2024/09/12(木) 18:00 0 6
今回は共同通信社杯の出場選手の中で『脚質“逃”の選手データ』を深読みしたい。同開催はビッグレースの中でも唯一自動番組にて予選が行われる開催であり、毎年サプライズな番組構成やライン連係が見られるため、ラインの先頭をつとめる(可能性の高い)選手のデータは展開予想に役立つかもしれない。また、2021〜2023年の過去3回はいずれも「逃」選手が優勝しており、昨年の決勝メンバーは「逃」選手が6名揃っていた。そういったトレンドからも注目しておきたい脚質だ。(構成:netkeirin編集部)
共同通信社杯競輪の出場選手の中で脚質「逃」選手は44名。その中で出場レースすべてが9車立てはS級S班のみだ。まずはS級S班の6名は他の選手と切り分けて、各選手の「最終バック取得率」を紹介したい。精度を上げたいため、単純にバック回数を出走回数で割るのではなく、単騎や番手戦を除く「ラインの先頭で走った時」で数値を出している。また、参考値として「最終ホーム取得率」も併記する。(※集計期間6月1日〜9月11日)
選手名 | 最終バック取得率 | 最終ホーム取得率 |
---|---|---|
新山響平 | 60.0% | 60.0% |
眞杉匠 | 50.0% | 35.7% |
深谷知広 | 58.8% | 47.1% |
山口拳矢 | 28.5% | 14.3% |
脇本雄太 | 50.0% | 22.7% |
清水裕友 | 25.0% | 25.0% |
最終バック取得率は新山響平が1番高く、次いでほぼ同率で深谷知広、脇本雄太と眞杉匠が50%程度となっている。眞杉以外はナショナルチームでならした3名であり、脚力上位で主導権を奪っていく。
新山に関しては最終ホーム率も60%であり、一定の戦法“ハイペースかつロングな先行スタイル”を確立している。その戦法を持って今年4度のGIのうち3度決勝進出の安定感を誇っているため、当たり前だが展開予想はしやすいと言えるだろう。また、深谷知広もこの数値バランスが似ている。二人の異なる点は決まり手。新山は「逃」が9割超、深谷は「逃・捲」が5割ずつといった感じだ。
そのほか最終バック率50%で同率なのが脇本雄太と眞杉匠。両選手は3連対率がきわめて高く、眞杉が65.5%で脇本が62%となっている。脇本に関しては勝率も55.1%という数値を出しているが、これは脚質「逃」の出場選手44名の中で1位の勝率。本命車券を好む人なら間違いなく買うべき筆頭選手であり、大穴狙いの人が「脇本外し車券」を狙うにしても、買うレースをよくよく見極めて欲しい。共同通信社杯の舞台は500バンク。脇本の過去3年間の500バンク成績は以下のとおりだ。とてつもない。
選手名 | 勝率 | 連対率 | 3連対率 |
---|---|---|---|
脇本雄太 | 55.6% | 71.2% | 72.2% |
また、山口拳矢と清水裕友は最終ホーム、バック取得率ともに30%に到達していない。両選手のレーススタイルは異なるが、最終バックの形から買い目を決定していく人は参考にして欲しい数値だ。ちなみに過去3年間で山口拳矢の500mバンクの3連対率は45.5%、清水裕友は75%だ。これらも参考にしたい数値だ。
“離れる・離れない”といったマークする選手の力量なども関係するため、あくまでも参考値だが、S級S班の「逃」選手とラインで連係した選手が3着以内に入っている率を記載する。
選手名 | ライン選手3着以内率 | 実回数 |
---|---|---|
新山響平 | 52.0% | 13回(25走) |
眞杉匠 | 60.7% | 17回(28走) |
深谷知広 | 47.0% | 8回(17走) |
山口拳矢 | 28.5% | 4回(14走) |
脇本雄太 | 59.0% | 13回(22走) |
清水裕友 | 50.0% | 8回(16走) |
