アプリ限定 2024/04/27(土) 12:00 0 12
2024年は一発目のGI「全日本選抜競輪」で郡司浩平が“S班即返り咲き”を果たし、脇本雄太がGII「ウィナーズカップ」で優勝。S班4人が入れ替わった昨年に続き、波乱含みのドラマが生まれている。まもなく開幕する伝統あるGI「日本選手権競輪(通称:競輪ダービー)」を前に、S班9名を中心に獲得賞金上位陣の序盤戦の戦いを振り返りたい。(※賞金は4月24日時点)
伝統の「競輪ダービー」が30日に開幕する。今年2度目のGI直前の賞金ランキングは、2月のGI「全日本選抜競輪」を制した郡司浩平がトップ。郡司は全日本選抜以降、平塚FIと川崎記念の2開催しか走っていないが、依然首位をキープしている。
それを僅差で追うのが清水裕友だ。3月のGII「ウィナーズカップ」前は郡司と1270万円もの差があったが、じわじわ追い上げ300万円差まで迫っている。すでに獲得賞金5000万円を超えているのはこの2名だけだ。
清水は郡司が選考漏れで出場できなかった「ウィナーズカップ」で決勝3着、4月の高知記念で準優勝。今年は玉野記念で決勝進出を逃した以外は、決勝の確定板に乗り続けている。年明けからの好調を維持し、昨年はわずかに届かず涙をのんだ“ダービー王”へ挑む。
さて、ここで現S班と前S班の選手の賞金状況を見てみよう。KEIRIN.JPで発表されている賞金ランキング50位以内の10選手をグラフに表した。
ウィナーズカップ開催前は賞金TOP50圏外だった脇本雄太は、同開催を制し4位に急浮上した。しかしダービーは病気欠場。ダービーは高額賞金のため、開催後には大きく順位を落としてしまいそうだ。
深谷知広もウィナーズカップ以降、高知記念と西武園記念を走りともに優出。優勝はないが初日特選での1着が目立ち、順位を6位まで上げている。
一方で現S班5名はグランプリ出場圏外の順位となっている。昨年のグランプリ覇者・松浦悠士はウィナーズカップ準決勝で落車し欠場。賞金ランクは10位まで下がってしまったが、ダービーでの復帰を控えている。
年明けからの欠場が響き、ウィナーズカップ前はTOP50圏外だった眞杉匠は39位まで浮上してきた。松浦同様、ウィナーズカップ準決勝で落車したが、その後のGIII2開催に出場。ダービー前最後のレースとなった西武園記念では地元5車を撃破し、今年初Vを挙げた。
ウィナーズカップを病気欠場した山口拳矢は未だTOP50圏外。直近出場している川崎記念、西武園記念はいずれも二次予選敗退となっている。しかし西武園記念の敗者戦では連勝。昨年の鮮やかなダービー制覇は記憶に新しい。今年もあっと驚く巻き返しがありそうだ。
前S班の面々は、賞金トップの郡司のほかに平原康多が16位と健闘中。FI戦にも多く参戦しまだ初優勝はないものの、今年は9開催を走り決勝を外したのはわずか2回だ。特に出場したGIII(大宮、玉野、西武園)ではすべて決勝進出している。
なお、新田祐大と守澤太志はあっせん停止の影響でTOP50圏外となっている。
最後に、S班以外の賞金上位選手を見ていきたい。
賞金5位の北井佑季はGレースが主戦場となっている。ウィナーズカップでも決勝進出し、賞金は3000万円を超えた。
次期タイトルホルダーの呼び声高く、ダービーでは優勝候補と目されそうだ。さらに8月のオールスター競輪の舞台は北井の地元平塚で、ここでもチャンスが訪れそう。
過去グランプリを2度制した浅井康太は賞金7位につける。ウィナーズカップは出場していないが、裏開催だった武雄GIIIでの優出で獲得賞金は2300万円を超えている。
賞金2000万円を超えているのは8位の坂井洋まで。坂井はウィナーズカップで決勝に乗り、その後も高知記念、西武園記念で優出。賞金を積み増して8位まで浮上した。脇本のダービー欠場により、坂井は特選に繰り上がり。より格上のレースの出場が決まり、さらに賞金を上積みするチャンスが訪れている。
坂井以外に若手で上位に食い込んでいるのは15位の嘉永泰斗。ウィナーズカップでは二次予選で失格を喫してしまったが、川崎記念では2日目から3連勝で優勝。郡司の地元記念5連覇を阻んだ。嘉永もダービーは特選スタートだ。
序盤戦の好調が目立った岩本俊介は11位。3月の京王閣FIから4月川崎記念初日まで、破竹の11連勝を挙げて話題となった。この連勝には伊東温泉GIII(S班は不在)での完全優勝も含まれている。
いかがだろうか。まもなく30日にGI最高峰の競輪ダービーが始まる。優勝賞金は8200万円と、GIのなかでも高額賞金がかかる。
例年、ダービーが終わると賞金ランキングが大きく動き、KEIRINグランプリに向けた賞金争いも本格化する。序盤戦の賞金状況や各選手の近況も参考に、ダービーの予想を楽しんでほしい。