする者が現れるのか、それとも上位勢がまたもやタイトルをかっさらっていくのか、激化するグランプリ争いから目が離せない。


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