アプリ限定 2024/12/24(火) 18:00 0 12
12月30日に静岡競輪場で開催される「KEIRINグランプリ2024(GP)」。17日の記者会見で、車番と並びが発表された。これを受け、過去3年分のGI戦績と位置別データを分析。レースを優位に進められそうなのは誰だろうか?
▶︎KEIRINグランプリ出走表
まずは過去3年のGI決勝での成績を比較してみよう。ビッグレースで好成績を残している選手が集うグランプリだが、今年は少ないチャンスを射止めた選手が多く、場数にも成績にもムラが見られる。
GI決勝に勝ち上がれているかという“場数”、そこでの“成績”双方で他地区を大きくリードしているのが近畿コンビだ。古性優作はこの3年で二桁15回のGI優出と脅威の安定感を誇り、脇本雄太も次点となる9回優出している。
GI優勝回数も古性が7回、脇本が3回とツートップ。古性は3連対率も高い一方で、脇本は連に絡んだ3回はすべて優勝というやや極端な成績となっている。
過去3年のGI決勝成績
選手名 | 回数 | 勝率 | 2連対率 | 3連対率 |
---|---|---|---|---|
古性優作 | 15 | 46.7% | 53.3% | 66.7% |
平原康多 | 6 | 16.7% | 16.7% | 16.7% |
郡司浩平 | 7 | 14.3% | 28.6% | 28.6% |
眞杉匠 | 4 | 50% | 50% | 50% |
岩本俊介 | 1 | 0% | 100% | 100% |
清水裕友 | 5 | 0% | 40% | 40% |
北井佑季 | 2 | 50% | 50% | 100% |
新山響平 | 8 | 12.5% | 12.5% | 25% |
脇本雄太 | 9 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
近畿勢のほかにGI決勝回数が多いのは新山響平と郡司浩平だが、二人とも優勝は1回のみで3連対率は3割を切っている。
勝率や3連対率が高いのはGI決勝回数が少ない選手が多い。北井佑季は今年初のGI優出を果たした全日本選抜で3着、2度目のGI決勝となった高松宮記念杯で優勝しグランプリに乗ってきた。3連対率は100%だが、その2回以外は決勝に進めていない。
眞杉匠は脇本と近い成績で、過去3年で4度GI決勝を走り、2023年に2度GI制覇しているため勝率5割。ダービー準優勝でグランプリ初出場を決めた岩本俊介は、キャリア16年でこれが初めてのGI決勝。その1回を2着となり3連対率を100%としている。
次に17日の記者会見で発表された並びをもとに、各選手の位置別成績を表にまとめた。
基本的には「いつも通り」の位置を回る選手が多いので、3連対率は6割超えが多数。その中でもデータ上優勢なのは脇本雄太だ。ラインの先頭を任されたレースの6割以上を制しており、7割以上の確率で車券に絡んでいる。
番手回りの選手は2連対率の高さが目立つ。古性優作と郡司浩平はいずれも2連対率が6割を超えており、どの選手を本命視するにしても車券には欠かせないだろう。
過去3年の位置別成績
選手名 | 位置 | 勝率 | 2連対率 | 3連対率 |
---|---|---|---|---|
古性優作 | 番手 | 36.4% | 60.6% | 75.8% |
平原康多 | 番手 | 36.1% | 53.6% | 64.5% |
郡司浩平 | 番手 | 45.2% | 60.3% | 68.5% |
眞杉匠 | 先頭 | 33.3% | 52.4% | 64.1% |
岩本俊介 | 3番手 以降 | 0% | 0% | 0% |
清水裕友 | 単騎 | 20% | 20% | 20% |
北井佑季 | 先頭 | 43.2% | 62.2% | 71.2% |
新山響平 | 単騎 | 40% | 60% | 60% |
脇本雄太 | 先頭 | 62.8% | 73.8% | 75% |
唯一の3車ラインとなっている南関勢は、表の数字だけで判断するには注意が必要かもしれない。北井佑季は過去3年で278レースを先頭で走っているが、この成績にはFI戦やG3予選など北井が圧倒的に格上となるレースも含まれている。強い先行選手であることは間違いないが、この頂上決戦では展開の推理が不可欠だ。それでもGI決勝で3着(Bは新山響平)の実績もあり、“押さえておく”かは大事なポイントだろう。
さらに南関3番手を固める岩本俊介は、普段は自力戦が主戦法で3番手を回るケースはほとんどない。過去3年で5レースだけあり、すべてて着外となったため表内の数字は「0%」が並んでいるが、先行が有力なラインの3番手ならば軽視するべきではないだろう。
気になるのが単騎勢の成績。今回は新山響平と清水裕友が大一番で単騎戦を選択している。
どちらも強い自力選手で、単騎戦を苦にしなさそうなイメージを抱く。しかし実際に成績を見てみると数字には開きがみられた。
清水は過去3年で単騎戦は10回、1着が2回で着外が8回という結果。新山は単騎戦5回で1着が2回、2着が1回、着外が2回という成績だ。レース数は少ないものの、新山のほうが好成績を残している。
ただ過去の成績から『二人とも単騎で1着が取れる』ということが見えたともいえる。二人とも外枠からのレースになるが、何もせず終わるとは考えにくい。流れを見極め“豪脚”を炸裂させるだろう。
すでに競輪界は“グランプリ一色”と言っていいほどの盛り上がりだ。競輪ファンはもちろんのこと、普段車券を買わない人も、年末の大一番はいろいろな情報を集めながら車券推理を楽しんでみてほしい。