2025/02/05(水) 12:00 0 3
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週は125期のルーキーが見せた先行にかける思いの好プレーをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
奈良競輪場のミッドナイトFIIの最終日、2月3日。7Rチャレンジ決勝にビッグマンがいた。「BIGIMAN!」。藤井優希(26歳・山口=125期)は「競輪を盛り上げたいんです!」という一心で、ともすれば「新人が何をやってるんだ」と言われるかもしれないが、燃えるパフォーマンスを披露している。
“走り”がそれを支えている。すでに多くの先行がカッコいい好プレーだったが、今回の奈良決勝はさらに輝いていた。突き抜けていた。
125期が6人という構成で、藤井には同県の沢田勇治(35歳・山口=98期)が付けて唯一のラインができた。「譲るわけないでしょう!」。先行にかける思いは、森閑とした古都バンクを焦がした。
“熊本の隠れた鬼才”小山峻汰(24歳・熊本=125期)が早めから藤井にふたをする。藤井は動じず、3番手内でじっと我慢。ここは冷静に、小山が仕掛けることを読んでいた。小山に藤原夏志(27歳・大阪=125期)が続いて2車出切ったところ。
ここしかない。先頭に立った小山が後ろを確認するそのタイミングを逃さなかった。
競輪には「先行できるのは1人」という言葉がある。今はその言葉を噛みしめたい。岡部陸斗(24歳・栃木=125期)の巻き返しを封じ、最後は迫ってきた“マッチョマン”水谷亮太(27歳・愛知=125期)から逃げ切った。★は3つ。藤井には通常運転だろう。
ラインがあったこと、も有利に働いたかもしれないが、それを実践することはやはり好プレーの道。派手だが、堅実に自分の信じる道を進む姿を応援しよう。
すごいで賞=★★★☆☆(星3つ)