2024/05/21(火) 11:00 0 11
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週の好プレーは取鳥雄吾の戦う意志を示す分断からのスイッチをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
取鳥雄吾(30歳・岡山=107期)といえば、大きな果実をそろそろ…と期待されながら頭打ちになっているのが現状…と嘆かれている。しかし、5月17日の和歌山FIの12R決勝で進化する姿を見せた。特急サンダーバードは大阪と富山をつないでいて、徐々にその距離を縮小、今年に入ってさらに短くなった。
反するように“瀬戸のサンダーバード”は延伸していく。GI優勝、いやまずはとにかくGIII優勝に向けてーー。それを示す戦いがあった。
決勝は近畿勢が2段駆け含みの構成、取鳥は香川雄介(49歳・香川=76期)と2車で単騎が2人。取鳥が近畿勢を分断に行くと、単騎の藤井侑吾(29歳・愛知=115期)が大ガマシを放つ。近況の藤井の強さを見ていれば、そのまま泳がせると押し切られる…。分断に行ったその脚で、即、スイッチしていった。ここが、好プレー、だ。
取鳥はこの開催に入る前に、自身のX(旧Twitter)で「新車に新しいセッティングを試す 変えたところで結局気合いなんだけど」と記している。さまよえる子羊のような迷走感漂うものだが、この時ばかりは気合いだった。
戦う意志を示す分断からのスイッチという好プレーに★2つ。飛ばしに行った相手がタテ型だったこともあるので、そこまでの評価ではないが、取鳥が今いる場所から飛び立とうとすることが重要だった。
爆発力があるので、それが武器なのは間違いない。だが、打開しないといけないものがある。そこに挑戦する走りがあった。
すごいで賞=★★☆☆☆(星2つ)