知人が、必ず香川雄介を2、3着で買う。本命だろうが無印だろうが、番手回りだろうが、3番手、4番手だろうが。買える状況の際は、いかなる場合でも香川を2、3着で買うらしい。たしかに、そんなイメージは強い。初日も3着だった。そのことを香川にぶつけてみた。

「2、3着が多い自覚? むちゃくちゃありますよ。オレを3着付けで買っている人が一番、多いんちゃう? 昔は1着も多かったんよ。でも昔から2、3着も多かったなあ」とニヤニヤ。

　ズバリ、2、3着が多い理由とは?

「最後まで踏むからね。あきらめないんよ。ただ単に欲が強い。むちゃくちゃ強欲。欲のかたまり。昔から欲しかない。レースを投げたりする人、いるじゃないですか。あれがあまり好きじゃなくて。ウソでもいいから踏んでほしい。もちろん、僕も投げたりしたことはありますよ。でも、基本は最後まであきらめない。実は最近、余裕があってね。外を捲ったろうかとか考えたりもするけど、基本は最短コースを狙ってる。練習でも自称、弱ないと思う。自称ね。ところでこれ、何に載るの? 『netkeirin』ですか。ちゃんと見たことはないけど、最近インターネットを見るときに、あなたのおすすめに出てくるわ。注目されるのはうれしい。とうとう出るんやな、うまく書いてくれよ」。

　最後は話が脱線したが、あきらめの悪さが2、3着につながっているようだ。こんなに欲が強い選手だとは思わなかった。7車立ての競走も増えているが「結局、やることは一緒だから。それは関係ない。コツとかもない」と笑い飛ばした。

　アップに向かう前の松浦悠士が「めちゃめちゃ強かったですよ」と話しかけると「もったいなかった。(久米)康平に申し訳なかった」と、連結を外したことを悔やんだ。ただただ自分のことを考えているわけではない。「準決勝に乗りたい」と話していたが、選考順位の関係で残念ながら特選回りに。どんな舞台でも、香川は香川らしいレースをするだけだ。

「コツコツ頑張ります。これからもS1でおり続けるから!」

　やっぱりどこまでもどん欲なのである。(netkeirin特派員)