アプリ限定 2024/07/07(日) 16:30 0 18
7月13日に後半戦最初のビッグレース、GII「サマーナイトフェスティバル」が開幕する。2025年度から4日制拡大が決まっており、今大会が最後の3日制となる。ここではサマーナイトフェスティバルの選考と、3日制GIIの勝ち上がりルールについて解説する。
7月13〜15日に松戸競輪場で開催される「第20回サマーナイトフェスティバル(GII)」。5月下旬に出場選手が発表された。
サマーナイトフェスティバルは2005年から始まったGIIで、ナイターで行われるのが特徴だ。今大会までは女子の「ガールズケイリンフェスティバル」を含めた3日制で行われる。2025年度からは男子のみの4日制に変更となることがすでに発表されている。
選考条件は下記のとおり。
【サマーナイトフェスティバル選考条件】※開催時S級在籍
(1) S級S班在籍者
(2) パリオリンピック自転車競技トラック種目代表選手
(3) 選手選考対象期間において2ヶ月以上JCFトラック種目強化指定(A)に所属した者(開催時S1)
(4) GI優勝者
(5) GII優勝者(ヤンググランプリ含む)
(6) GIII優勝者
(7) FI優勝者(回数が同数の場合は、選考期間における平均競走得点上位者)
※選考期間は2023年11月〜2024年4月の6か月
メインの選考条件になるのは(4)〜(7)。GII選考の特徴として、FI開催での成績が重視される。郡司浩平や平原康多が落選したウィナーズカップの選考条件には「Gレース優勝者」という条件がないが、サマーナイトフェスティバルにおいてはGレース優勝者が含まれる。
そのため、2月のGI「全日本選抜競輪」を優勝した郡司はサマーナイトフェスティバル出場が決まっている。しかし、平原はまたしても名前がない。
平原がダービー王に輝いたのは5月5日。サマーナイトフェスティバルの選考期間は4月までのため、この優勝はカウントされない。選考期間となる昨年11月以降、平原が優勝したのはこのGIダービーだけで、1月からコンスタントに出場していたFI開催でも優勝はなかった。
有力選手の選考漏れは平原だけではない。S級1班に在籍し、GI常連で競走得点が高い選手でも、選考期間内に優勝していない選手はこの選考条件をクリアできないからだ。
下記の表にはダービーに出場した選手のうち、サマーナイトフェスティバルの選考から漏れてしまった選手を記載する。
各地区の主な選考漏れ
地区 | 選手名 |
---|---|
北日本 | 菅田壱道、成田和也 |
関東 | 平原康多、森田優弥 |
南関東 | 和田真久留 |
中部 | 皿屋豊 |
近畿 | 南修二、東口善朋 |
中国 | 隅田洋介、桑原大志 |
四国 | 松本貴治 |
九州 | 園田匠、中本匠栄 |
6月のGI「高松宮記念杯競輪」で準優勝した和田真久留や、7年ぶりにGI決勝に進出した桑原大志もサマーナイトフェスティバルの出場を逃している。
今回サマーナイトフェスティバルに出場する正選手の直近の平均競走得点は110.73(7月2日時点)。最も競走得点が高いのは古性優作(大阪)の120.88で、低いのは渡邉雄太(静岡)の101.20だった。
今年のここまでのビッグレースにおける出場選手の競走得点平均と、開催直前の競走得点が最も高い選手と低い選手を表にまとめた。
大会名 | 競走得点 | 最高 | 最低 |
---|---|---|---|
全日本選抜 (GI) | 109.87 | 121.11 眞杉匠 | 100.00 山中貴雄 |
ウィナーズ (GII) | 107.89 | 118.40 松浦悠士 | 99.12 新田康仁 |
日本選手権 (GI) | 108.17 | 118.50 清水裕友 | 99.33 西田雅志 |
高松宮記念杯 (GI) | 110.80 | 119.17 古性優作 | 104.77 松村友和 |
サマーナイト (GII) | 110.73 | 120.88 古性優作 | 101.20 渡邉雄太 |
今年のビッグレースで最も競走得点平均が高かったのは、競走得点で選考されるGI高松宮記念杯競輪だ。サマーナイトフェスティバルはそれに次いで高く、出場選手の点数平均が110点を超えるのはこの2大会のみとなっている。
つぎに各地区の出場選手数を見ていきたい。なお、3日制のため出場選手数は通常のビッグレースより少ない81名である。
地区 | 出場選手数 |
---|---|
北日本 | 10 |
関東 | 14 |
南関東 | 14 |
中部 | 7 |
近畿 | 11 |
中国 | 5 |
四国 | 7 |
九州 | 13 |
※7月2日時点の出場予定選手を集計
層の厚さが目立つのは関東と南関東。両地区の層の厚さはビッグレースのたびに目立っている。GI高松宮記念杯競輪では、最も出場選手数の多かった神奈川県の北井佑季が優勝。地区ごとの選手数は勝ち上がりに大きく関わってくる。
唯一の3日制GIIであるサマーナイトフェスティバル。最後に、勝ち上がりについて説明したい。
通常のGレースは一次予選と二次予選が設けられているが、サマーナイトフェスティバルの予選は初日のみ。特別選抜予選が1レース組まれ、ここに出場する9名は着順にかかわらず2日目の準決勝に出場できる。
予選は8レース行われ、確実に準決勝に進めるのは上位2名のみ。さらに予選3着のうち2名が勝ち上がる。9車であること以外はFIの勝ち上がりと近い形だ。
準決勝は3レースで、ここからはほかのGレースと同じく各レースの上位3名が決勝に駒を進める。
今回は松戸競輪での開催で、ビッグレースでは決して多くない短走路。直線が短くカントが浅いのが特徴のバンクで、逃げ有利と言われている。予選からの勝ち上がりが厳しいため、初日からエキサイティングなレースが見られそうだ。
注目はやはり、サマーナイトフェスティバル3連覇中の松浦悠士。今年はケガの影響で苦戦しており、賞金ランキングは未だ19位だ。近況は復調が見え、この大会で4連覇となれば勝負がかかる後半戦の弾みとなるに違いない。
サマーナイトフェスティバルの優勝賞金は1,500万円。同じGIIのウィナーズカップは2,600万円、共同通信社杯競輪は2,700万円であるのでやや見劣りするかもしれないが、GIIIの記念競輪の優勝賞金(4月から520万円)と比較すると3倍近い金額である。
いよいよ2024年も後半戦に突入し、年末のKEIRINグランプリ出場争いはさらに熱を帯びる。ここまでのGIはすべてS級1班の選手が獲っていることを踏まえると、賞金争いは例年以上に熾烈になりそうだ。