2024/06/03(月) 14:00 1 15
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週の好プレーは先行に燃える逸材、伊藤優里の一心不乱の好プレーをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
松山競輪のナイターFII「ルーキーシリーズ2024」は6月2日、最終日を行った。125、126期のルーキーシリーズの最終戦だ。それぞれの選手たちが思いを込めて、熱いレースを繰り広げた開催となった。11Rガールズ決勝では伊藤優里(19歳・福岡=126期)が逃げ切って優勝を飾った。
伊藤は浅井康太(39歳・三重=90期)を師匠に持ち、憧れは高木真備(引退=106期)さんという先行に燃える逸材だ。初日の予選1は悔しい思いをしたものの、2日目の予選2で逃げ切り決勝へ。「ウォーー、マキビさんみたいになりたい!」と気合を入れていた。
決勝は在所2位の中島瞳(19歳・埼玉=126期)が頭一つ抜けた存在(伊藤は5位)。中島の優勝が有力視されていた。打鐘前には先頭を伺おうとする伊藤だが、真後ろに中島がいる。しかし、恐れない。
果敢に仕掛け風を切る。周りがどうだろうが、まずは自分との戦いに勝つこと。自分の先行を信じて、踏み上げた。後ろが中島と磯村光舞(19歳・山口=126期)で並走になり、中島は外から仕掛けたが伸びを欠いた。
一心不乱とはこのことだろう。競輪選手養成所で学んだこと、自分がやりたいこと、目指すものへと突き進んだ。挑戦の心と走りに★3つ。
浅井は24時間365日競輪と向き合う姿勢を持ち、仙人と呼ばれている。ただじっと座っているだけでもトレーニングとし、何時間もローラーに乗り続けることも普通。ある時「4、5時間ローラーに乗ってみては」と師匠に言われたそうだが、伊藤は「私は景色が変わった方がいいから、外がいいです!」と明るく朗らかに断ったそうだ。
すごいで賞=★★★☆☆(星3つ)