アプリ限定 2024/05/20(月) 12:00 0 33
来る5月25〜26日に高知競輪場で「全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪(通称:全プロ記念)」が、27日には競輪選手が自転車競技で争う「全日本プロ選手権自転車競技大会(通称:全プロ大会)」が開催される。
その出場選手が3月に発表された。そうそうたる顔ぶれで、ほぼGIレベルのメンバーだ。しかし前年のSPR賞覇者であるS班・古性優作の名前はなく、疑問に思った競輪ファンも多いことだろう。
では「全プロ記念」出場選手の選考はどのように行われているのだろうか? まずは選考基準を見てみたい。
【全プロ記念選考条件】※開催時S級在籍
(1) 全プロ大会に出場する、S級S班在籍者
(2) 全プロ大会に出場する、選考期間内に2か月以上JCFトラック種目強化指定(A)に所属した者(開催時S級1班)
(3) (1)(2)で既に選抜された者を除く全プロ大会に出場する、選考期間内のて平均競走得点上位者
※選考期間は2023年9月〜2024年2月
上記の通り、すべての選考条件に「全プロ大会に出場する」という前置きがつく。これはGIやGIIでは無条件に出場できるS級S班においても同じで、「全プロ大会」に出場しない場合は「全プロ記念」に出場する権利は得られないというわけだ。
「全プロ大会」に出場するためには2023年秋に行われた「地区プロ大会」に出場し、上位成績を収めなくてはならない。古性は「近畿地区プロ大会」に出場していないために、全プロ大会不出場となった。
古性以外にも、ビッグレース常連で全プロに出場しない選手はいる。地区ごとに見てみよう。
地区 | 選手名 |
---|---|
北日本 | 大森慶一、和田圭、山崎芳仁 |
関東 | 吉田拓矢、武藤龍生、宿口陽一 |
南関東 | 野口裕史、和田真久留 |
中部 | 志田龍星、坂口晃輔 |
近畿 | 古性優作、窓場千加頼 |
中四国 | 町田太我、原田研太朗 |
九州 | 北津留翼、阿部将大、伊藤旭 |
いかにも自転車競技で強そうな選手も含まれており、今年の全プロ大会で見られないのは残念だ。またの機会に期待したい。
「全プロ大会」の大きな意義として、10月に行われるGI「寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(以下、寛仁親王牌)」の選考に影響するという点がある。
寛仁親王牌の選考条件を見てみると、以下の条件が入っている。
・全プロトラック競技出場者でケイリン決勝出場者、各競技1〜3位
・全プロトラック競技出場者で平均競走得点上位者
また寛仁親王牌の初日メインレース「日本競輪選手会理事長杯(理事長杯/日競杯)」の出場条件には「全プロケイリン、スプリント、1kmT.T.1位」が含まれている。2023年の同レースには、当時S級1班の山口拳矢(ケイリン優勝者)、雨谷一樹(スプリント優勝者)、菊池岳仁(1kmT.T.1位優勝者)が出場した。
さらに特選(2レース)出場条件には「全プロケイリン決勝競走出場者(失格を除く)、スプリント2〜3位、同1kmT.T.2〜3位、チームスプリント1位」が含まれる。2023年の特選メンバーには河端朋之(スプリント準V)、中島詩音、末木浩二(チームスプリントV)らが入っていた。
理事長杯・特選に出場できると勝ち上がりも有利となり、2023年には河端朋之は特選スタートから決勝進出。これが自身初のGI決勝となった(結果は6着)。
このように、ビッグレースでチャンスを得るためにも「全プロ競技大会」は重要な大会となっている。
最後に、「全プロ記念」の勝ち上がりについて触れておこう。この大会は2日制のため、通常の記念競輪のような勝ち上がり制ではなく、2つのトーナメントに分かれている。
1つめは選考順位上位27名によるトーナメント。初日優秀競走(3レース)からスタート。各レースの上位3名が2日目メイン「スーパープロピストレーサー賞(SPR賞)」に進む。優秀競走4〜9着の18名は「ワンダーステージ(2レース)」に回る。SPR賞を制した選手が実質的に「全プロ記念」の優勝者となる。
2つめのトーナメントでは、選考順位28〜54位の27名が特選(3レース)、55〜108位の54名が選抜(6レース)から始まる。特選の上位5名と選抜の上位2名が格上の2日目「ダイナミックステージ(3レース)」に進み、特選6〜9着と選抜3、4着、5着のうち3名が「特選(3レース)」、特選5着の残り3名と6〜9着が「選抜(3レース)」に回ることになる。
「全プロ大会」は普段の競輪と異なる、ラインのないレースとなる。もしかすると普段と違った選手の表情が見られるかもしれない。
今年は500バンクの高知での開催となるのも注目ポイントのひとつ。全プロ記念は競輪予想で盛り上がり、全プロ大会ではGI出場をかけた戦いを目に焼き付けよう!