2021/09/02(木) 13:00 1 7
数々のタイトルを総なめにして、現在は人気評論家として活躍している山田裕仁氏。当サイトでのコラム「すごいレース回顧・あってはならない話し」が話題を集めている。
小田原記念の決勝で、松井宏佑を差せなかった田中晴基のレース回顧だ。そこで田中晴基自身に話しを聞いてみた。
「まだ、山田さんのコラムは見ていないし、帰ってから読んでみないといけないですね。競輪界に多大なる功績を残した先輩の言葉ですから。まず批判の声があったことに関しては、素直に反省しています。ただ、今日のレースもそうだけど、周りから必要以上に余裕があるように見られている。自分では必死だし、今日の3着も紙一重でした」。
車間を切って抜けなかったり、後ろを確認して抜けないと、ファンの怒りが大きくなるのは確か。個人的に、これは批難出来ないと思っているし、またどこかで書きたい。
「普通に考えてナショナルチームの松井君の1周カマシを抜くのは簡単なことではない。しかも短走路の小田原競輪場。競走得点も、あの時点では10点ぐらい差があった。まずは、踏み出しで付いて行けるかどうかの勝負。そこに集中していたし、抜ける感覚もなかった。僕に自力のイメージが残り、田中なら差せると思ったファンに対しては申し訳ない」。
そして、ここから核心部になるが「無意識だけど、必要以上に後ろを確認する癖がある。マーク屋宣言したので、どうしても捲りを止めたいと言う気持ちも強くなっている。だけど、選手になって一度も抜ける展開で、抜けなかったことはないし、1着を取りに行くのが僕のスタイルだし身上です」。
普段は温厚だが、南関同士の競りもあったし、かなりのファイターで漢字の競輪選手。
「先行、自在、今のレースと、昔から僕のレースを見てくれているファンは、その過程や走りは理解してくれると思っています」。田中の性格や走りからも、“南関のオグリュー”と認めさせるのも近いはずだ。(町田洋一)