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【全日本選抜競輪】優勝のカギはどこにある? 直近トレンドは「オールラウンダーの番手回り」が最強か/G1データ考察

アプリ限定 2025/02/19(水) 12:30 0 14

21日から豊橋競輪読売新聞社杯全日本選抜競輪が開幕する。年明け一発目のGIシリーズを制するのは誰になるのか? 今回は過去10年のデータを眺めて“優勝パターン”などを考察した。(構成:netkeirin編集部)

全日本選抜の優勝者は「1月2月に好成績を出してシリーズ入り」

2025年も抜群の安定感で勝ち星を積み上げている郡司浩平古性優作(写真提供:チャリ・ロト)

 年明け最初のGIシリーズ「全日本選抜競輪」の優勝者データを紐解くと、年明け〜開催までの期間に好成績を残してシリーズ入りしている傾向が色濃い。10年分をまとめると下記のような具合である。

開催年優勝者シリーズ前実績
2024郡司浩平川崎記念優勝
2023古性優作和歌山記念準優勝、豊橋記念準優勝
2022古性優作高松記念準優勝、和歌山記念決勝4着、奈良記念決勝8着
2021郡司浩平立川記念決勝5着、松山記念決勝4着
2020清水裕友立川記念優勝
2019中川誠一郎和歌山記念決勝4着
2018新田祐大
2017平原康多大宮記念優勝、立川記念決勝3着
2016渡邉一成
2015山崎芳仁広島FI決勝3着

 2018年の新田祐大、2016年の渡邉一成に関してはナショナルチームで活動していたため、該当年の1月2月に出走歴なし。それを踏まえると新田・渡邉以外の8名全員が全日本選抜開催前のシリーズで決勝進出しており、うち6名が確定板を捉えている。このことからも全日本選抜競輪の優勝者を予想する材料として、年明け〜開催までの成績データはきわめて重要な指標になっている。

100%の選手が3名! 勝ち上がり予想の参考にしたい“3連対率”

 当然だが、決勝に駒を進めなくては優勝も何もない。そこで参考にしたいのが「3連対率」だ。一次予選こそ4着までの勝ち上がりだが、(スタールビー賞を除き)二次予選と準決勝は3着以内が勝ち上がり条件。

 あくまでもデータ上の話だが、「3連対率が高い選手=決勝進出の可能性が高い」と仮説を立てても良いだろう。そこで、年明けからの7つの記念開催で決勝3着以内に入っている好調選手たちの1月2月のみの「勝率・連対率・3連対率」を並べた。

選手名勝率連対率3連対率
山口拳矢40%50%60%
郡司浩平75%81.2%87.5%
平原康多0%22.2%44.4%
古性優作41.6%66.6%91.6%
松本貴治30%60%60%
山田英明40%60%80%
佐々木悠葵25%50%50%
寺崎浩平42.8%100%100%
佐々木眞也38.4%46.1%61.5%
山田庸平0%50%50%
岩本俊介50%87.5%100%
成田和也0%76.9%92.3%
犬伏湧也50%70%100%
松井宏佑20%40%80%
三谷将太25%37.5%50%
深谷知広25%37.5%75%
河端朋之50%50%87.5%

 各選手ともに高い3連対率を誇っているが、寺崎浩平岩本俊介犬伏湧也が100%の3連対率を打ち出しており、寺崎に関しては連対率までも100%である。犬伏、寺崎ともに昨年はGI決勝で存在感を示し、ファンは「そろそろ獲るか」の視線を向けているだろう。両選手ともに上昇ムードが漂う今、新たなタイトルホルダー誕生があるかもしれない。また昨年も序盤戦は絶好調だった岩本俊介はS班の立場になった今年も安定。勢い止まらぬ南関東の柱になっている。

ここまで3連対率100%の寺崎浩平岩本俊介犬伏湧也(写真提供:チャリロト)

 直近4年の全日本選抜競輪では郡司浩平古性優作が2回優勝している。両選手ともに開催相性の良さに加えて、今年も好調を維持しており、3連対率は郡司が87.5%、古性が91.6%と驚異的な数値を叩き出している状況だ。2人ともS班につき、F1シリーズを含まない出走履歴でこの数字であるから、今開催の勝ち上がり失敗は非常に考えにくい。

 賞金ランキング1位・2位に君臨している郡司と古性。今年もどちらかの選手が優勝し、3度目の栄冠を手にする可能性は高い。ちなみに抽出選手の中での勝率は郡司浩平の75%がトップ。南関東のエースがスタートダッシュに成功し、現状ぶっちぎりで暴れている。

