2024/12/21(土) 12:00 0 0
毎年12月30日に開催される『KEIRINグランプリ』。2024年は静岡競輪場で開催されます。
1985年に行われた第1回(優勝・中野浩一氏)を皮切りに、毎年語り尽くせないほどのドラマが生まれているグランプリ。netkeirinでは読者のみなさまに『忘れられないグランプリ』と題したアンケートを実施しました。
たくさんの読者のみなさまにご協力いただき、思い思いのエピソードをお寄せいただきました。こちらでは、アンケート結果上位と編集部に届いた『忘れられないエピソード』をランキング形式でご紹介します! 果たして1位に輝いたのは…?
1,300件を超える回答は割れ模様に。全体の5.74%となる78票を集め、第6位に入ったのは和田健太郎が優勝した『KEIRINグランプリ2020(平塚)』。
レースは平原康多とサプライズ連係した脇本雄太が逃げる展開。最終バックからの激しい攻防で前団がもつれると、なんと和田の目の前のコースが開く。迷いなく突っ込んだ和田が初出場初優勝を挙げ、3連単はKEIRINグランプリ史上最高配当となる22万1650円となった。
「最終周回の2センターでまるで神様が和田を優勝させたいかのように道が一気に開けたから」
「初めてのグランプリで10万円以上払い戻しを受けた。出場選手紹介で和田選手が『車券買ってください!』とコメントしていたのをきっかけに、4番アタマの車券を買い足した。最後インが開いた展開も含めて本当に運命を感じた」
「シャレで買った4番のワダケンだったはずなのに最後の追い込みの鋭いこと!いつの間にか来てガッツポーズしてた。シビレタ」
「脇本-平原のサプライズ連係は当時のファンは皆驚いたと思う。そして肝心のレースで平原が直線前にタテではなくヨコへ動いたのが本当に衝撃だった。平原がレース後に言っていたが、『あそこで仕事をしないと番手を回っている資格が無い』というニュアンスのコメントを見て、これが競輪の面白い所であり素晴らしい所だと思った。ライン戦を全うしようとした平原の姿が印象的で、結果的に本命選手が共倒れの形になり、伏兵の和田健太郎が恵まれたのも競輪の深みだなと感じた」
(協力:公益財団法人JKA 提供:平塚競輪場)
全体の7.28%を占める99票で第5位にランクインしたのは2022年に引退した村上義弘さんが単騎で優勝した『KEIRINグランプリ2012(京王閣)』。
“先行日本一”として鳴らし、2度のグランプリ優勝(2012年、2016年)を経験している村上さん。2012年のグランプリは直前の練習で落車し、肋骨を骨折してしまう。大雨のなか、満身創痍かつ単騎で挑んだグランプリは最終周回、3番手から捲りを決め劇的V。この“魂の走り”は多くの人の心に刻まれている。
「雨中の単騎、骨折明け魂の走り。 初めて車券を買って、車券の勝ち負けは覚えてないけど村上の走りだけは覚えている。自分が競輪にハマったきっかけとなるレース」
「骨折しながらも優勝して、トウカイテイオーみたい」
「コメントが良かった『魂の走りをします』本当に魂の走りでグランプリを制覇したのは、素晴らしい」
「自分が村上義弘選手の競輪道に強く感銘を受けていることも大きいが、あの豪雨の中、3番手で様子を見ず、直ぐに仕掛けたあの判断と行動力には、感動させてもらいました。弟のG1、GP優勝に貢献しまくったお兄ちゃんがやっと獲った! 涙が出ました」
「大雨の京王閣… 直前の練習で落車し、肋骨を骨折したままの状態で出走。単騎切れ目からで道中中部ライン後ろの3番手追走から、深谷の先行に乗り打鐘後から最終ホームをそのまま中部ライン後ろの3番手で通過し、最終2コーナーで捲りを打ちそのまま成田の強襲をしのぎ優勝…。単騎での優勝も劇的だしあの魂の走りは生涯ベストレースと言っても過言ではないレースだった!!」
(協力:公益財団法人JKA 提供:京王閣競輪場)
今年のグランプリ開催地で行われた『KEIRINグランプリ2021(静岡)』が全体の8.24%となる112票を集め4位にランクイン。優勝した古性優作はこの年から4年連続のグランプリ出場を控えている。
レースは唯一の3車だった関東ラインを追走していた古性が、2段駆け態勢の関東勢の上を捲り独走V。この年の「オールスター競輪」でGI初タイトルを獲得した古性が、勢いそのままに初出場初優勝を挙げた。4番車、単騎で捲った古性の姿に、前述の村上義弘さんを重ねたファンも多かった。
「初GIタイトルからの初グランプリでの初優勝。やはりここを優勝してからの古性の快進撃は驚かされる。まさに立場が人を変えるじゃないけどこの優勝から凄みが増した」
「はじめて見たグランプリ。このレースで古性選手に脳を焼かれた」
「単騎で青の4番車。村上義弘選手を彷彿とさせる完璧なレース運び」
「初めて買ったグランプリ車券が的中。 関東の二段駆けを粉砕した単騎古性の捲りが衝撃だった」
「最終バックのあの場面で、単騎で捲りに行く度胸とあの鮮やかさは今でも鳥肌が立つ」
全体の8.38%となる114票を集めた3位に入ったのは佐藤慎太郎が令和最初のGP覇者に輝いた『KEIRINグランプリ2019(立川)』。
