2021/09/07(火) 11:00 0 2
吉永和生が絶好の展開をモノにした。前受けの和泉尚吾が突っ張って逃げると、別線が4番手でずっと併走するこれ以上ない流れに。あとは和泉をかわせばいいだけ。余裕を持って差したように見えたが、これが実に1年以上ぶりの1着だった。
「和泉君のおかげです。去年の8月に腰のヘルニアになって、足首がしびれたりしてしまって…。その直前から勝てていなかったから、1年以上は勝てていませんでした。うれしいですね」。
7月から3年半ぶりにA級落ち。4場所走ったが車券に絡めたのは2着だった1走だけ。苦しい戦いが続いていたが、5場所目にしてようやく久々の白星となった。
「体の状態が良くない頃は、ほとんど離れちゃっていた。練習もセーブするしかなかったし、キツかった。だいぶ練習もできるようになってきて状態もちょっとずつ良くなっているけど、まだ体に気を使いながらになりますね」
結果が最大の良薬ではないが、気持ちの面でも大きな1着となった。そして吉永を支えるのはS級S班の後輩の言葉だ。
「松浦悠士が『あきらめたら終わりですよ』って言ってくれて。ペダリングも教えてくれるんですよ。感謝してます。彼は本当に研究熱心。また一緒に走りたい。そのためにもまたS級に戻らないと」。
S級S班にまで上りつめた後輩の背中を追って、吉永の反撃が静かに始まった。(netkeirin特派員)