2021/09/14(火) 18:00 0 2
前検日、“よっしー”の文字が入った赤いレーサーパンツを履いた川越勇星が検車場をウロウロしていた。
「これですか? 父親のお下がりっす(笑)」
川越の父親は特別競輪の常連でもあった川越義朗さん。ワイルドな風貌ながら実は優しい“オヤジ”で、多くの選手や関係者から慕われていた神奈川の重鎮だ。
「父親は今、コンビニのオーナーをやってますよ。あんまり店には出ていないみたいですけどね(笑)」
A級暮らしの川越は「来期はたぶんS級に戻れるし、これ(赤パン)を長くはけるように今期もしっかりS級点を取りたい」と高いモチベーションで今期の戦いに臨んでいる。初日こそ「判断ミスがあった」ため5着に敗れたが「反応は良かったし脚自体は良いと思う」と感触は上々。
ただ、15日の準決勝はスター候補の上杉嘉槻との2分戦。
「なんかそんな気がしたんですよ…。完全に貧乏くじを引きましたね(苦笑)。えっ、(上杉に)プロの厳しさを教える!? いやいやいや、大きなことを言って返り討ちに遭ったら恥ずかしいので。とにかく“頑張ります”とだけ(笑)」
そうは言っていたが、少しだけ自信ものぞかせていた川越が、S級でも勝ち負けをしていた底力を発揮してルーキーに立ちはだかる。(netkeirin特派員)