2024/08/08(木) 12:00 0 3
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週は53歳の肉体と技術を持って激闘を制した内藤宣彦の好プレーをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
8月6日の小田原競輪FⅠの初日12R特選でベテランの壮絶な好プレーがあった。内藤宣彦(53歳・秋田=67期)が53歳の肉体と技術を持って、激闘を制した。大川剛(25歳・青森=121期)が先行する番手を回っていた。
大川は立部楓真(26歳・佐賀=115期)を突っ張りペースに入れていく。下げた立部だが、もう一度赤板から仕掛ける。内藤としては3番手外に浮いた立部を見て、そこを警戒する。その時だ。立部マークだった島田誠也(31歳・福岡=109期)がなんと内から攻め上げてきた。
完全に不意を喰らうパターンで厳しいものだったが、最終ホームの地点が好プレーだった。頭をぶつけ、そこを起点にして体重を預けていく。外競りの壮絶な技術。内の選手に脚を消耗させ、最終バックから踏み勝つ。
番手を守り切っただけでも、相当な消耗があったはず。しかし、4角からはきっちり車を外に外して大川を追い込んだ。多くのベテランが活躍していて、それでも驚くべき53歳だ。相手関係もあるので★は4つとさせてもらうが、「すげえ!」と声が出る一戦だった。
また、この日は函館最終日の2R一般でもベテランの奮闘があった。西島貢司(55歳・熊本=64期)は、先行の番手の位置にいて、内、また、外、と攻め上げてこられていた。意地で内の選手を競り落とし、外からの追い上げにも耐えた。
西島は日本競輪選手会の熊本支部長として、7月20日の熊本再開を支えた。苦労、そしてあらゆる準備があったと思うが、現役の選手として戦い抜く姿が光っていた。
すごいで賞=★★★★☆(星4つ)