2021/08/20(金) 16:00 0 5
東京スポーツの前田睦生記者がGP・GI・GII・GIII・FI・FIIのレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」!今回は42歳のベテラン選手のおちゃめ好プレーをピックアップ。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
いわき競輪場のオールスター競輪で中川誠一郎(42歳・熊本=85期)が久しぶりにビンビンだった。
好プレーを見せてくれたのは、8月13日は開催4日目だ。6日制ナイターになって、後半戦に入るところ。42歳といえば、お疲れかな…と思ったが何のことはない。誰よりも元気だった。
懐かしい友だちに会ってテンションが上がった子どものように「ねえねえ、鬼ごっこしようよ! 」。
友だちは荷を解く間も、着替える間もなく、走り出すセイちゃん。友だちがあきれるほどのスピードで走り、捕まらない。
山口拳矢(25歳・岐阜=117期)が先頭にいて、3番手の内に根田空史(33歳・千葉=94期)、外には追い上げてきた清水裕友(26歳・山口=105期)。このレース唯一のポイントを逃さずに、仕掛けた! ーー「ワッキー、見てる? 最近、何のゲームやってるの? 」
走っていて楽しそうな中川の姿があった。東京五輪直後の脇本雄太(32歳・福井=94期)に、以前一緒に遊んでいた“おもちゃ”を見せてあげる感じだった。「先行だよ! 」。
その先行という究極のプライスレスな“おもちゃ”は奥が深すぎて、いつまでも答えが見つからない。肉体的にはメチャクチャきつくなって、すぐにでも辞めたくなるけど辞められない魔力を持つ。
競輪は選手もファンも苦しい、悲しい思いをすることの方が多いと思う。ただ、この走りは「競輪は楽しい! 」を全力で伝えてくれるものだった。贔屓目に見られるかもしれないが、★5つが正当な評価です。
すごいで賞=★★★★★(星5つ)