躊躇なく正攻法で構えた加瀬加奈子。誘導が待避しても緩めることなく、徐々に加速。年齢が半分の渡部遥の巻き返しに併せて、人気の林真奈美を5着に沈める快走。全盛期を彷彿させる逃げ切りだった。上がり12秒4、最終周回24秒9、最終周回前回は33秒1。7Rの前回タイムが38秒4だったことを考えると、打鐘から緩めなかったのが分かる。

「まさか平で逃げ切れるとは思わなかった。今、600メートルを3本、ジャンから全開モガキの練習をしているんです。女子じゃ普通はやらないですよ。後半200メートルをタレないようにと。練習あるのみです。片桐善也とはたまたま近くに住んでいて同じトレーナーなんですけど、彼は後輩だけどライバル」

　ライバルが男子選手というのが、座右の銘が「男道」の加瀬らしい。まだまだ若い選手の壁であり続けてほしいし、GIで活躍するところも見たい。(アオケイ・市川記者)