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【大楠賞争奪戦】消化不良の内容も地元の意地を見せた山田英明

2024/05/14(火) 22:30 0 9

武雄競輪「開設74周年記念・能登支援・万協大楠賞争奪戦(GIII)」が14日に最終日を終えた。12R決勝に出走した山田英明に話を聞いた。

「今回は残念だったけどまた頑張りたい」と話す山田英明

 68周年以来となる6年ぶりの地元記念Vを目指した山田英明。準決勝10Rを1着で勝ち上がり、12Rで弟の庸平が勝ち上がるのを待っていたが、庸平が4着で準決勝敗退。まさかの結果となってしまった。それだけではない。二次予選でもワンツーを決めて、連係実績豊富な清水裕友に前を託す決断をしたが、稲川翔も清水後位を宣言。地元記念の決勝で競りになってしまう、2度目の“まさか”があった。

 レースはとにかく激しいものになった。人気を集めた4車の根田ラインが前受けになり、清水は中団。後ろ攻めの志田龍星が押さえた上を清水がすかさずスパートしたが、山田は大槻寛徳と絡んでしまって立ち遅れた。清水後位は稲川が難なく奪い、山田は内へ進路を取らざるを得なかった。

「大槻さんと接触しちゃって遅れてしまった。あれがキツかったですね。そこからは“なんとか前々に”って思いだけでした。そうしたら根田君の後ろに入れていたんだけど、裕友との連係実績や、いつも気を遣ってくれて頑張ってくれるのを思ったら、“もっと前に行かなくちゃ! 1車でも裕友の近くに行かないと!”って。正直、前がどうなっているのかわからなかったし、打鐘過ぎから最終HSくらいまでのことを覚えてない。気付いたら裕友の後ろにいましたね」

 立ち遅れてからはひたすらコースを縫って、清水の後ろを奪い返した。最終HS過ぎは清水、志田、根田が折り重なる超絶バトルになったが、S班の清水が意地で前へ出た。

「もう、脚はいっぱいでしたね。後ろに稲川がいるのはわかってた。深谷が来た時にはどうしようもない感じでしたね。止められれば良かったけど、余力もなかったし、ブロックに行ってたら稲川に内を行かれてたでしょうね」

 清水が奮闘したが、自力に転じた深谷知広が宮城コンビを連れて大捲りを決めた。山田は本能のままに清水に付けきったが、そこまででほぼ全精力を使い果たしていた。

 「またこういう展開になった時に対処の仕方のアイディアも浮かんだ。今回は残念だったけどまた頑張りたい。来年こそは、ですね」

 地元から唯一決勝に勝ち進み、苦しい流れになっても気迫の立ち回りを見せた。「いっぱいだった」と振り返りながらも最後は4着に入っている。地元記念決勝で意地を示した。2度目の地元記念優勝、決勝での兄弟連係は来年の楽しみにとっておこう。(netkeirin特派員)

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