眞杉匠とラインを組んだ選手たちは、なんと60.7%で確定板を捉えている。S級S班とライン連係する選手は確定板に来るの?来ないの?と買い目を考える時に上記のデータを参考にして欲しい。集計期間には高松宮記念杯競輪やサマーナイトフェスティバル、オールスター競輪が含まれているため、今回の共同通信社競輪でも有用な数値ではなかろうか。
ここまでS級S班の選手について見てきたが、ここからは7車立てと9車立てを行き来しているS級1班・2班の選手で最終バック取得率を比較して「レースの主導権は渡さない男ランキング」を作成する。※例によって最終ホーム取得率も併記する。
順位 | 選手名 | 最終バック取得率 | 最終ホーム取得率 |
---|---|---|---|
1 | 北井佑季 | 78.9% | 78.9% |
2 | 取鳥雄吾 | 73.9% | 73.9% |
3 | 石原颯 | 68.1% | 50.0% |
4 | 南潤 | 64.7% | 41.1% |
5 | 菊池岳仁 | 64.0% | 52.0% |
6 | 藤井侑吾 | 63.3% | 53.3% |
7 | 町田太我 | 61.5% | 76.9% |
8 | 野口裕史 | 61.2% | 67.7% |
9 | 嘉永泰斗 | 60.0% | 20.0% |
10 | 犬伏湧也 | 57.1% | 39.2% |
オールスター参戦のみの五輪代表(太田海也、小原佑太、窪木一茂)は含めていない。北井佑季と取鳥雄吾の数値を読み解くと、最終ホームもバックも取っている。先行することにこだわりレースを組み立てるため、展開予想は非常にしやすい選手になっている。
またバック取得率は7位だが最終ホーム取得率は2位の町田太我。町田は主導権を譲らないが、勝率は14.8%のため、マークする選手の力量を見て、買い目を判断すべきだろう。町田と数値の酷似している野口裕史の勝率は32.2%と倍近く違う。このあたりは買い目作成時に勝率や連対率と照らし合わせても良さそうだ。
ちなみに先行を武器にしながらも、北井佑季は62.5%、取鳥雄吾は62.9%、犬伏湧也は63.3%の3連対率も誇る。この選手たちが主導権を奪取すると見込むならば、高確率で確定板を捉えてくることは頭に入れておきたい。
なお、南関の中心選手の松井宏佑はバック取得率11位だったが、3連対率は73.3%で「逃」選手の中で第1位。逃げと捲りの戦法をクレバーに使い分け、信頼できる成績を打ち出している。
レースで主導権を取る確率がわかっても、3連対率がわかっても、そうそう思い通りにいかないのが競輪予想。そこで活用して欲しいのがnetkeirinの「データ分析」だ。
サプライズな連係・並びが多発する共同通信社杯競輪の予選では「直感・ひらめき」や「緻密な展開予想」に加えて、各選手のデータを参照して裏付けを求めるのも予想の精度を向上させる(はず)。
データ分析で参照できる項目は下記表のとおり。かなり細かく数字を見ることができるので、投票締め切り時間にはお気をつけて!
データ分析項目 | 説明 |
---|---|
レース種目別 | 勝ち上がり戦、敗者戦、決勝戦の成績 |
周長 | 333m、400m、500mの成績 |
見なし直線 | 50m未満、50m以上60m未満、60m以上の成績 |
競輪場別 | 競輪場別の成績 |
位置別 | ラインの先頭、番手、3番手以降、単騎、競りの成績 |
時間帯 | モーニング、デイ、ナイト、ミッドナイトの成績 |
日程 | 初日、中間、最終日の成績 |
グレード別 | GI・GII・GIII・FI・FIIの成績 |
グレード×レース種目 | グレードとレース種目を指定して算出 |
車番別 | 車番の成績 |
同県選手同乗時 | 同県選手と同乗あり・なし時の成績 |
データ分析で推理が固まらない場合、あるいは固まっているがさらに自分の予想に自信を持ちたい時は「ウマい車券のプロ予想」もぜひ活用して欲しい。競輪場の場立ち予想家や競輪専門紙記者、元選手の競輪解説者などが豪腕を振っているほか、最新AIが導き出す予想などさまざま。共同通信社杯で大勝ちを予定している方々、netkeirinをフルで使い倒し、良き予想ライフをお過ごしください!