閉じる

【ウィナーズカップ】初出場・池野健太のスポーツマンシップに感動!/ケイリン女子部・二宮歩美の前検日レポート

2025/03/19(水) 20:15 0 6

ウィナーズカップ(GII)」が20日、伊東温泉競輪場で開幕します。今回はケイリン女子部・二宮歩美部長による前検日レポートをお届けします。

 前橋ミッドナイトが終わり、一夜明けたら一面、銀世界! 3月中旬にもなるが、また冬に逆戻り!

冬に逆戻りの銀世界(photo by:前橋実況の平山信一さん)

 無事に伊東温泉競輪に辿り着けるか心配しましたが、ちょっとした電車遅延で済み一安心。それどころか伊東駅まで到着したら太陽すら出ていて、むしろちょっと温かさまで感じて、まるで別世界。この寒暖差は直接、走る選手のバンクコンディッションやウォーミングアップに影響があるかも。今だと花粉症の方も大きく影響してくる時期ですよね。今日の前検日の共同インタビューでもまさにそのキーワードが飛び出た選手がチラホラ。

「(バンクのイメージを聞かれて)温かい時はいいイメージ、寒い時期はあんまり……」

脇本雄太(写真:著者提供)

 とのコメントが飛び出てきたのは今年最初の全日本選抜競輪(GI)でついにグランプリスラマー(6つのGIとGPを制覇すること)を達成した脇本雄太選手。「獲るまでは長く感じ、獲ってしまったら短くも感じた」とちょっと前に振り返っていたのが印象的だった。

「改修の影響でバンクを使えず、3日くらいしか入れなかった。室内練習を中心に試していることがあるけれど、まだ試走段階なので」と話していたが、きっと今年は早くもグランプリへの切符を手にしたからには、もう次のステージを見据えてきっと練習や試してみたいことがあるはず。腰の持病とうまく付き合いながら限られた競走の中で最高のパフォーマンスの引き出し方も極めている脇本選手。これも35歳を迎え、たくさんの経験を積んだからこその熟練の技! 今回は近畿勢のバックアップ役にも回ってくれそうな予感で目が離せない。

「花粉症と喘息で3日休みました。セッティングは前回、いい感じに出たので(そのまま弄らずに)。このバンクは記念初決勝に乗ったのでイメージがいい。初日は伊藤颯馬選手の番手を回るが番手は片手で数えるほど。そーまのダッシュに(ついていき)迷惑をかけないように」

林慶次郎(撮影:北山宏一)

 と話すのは最終12Rの特別選抜予選を走る林慶次郎選手。確かに最近、私も含め花粉症or風邪のコンボに悩まされている人が続出! 咳き込んで声の調子がおかしくなったり、夜も咳で十分に睡眠が取れなかったりすることも……(涙)。私もランニング(やダイビングもですが)を始めてから呼吸の大切さを知り、いかに安定した呼吸が出来るかで体力の消耗の仕方も変わりますし、持久力にも関わってくるので一大事!

 更に言うと呼吸が乱れると、ゆとりがなくなって判断力も低下してくることもあるので要注意! 明日からは日に日に暖かくなり、最終日はなんと最高気温22度の予報で、果たして花粉の行方はいかに!? この時期は花粉症との闘いも出てくる選手が続出するので、花粉情報も予想の参考に加えてみるのも手かも!?

 そして個人的にコメントとして面白かったのが10Rで別れてそれぞれ単騎になった中近勢2人! まず最初に出てきたのは私が今回、注目選手で挙げた藤井侑吾選手。

藤井侑吾(写真:著者提供)

静岡G3の最終日に足がパンパンに腫れて蜂窩織炎(ほうかしきえん)で走れなくなってしまった。次の日には病院に行って1週間の入院。それで地元の大きなレース(豊橋GI・名古屋記念)を欠場することに……。それから3週間、練習をして悪くはない。久々の実戦でまさかの特別選抜予選スタートとは! 予選からだと思っていたので(嬉しいです的な表情)いつも通りの練習も出来た。当地は去年の始めナイターでめちゃくちゃ走りやすいと感じた。池野さんも自力でやりたいとのことで単騎に。単騎はよくもあり悪くもありって感じです。復帰戦なので自力で出し切りたい」

 中部の有力な自力選手として注目していて、今年はそろそろ記念優勝にも手が届きそうなところまで来ているイメージ。それだけに静岡の途中欠場は何が起きたのか心配していて早く本人から事情を聞きたかったので一安心。さすがに地元の大きなレース2つを急遽休まなくてはならなくなったのは大きな痛手で、その分をとにかく巻き返したい気持ちが強い中でのサプライズ特選は気持ち的にも大きそうで私も一安心。そしてその藤井選手との別線を選択した池野健太選手のコメントがまた良かったんですよ!

池野健太(写真:著者提供)

「近況、よくなってきている。“継続は力なり”ですね! 計画通りトレーニング出来た。今まで中部の選手についたことがないけど……。藤井選手はそれを越えるくらい魅力的で……、だけど、ほとんど自力の力で勝ち取った今回の特選なので、自分で戦いたいという気持ちが最終的な決め手になった。単騎はよくも悪くも」との話を聞いて私の中で熱い思いが湧いてきた。

 まず自分も動ける中、藤井選手のことをそこまで魅力的な選手だと思っていて、今までの自分のスタイルを変えようかとすら思えるくらいのターニングポイントに遭遇したような気がして嬉しくなっちゃいまして。その中でもGII初出場でやっぱり後悔したくないし、今までやってきた自分のスタイルでやっていきたいと覚悟を決めたこと。

 認めている選手を味方につけることも出来た中で共に力を出して戦うことを選択したスポーツマンシップに胸を打たれました。ぶっちゃけ、ここには他にも眞杉選手や深谷選手、取鳥選手といて、ただでさえモンスターだらけの番組なのに、一人で大冒険を決めた姿を最後まで見届けたくなってしまった。そのモンスターたちにも色々、話を聞いたのでまた掲載出来るチャンスを探ります!

閉じる

新着競輪ニュース

ニュースランキング

ニュース&コラムを探す

検索する
投票