レースは新田祐大と佐藤の北日本勢が前受けするが、残り2周を過ぎても動きはなし。打鐘過ぎに脇本雄太が一気に仕掛けると、新田が脇本の番手を奪う。最終4コーナーを回り、8車が横一線に並ぶ大接戦のなか、脇本と新田の中を割った佐藤がわずかに前を交わしV。43歳1か月での優勝は2011年GP覇者・山口幸二さんに次ぐ記録で、最年長での初制覇となった。
「限界?気のせいだよ!を体現してくれた希望が光る一戦。若くて強い選手が多くいる中、経験と練習で積み上げてきた力が見事に一致し勝利したこのレースが一番!!」
「選手生命を脅かす大怪我からのカムバックかつ、マーク屋として優勝したというのは、近年の競輪ではかなりのレアケース。これからも慎太郎を応援し続ける」
「これは夢か? の名言が忘れられない」
「競輪を始めるきっかけになった大会。当時43歳の“おじさん”が勝った姿が何歳も歳下の自分に『まだまだ頑張れ』と教えてくれた」
「同じ福島県民として勇気をもらった。自分の父親ぐらいの選手がグランプリを優勝するとは夢にも思わなかった。ゴール前で各選手が殺到した時思わず声が出た。いちばん感動したグランプリです」
得票率10.96%、149票で2位となったのは脇本雄太が優勝した『KEIRINグランプリ2022(平塚)』。
レースは北日本4車が前受けするが、残り5周から単騎の松浦悠士が北の先頭・新山響平の番手まで上昇する。併走となった新田祐大は一度3番手に下げ、残り2周で番手を奪い返すが、松浦が3番手に収まり北日本ラインは分断される。前団がもつれるなか、脇本は打鐘後3コーナーから仕掛けると異次元のスピードで別線をねじ伏せ、最終バックで先頭へ。そのまま最終コーナーを回り、連係した古性優作とのゴール前勝負を制して逃げ切りV。グランプリ初制覇を果たし、公営競技初の年間獲得賞金3億円レーサーが誕生した。
「残り1周半からの仕掛けにはビックリしたし、結果逃げ切った脇本の脚力に驚愕」
「あんな強い勝ち方をした選手は今までいなかった」
「自分が競輪を始めて、初めてのグランプリ。『あ、ワッキーはやっぱり無敵なんだ!』と思った」
「オリンピックで結果が出せず競輪一本にして結果を求め必死にやって、公営競技初の獲得賞金3億円を達成」
「北日本ラインの二段駆け予想が濃厚のなか、松浦悠士が周回中から新田祐大に競りに行き、単調になりそうだったレースを動かしてくれた。これをやったら本人の優勝の可能性は低くなるにも関わらず…。結果、脇本雄太が優勝することになったが、このレースの影のMVPは松浦だと思った。後にも先にも、周回中からこんなにもワクワクしたレースは初めて」
「競輪に本格的にハマったきっかけとなった大会です。 まさかの北の前受けから始まり、松浦選手の勝機を掴み取りに行く分断策、打鐘から繰り広げられる脇本の超ロングカマシ捲りvs元ナショナルの2段駆け、ラインを大事にする守澤の追い上げ、地元の意地でゴール線迫る郡司、追走外さず郡司を横に振りながら差しに行く古性。今でも鮮明に思い出される、力と力のぶつかり合いの中にある各選手の個性が輝いた大会だと思います」
全体の13.97%となる190票を獲得し第1位に輝いたのは『KEIRINグランプリ2023』。松浦悠士が優勝インタビューで見せた涙も印象的だった。
レースは前受けした北日本勢を脇本雄太が打鐘前2コーナーから叩きに行き、残り1周で近畿勢が先行。最終バックで中団から捲った単騎の深谷知広が脇本と古性優作を飲み込むが、その直後から追い込んだ松浦悠士がゴール前で深谷を交わして悲願のグランプリ初制覇を果たした。
「松浦の強さは入念なシュミレーションと決断力だと思う。冷静な切り替えと決まり手の差しはその集大成。松浦の涙のコメントにもらい泣き」
「競輪やり始めて最初に好きになった選手が勝つ事が、こんなに感動するんだと思い知らされた」
「あの最終周回の4コーナーで捲りきった深谷を圧巻の差しで捕らえた松浦のハンドル投げの姿はたまんなかったし的中させてもらったので最高です」
「唯一初めて3連単が当たったグランプリ。また松浦選手を応援していたこともあり、広島出身の赤い3番車、勝ってほしいと祈っていた時の勝利。ゴール後のインタビューも本当に感動しました」
「縦足だけじゃなくコースの見極めと踏むタイミングに驚かされた。最後の最後まで力の入ったレースでした」
(協力:公益財団法人JKA 提供:立川競輪場)
アンケートでは『ガールズグランプリ』『ヤンググランプリ』の思い出も寄せていただきました。抜粋して、高木真備さんが女王に輝いた『ガールズグランプリ2021』のエピソードをご紹介します。真備さんは大願成就を果たした翌年に電撃引退を発表し、大きな話題となりました。
「ずっと応援していた高木真備選手。もう児玉選手には勝てずに終わってしまうと思っていたところ、悲願達成。泣きました」
「予想が完璧にはまった。ただ彼女が勝たなければまだ選手だったかもと思うと複雑ですが…」
「最後のマキビームが忘れられない」
ご協力いただいたアンケートの中には『今回が初めてのグランプリ、楽しみです』という回答も多く見られ、今年から競輪を見始めたファンの方もグランプリを楽しみにしていることが伝わってきました!
改めまして、アンケートにご協力いただいた読者のみなさまに深く感謝申し上げます。
今年のグランプリではどんなドラマが生まれるのか… 歴史が刻まれる瞬間を、ともに目に焼き付けましょう!