2024/04/12(金) 22:15 0 4
「やっとここまでたどり着いた」
18度目の参戦、初の表彰台入りを初優勝という最高の形で達成した東矢は、力強く拳を突き上げた。
レースは、原田涼太の先行態勢に思えたが、残り2周を目掛けて叩き切った三浦翔大の主導権。東矢は一瞬の隙を逃さなかった。最終ホーム5番手ながら、わずかに空いた内をスルスルと踏み上げて、最後は三浦と原田の間を縫って鋭く強襲。逃げ粘った三浦が2着、着は原田の順で入線。これで東矢は、弟の圭吾(3V)とPIST6初の兄弟制覇となった。
「組み立てはノープラン、前のコースの三浦(翔大)の動きを見ながらだった。あいつがかなり車間を切っていて仕掛けると思ったら、内がサッと空いて一車でも前にと思って内を踏んで行った。ツイていましたね。今シリーズは流れが良かった。あとは、いつも初日に気持ちが入りすぎていたので、今回は尻上がりにと上げていったのが良かったのかなと。集中して気持ちを切らさずに戦えたのが大きい」とふり返った。
11月(豊橋)の落車で右肩鎖関節の脱臼、ろっ骨を骨折の大怪我を負ったが「状態はちょっとずつ上がってきている。それに熊本競輪場が復活するので頑張らないと」
頑張る理由はただ一つ。16年の熊本地震で被災した熊本競輪場が、8年4か月の刻を経て再開を迎える(7月20日〜)。東矢は今シリーズの直前も、バンクの最終走行会に参加したという。待ち焦がれていた地元バンク再開が、東矢をはじめ熊本の選手たちの心の炎をたぎらせているに違いない。(アオケイ・八角記者)