負けても簡単には帰らない。それが松浦悠士の良いところ。「ファンに車券で迷惑をかけた事は素直に謝りたい。もちろん、優勝を狙って来た訳だし、負け戦を走るのは精神的にきつい。だけど、上にいる立場として、安易に帰る姿は後輩達にも見せたくないので」。

　ここで、ひとつエピソードを聞いた。「小松島記念で負けた時、町田太我から帰らないんですかと言われた。なんで? と聞いたら、S班は負けたら帰るもんだと思っていると言われた。おいおい、それは違うだろ! と叱責しましたよ(笑)」。

　自分らが高い商品価値だと思っているから、常に責任のある走りと言動。最近、負けても帰る選手が少ないし、落車しても走る選手が多いのは、良い意味での“松浦効果”があるからだ。(町田洋一)