直近5年の勝利パターンは「オールラウンダーの番手回り」が圧倒的

 続いて、優勝者の「ライン構成」と「位置」および「決まり手」を見ていこう。

選手ライン構成位置決まり手
郡司浩平逃-両-追番手差し
古性優作逃-両-両番手差し
古性優作両-両先頭差し
郡司浩平逃-両-追番手捲り
清水裕友両-逃番手捲り
中川誠一郎両(単騎)先頭(単騎)逃げ
新田祐大逃(単騎)先頭(単騎)捲り
平原康多両-両-追-両先頭差し
渡邉一成逃-逃-追-両番手差し
山崎芳仁両-両先頭捲り

 過去10年において優勝者が出るラインは4車が2回、3車が3回、2車が3回、単騎が2回である。ラインの長さによる有利不利はデータ上あまり目立っていないが、追込選手の優勝がないのは特徴的。脚質で言えば「両」の選手が目立っており、ラインの先頭でも番手戦でも結果を残せる“オールラウンダー”が多い印象だ。

最強のオールラウンダーの呼び声高い古性優作、全日本選抜は連覇している相性の良い開催(写真提供:チャリ・ロト)

 また直近5年に絞れば、単騎での優勝者はなく、「番手選手」の優勝率が90%。決勝における“ラインの力”の影響は大であり、同地区の選手たちが一緒に勝ち上がることで優勝の確率は上昇すると見ていいだろう。

 今年1月〜2月に行われた7つの記念開催のうち、4つのシリーズで南関東が優勝している。決勝確定板数も南関東が群を抜いている。郡司浩平佐々木眞也岩本俊介松井宏佑深谷知広といった好調選手は特に“気配良し”と読むべきだろう。

地元記念を制し勢いを増して故郷のG1に乗り込む深谷知広(写真提供:チャリ・ロト)

 また、決まり手に関してだが、とにもかくにも「逃げ」が決まらず、10開催で中川誠一郎の1本だけである。さらには冬の豊橋バンクは先行選手が強風に悩まされるといった情報もあり、逃げ切り優勝の難易度は高めか。S級9車のレースに絞った豊橋バンクの「1着の決まり手」をぜひ参考にしてみて欲しい。

逃げ捲り差し
12%40%47%

上位選手の「出走なし」の影響はいかに

 2025年序盤について、「上位選手の出走が少ない」といった特徴が挙げられる。あっせん停止、病気欠場など理由はさまざまだが、トップ選手がグレード戦線を順当に戦えていない状況がある。現SS班、旧SS班に限定すると以下のとおりである。

選手名出走回数備考
眞杉匠41月あっせん停止
平原康多9大宮記念途中欠場(落車)、奈良記念途中欠場
北井佑季7立川記念途中欠場、静岡記念、全日本選抜競輪その他欠場
脇本雄太4高松記念、奈良記念病気欠場
清水裕友2立川記念途中欠場、高松記念、静岡記念病気欠場
松浦悠士31月あっせん停止、静岡記念途中欠場(落車)
佐藤慎太郎10松阪記念落車棄権、全日本選抜競輪負傷欠場

 5年前の全日本選抜競輪は豊橋開催であり、松浦悠士の番手から清水裕友がGI初優勝を決め、まざまざとファンにラインの絆を知らしめた。しかし今年は両選手ともに実戦が少なく、本番の調子が懸念される。中国ファンも心配しているところではないだろうか。

 また北井佑季がその他欠場、佐藤慎太郎が骨盤骨折による負傷欠場と、こちらも所属地区に影響力の強い大駒が不在となった。平原康多の落車後の状態も心配であり、上位陣のイレギュラーが一発目のGIにどのように影響してくるのかは未知数だ。

 そんな中、今年大宮記念のみの出走となっている脇本雄太は2場所病気欠場してのGI戦だが、グランドスラム達成のかかる重要な一戦になる。データ上は直近成績好調な選手が活躍する傾向が強いと分析したが、データ傾向などぶち壊しての偉業達成を楽しみにしたい。ちなみに脇本雄太は2010年と2023年の2回豊橋記念を制しているため、相性が良いバンクと言えそうだ。

欠場明けとなるが、偉業達成のチャンスが訪れている脇本雄太(写真提供:チャリロト)

考察まとめ

①決勝はライン有が優勢
⇒直近成績は南関東の選手が勝ち上がる確率が高い

②勝ち上がり濃厚な3連対率100%選手が3人
寺崎浩平岩本俊介犬伏湧也が今年確定板を逃していない

③決勝はラインの番手回りにチャンス大
⇒脚質「両」のオールラウンダー型選手の実績が特に高い

④上位陣にイレギュラー多く、その影響に注意
⇒勝ち上がりにおけるライン構成や並び(順)にも影響する可能性

⑤グランドスラム達成に王手の脇本雄太
⇒二場所欠場明けになるためコンディションは未知数だが、豊橋バンクを得意とする脇本雄太の偉業達成には大注目

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