2024/04/18(木) 12:00 0 22
1月に行われた「開設73周年記念いわき金杯争奪戦」も大成功に終わり、3ヶ月を経てのダービーへ準備着々。情熱あふれる木村丈二所長にお話を伺いました。
いわき平競輪がいわき平競輪である所以、ベクトルは『お客様ファースト、お客様第一でありたい』。これはハード面に凝縮されています。
これは5代前の所長であった根本さんが担当係長、私が担当者であった頃の話です。平成の中頃にサイクルパーク構想というものがあり、市街地から競輪場を移転しドームを建設するというものでした。当時のドームバンクは前橋と小倉でしたが、建設費用に最低200億円かかるといわれていました。
先人から貯めてきた基金が約175億円ありましたが、イニシャルコストしか考えず、ランニングコストの面で断念。現有地で建て替えましょうということになりました。
建て替えにあたってまずは福島競馬場を見に行きました。そこは内側からレースを見ることができる。『内側から30度のカントを走る圧巻のレースを見せてあげたい』と思いましたね。もちろんこんな意見もありました。「バンクの内側からワンカップを投げられたらどうするんだ」とか(笑)。それには何百人も警備を置くと説得するなど、安全対策を取ることができれば許可するというところまでの道のりは簡単ではありませんでした。
旧バンクはカントが浅いお皿バンクで先行が有利だったんですよね。
でもそれではお客さんとしては面白くない。ゴール前まで迫力のレースをお見せしたい思いがありましたし、別線のラインも買ってくれるバンクにしたかった。
まずはコロナ対応ですね。令和2年2月27日から同年6月21日までの間、本場開催は無観客、場外発売は中止。その間、4月(24日〜26日)には一節を中止。5月の静岡ダービーも中止で高松宮記念杯は無観客。
そして、「7月のいわき平サマーナイトフェスティバルをどうするか?」となったんですが、我々としてはお客様にレースを見せない特別競輪はありえない。見てもらうために手を挙げているのだと。当時の市長にお願いし、福島県民限定で1000人を入場いただくことにしました。あの時は県境をまたぐ往来が制限されていましたから。
これには3団体(JKA、全国競輪施行者協議会、日本競輪選手会)からも有観客開催に対して感謝の意が示されました。そこがいわき平の骨格。ハード面、ソフト面ともにお客様を大事にしたい。根っこはそこです。
特別競輪は名前の通り特別なもの。いつものお客様に見てもらいたいのも事実。他から来て見てもらいたいのも事実。ただし自分の競輪場だけという考えは捨てて、競輪全体のことを考えてやるのが特別競輪です。
ダービー期間中に東京駅からいわき平競輪場までの無料バス運行を考えています。これも一つの体現です。GI最高峰の迫力のあるレースを楽しんでいただきたいし、競輪を一年間通して楽しんでいただきたい。ダービーもお客様ファーストです。