アプリ限定 2025/04/18(金) 12:00 0 9
2025年に入りすでにビッグレースを2大会消化。それによって獲得賞金状況にも徐々に変動が発生している。出場選手数、賞金共に最高峰のGI・日本選手権競輪を直前に控えたこのタイミングで、競輪界の中心的存在であるS班の活躍と次期S班の座を狙う有力選手について獲得賞金状況から考察した。(※賞金は4月14日時点)
25年に入り全日本選抜、ウィナーズカップと早くも2つのビッグレースが終了。「もうダービーかよ!? 早いな〜」と感じているファンの方も多いのではないだろうか。すでに賞金争いは盛り上がり、1位の古性優作は早くも5000万円以上の賞金を稼いでいる。
GIの中でも最も賞金の高いダービーを最大限楽しむためにも、いったんこのタイミングで賞金状況をチェックしていきたい。
さて、ここで競輪界の頂点に位置するS班の賞金状況を見てみよう。4月から繰り上がってS班となった犬伏湧也を含め、賞金ランキング50位以内に入っている11選手をグラフで紹介する。
まずS班の中で現状グランプリ圏内に位置しているのは古性優作、脇本雄太、郡司浩平、眞杉匠の4人だ。
24年のKEIRINグランプリ覇者・古性優作はウィナーズカップの優勝によって脇本雄太を抜いて1位に躍り出た。
そのウィナーズカップで古性に次いで準Vの結果を残した眞杉匠は20位(3/14時点)から6位までジャンプアップ。1月にあっせん停止を受けていた不利を早くもリカバリーした。
一方、現状グランプリ圏内から漏れているのは、新山響平、犬伏湧也、岩本俊介、清水裕友、平原康多の5人だ。
新山、犬伏、岩本の3人は10位台で上位とは僅差。きっかけ一つでいつでも上昇を狙える位置につけている。中でも犬伏は北井に代わって繰り上がりでのS班のため、グランプリはまだ未経験。自力での赤パン、グランプリ出場を目指したい。
清水は肺血栓の影響もありウィナーズカップ前の時点では50位圏外だったが、高知記念の優勝もあり33位までアップ。復調気配にあると考えていいだろう。
心配なのは平原だ。今年に入ってすでに3度の落車、ウィナーズカップを欠場し賞金は50位圏外と苦しい戦いを強いられている。しかし昨年制したダービーの舞台でスーパースター平原康多が復活する姿を、ファンは心から待ち望んでいるはずだ。
前S班組で返り咲き最有力なのは賞金3位の深谷知広だ。今年はすでに3度の優勝、そして一度も優出を逃していない抜群の安定感でグランプリ圏内をキープしている。腰痛と膝靱帯の損傷を訴えているのが気がかりではあるが、経験豊富な深谷ならその課題もクリアしてくるのではないだろうか。
同じく前S班の松浦悠士は49位に甘んじているが、1月はあっせんが止まっており、2月の静岡記念では落車の影響を受けてのこの順位。ウィナーズカップ前は50位圏外であったため、じわじわと上昇気流に乗り始めている。
一方で経験豊富な北日本の元S班組である佐藤慎太郎、新田祐大、守澤太志は3人とも50位圏外。佐藤は骨盤骨折、守澤は昨年から度重なる落車、新田はあっせん停止と苦しい状況に陥っているが、今年はグランプリで新山響平を一人にしないためにも何とかこの状況を打開したいところ。
最後に、S班以外の賞金上位選手を見ていきたい。
今年に入って衝撃的に強さを幾度となく披露している寺崎浩平は4位。グレードレースの優勝こそまだ一度もないものの、「初タイトルに最も近い選手は?」と聞かれて寺崎の名前を挙げる人は多いのではないだろうか。競輪界トップクラスの自力脚を活かしてグランプリへの道を切り開きたい。
グランプリ優勝2回の輝かしい実績を誇る浅井康太は現在、グランプリ出場圏内の9位に。41歳になり番手を回るシーンも増えてきたが、いざとなった時に繰り出す捲りはまだまだ全盛期さながらの鋭さだ。冬の時代と言われている中部地区だが、前の選手の頑張り次第で7年ぶりのグランプリ出場への道が見えてくる。
最後に取り上げるのは現在13位の松井宏佑だ。23年の競輪祭決勝では眞杉匠に屈して2着の賞金10位、24年も地元・平塚のオールスターで優出するも4着に敗れるなど何度も悔しさを嚙みしめた。そして今年のグランプリの舞台は松井の地元・平塚競輪場、今年こその思いで悲願のグランプリ出場を叶えられるか。
29日に開幕する日本選手権競輪。GIのなかでも最も高額な賞金がかかる“ダービー”の結果次第で賞金ランキングは大きく動く。最高峰の戦いを経て、グランプリ出場権を得るのは誰なのか? 賞金争いでリードするのは誰なのか? 熱い戦いに注目したい。