メンバー表を眺めた安谷屋は九州が平聡一と2人と知ると、きっぱりとこう言った。

「今回から戦法を変えようと思っているんです。ハコや3番手は回らずに自分で動きます」と。

　元々、自在選手だが年齢を重ねたこともあり最近は後輩選手に任すシーンも増えている。ワンツーが決まれば気持ちがいいが共倒れするリスクもあり、両面で戦える安谷屋にとっては葛藤があったようだ。

「年初にケガをして決まり手が減りだしたら人の後ろを回る機会が増えた。それはそれでいいんですけど、自分でやっていれば後悔しなかったってレースもあったし…」

　当面はこのスタイルでやっていくという。ただし、持つ距離や得意戦法を重んじて先行は無い、とのことだ。

「野田ゲン(源一)さんみたいな感じが理想ですね。前に前に攻めて最後いい位置から伸びるような。まだ35歳ですし自分でやって悔いのないレースがしたい」

　改めて攻める気持ちを思い出し、何でもありの総力戦で場を賑わす。(netkeirin特派員)